明日からのTICAD・IV会議を前にNGOグループが顔合わせ。事務局を含め、若い人がほとんどなのに驚く。以前はアフリカをやっている人はメチャクチャな困難を乗り越えて来て、見るからに人生の重さ、思いの深さを感じるような人が多かったが、今日の会議を見ると何か英語でやる学芸会のような感じがしたのは、小生が年を食ったせいだろうか? アフリカ側のNGOがさかんに、通行パス(85名に3通のち9通しか発行されなかった)や本会議の情報フィードバック、NGOの意見の本会議への反映などを質問するが、事務局は努力している以外には何も答えられない感じがした。事務連絡で精一杯ということだろう。アフリカNGOも本気で怒っているというより、淡々としていて、まああきらめの表情。かって見られたようなぎらぎらした雰囲気もなかった。外務省の担当者も余裕の表情で、無味乾燥な荒っぽい事情説明ですぐ退場した。いまや日本のNGOはようするに外務省の末端のさらにまたその下請けというのが位置として置かれている立場か?最近、コンサルが増長してきて外務省ーコンサルーNGOのような上下関係が生まれているのではと危惧する。以前のような外務省とNGOのあのびりびりとした緊張関係が懐かしい。 これほど低調のNGO側であるが、TICAD自体は連日の政府の大宣伝でかってないほど大いに盛り上がっている。大手メディアは連日アフリカ特集を組んでいただき深謝。これまでの3回(15年間)の会議ではこんなに宣伝が行われなかったので、とまどうばかり。要するに極端に不人気な福田政権が支持率浮揚を狙っての大宣伝ということだろう。NGOへ通行パスが発行されなかった背景にはアフリカの元首が大挙して押しかけてきたということがあると言う。なぜこんなに来た?!それはもう、福田政権の大盤振る舞いで、食糧危機やエネルギー高騰で少しでも資金・食料援助がほしいアフリカ各国の元首からすれば、よだれのでるようなチャンスなのだろう。国内の批判をはなばなしい外交成果で帳消しにする意味もあろう。この間の胡主席と福田首相の首脳会談と同じで、国内向けのメッセージとしては意味があるのかも。まあ、そう考えると、アフリカを助けているつもりで、福田政権はアフリカに助けてもらっているのかもしれない。それでもU2のボノが来るといって喜ぶひともいるし(しかし、彼に名誉博士号を授与なんて意味あるのか?)、アフリカへの関心が瞬間風速的に高まるのもまあいいかと考えるのも一興。なんともおぞましい会議がいよいよ明日から始まる。
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