スウェーデン・ファクト・シート


このページでSvenska Institutet(スウェーデン文化交流協会)からの「ファクト・シート」を紹介します。(これは私が書いたテキストではありません)。

とりあえず障害政策について読んでください。


1. スウェーデンの障害者政策

スウェーデンの障害者政策は、障害を持つ人々に対して、健常者と同じように地域社会の生活に参加できる機会を与えることを目指している。このため、社会の各分野には、機能にハンディのある人が暮らす上で障害となるようなものをできる限り取り除くという務めがある。

背景と現状

スウェーデンは工業先進国で、人口は少なく、およそ870万人である。このことは2度の世界大戦のいずれにも巻き込まれなかったことや、開発可能な天然資料が豊富にあることなどと相まって、1950年代、60年代、70年代を通じてスウェーデンが他に類を見ないほど良好な経済成長を遂げる誘因となった。
このような要因は、広範な社会改革への道を開くことにもなった。
1981年の国際障害者年に際して、政府は障害者問題に関する全国行動計画を作成したが、この計画はリクスダーグ(国会)に選出されている全政党の師事を得た。

総合福祉政策

社会を作り上げている基本的要素の一つに、総合福祉政策がある。その目指すところは、全ての国民に対して財政的保障と社会的権利を保証することにある。これは社会においてひどく困窮している特定のぐるーぴだけを対象にするのではなく、申請手続きを撮ったり資産調査を行うことなしに、全て国民に保証することを目指している。もちろん、この制度は障害者にも利益となる。
このようなな一般的な規定以外にも、数多くの権利や給付金があり、福祉を補綴、拡大し、強化する役割を果たしている。機能上に障害のある人々のために定められた障害者政策の特別規定もその一つである。
こうした政策の基盤には、全体の福利のために全ての納税社が能力に応じて拠出を行い、平等な社会の原則に従って国民の生活標準の違いを標準化することを目的として、資金が配分される税制がある。

障害とは

スウェーデンの障害者政策においては、環境との関わりにおける障害という概念が中心的な役割を果たしているが、この概念はもともと、障害者の極端的で強力な運動によって導入されたものである。従って障害とは、各個人に属する特性ではなく、個人とその個人を取り巻く環境が接する際に生じる問題であると定義づけられる。
このようなとらえ方をすると、官民を問わず、あらゆる活動の組織者側に、その運営する活動がすべての人にとって利用できるものであり、損傷や疾患によって誰も不利な立場に置かれるようなことがないようにする責任が生じる。

責任の分担

スウェーデン社会において障害者のおかれている現状特徴づけてきた要素の一つに、強力な中央政府の影響力に、地方自治体に意思決定を委ねた明確な分権化がうまく結びついてきたことがある。国は立方、社会保険関連および総合計画の問題配分の問題を担当する。行動目標は国が設定するが、コミューン(全国を286に行政区分した地方自治体)とランスティング(全国を23に分けた行政単位)は実際にとるべき措置の質や性格の決定について大きな裁量権をもち、またその業務の資金の調達のために地方レベルで課税を行う。
教育、住宅、保育、社会福祉について基本的な責任を負うのはコミューンである。
保険と医療に関する第一の責任は、ランスティングが負っている。
従来から、労働市場、教育、医療、社会福祉活動の分野におけるほとんど全ての公的サービスは、中央政府、コミューンとランスティングが担当してきた。
このため、スウェーデンには私立学校や私立病院はごくわずかしかないし、過去数年間においては、慈善組織が障害者のための措置に実質的な影響力及ぼしたこともない。
しかし、過去十年間で、趨勢は責任の地方分権化の推進へと向かうようになり、このために、事情は若干変化してきた。中央政府の影響力は弱まり、地方政府がより多くの責任を負うようになっている。このことは、医療活動と社会活動の双方において民間のイニシアチブが確立されるようになるという結果を生み出してもいる。
担当当局と障害者組織との連絡円滑にするために、地区、地域、中央のそれぞれのレベルで、特別の調整団体ができている。その中枢となる国レベルの機関が、ストックホルムにある国立障害者協議会(Statens Handikappra^d)である。

障害者の運動

障害者政策の発展にとって重要な要素の一つに、深く根ざした大衆運動の伝統がある。スウェーデン人のほとんどはいくつかの組織や協会に属している。約46万人が障害者運動に属している。
さまざまな障害のグループを代表する組織が全国レベルで40ほどあり、その地区協会が全国に約2、000ある。障害者協会連合会(Handikappfo*rbundens samarbetsorgan)が全国組織の包括的な組織として結成され、29の加盟協会を傘下にもっている。
こういった障害者の組織は、広報世論形成、政治的に重要な障害の問題についての研究といった政治的利益団体としての業務活動に対して、国やランスティング、コミューンから財政的な支援をうけている。
スウェーデンの障害者組織は、障害者自身によって運営、統治されている事実に特徴がある。その経験や利益団体としての積極的な活動を通じて、こうした組織は担当当局にも、障害問題についての貴重なアドバイザーと見なされるようになってきた。その代表者たちは中央、地域地区の各レベルで、障害のある人々にとって重要な問題に関する立案についての作業グループや参考グループに参加している。

法律

障害者の権利についての法律は、教育、労働環境、社会福祉事業に関する法律の場合のように、属する枠組みの中で問題を統合しようとしていることが特徴である。
地方の地方の社会福祉事業およびランスティングの保険・医療サービスは、活動の枠組みと目標を定めた枠組み諸法に規制されるが、こうした枠組み方も独自のガイドラインに従って法律を解釈し、活動を形作っていく機会をコミューンやランスティングに十分にあたえている。
1982年に発効し、コミューンの責任を定めた社会福祉事業法(Socialtja*nstlagen)は、コミューンは身体障害者も精神障害者も、そのニューズに応じた方法で生活ができるようにし、、旅行することや移動すること、公的施設その他に対するアクセスを得ることによって、地域社会で活発な役割を果たせるように務めるべきことを強調している。
地方自治体の社会福祉事業には、地域に住むすべての人がその必要とする支援と助力得られることを保証するという最終的な責任がある。このことは、コミューンが支を実行しなければならないということではなく、個人個人にふさわしい方法で確実に支援が与えられるようにする義務があるということである。
ハビリテーション(障害者の社会復帰のための教育・訓練)とリハビリテーションは、障害者に対する補助具の供与や聴覚障害者や視聴覚障害者に対する日常の通訳等の通訳サービスの供与などと同様、ランスティングが責任をもつ仕事である。このような義務は、「保険・医療サービス法(Ha*lso- och sjukva^rdslagen」に新たに加えられた補足で定められている。
保険・医療サービスは、全国民に対して平等に提供されるようにすること、患者と共同で計画・実行されるようにすることが目標となっている。
1994年1月1日施行された新法である「特定の機能障害者に対する支援・サービス法(Lag om st*d och service f*r vissa funktionshindrade,LSS)は次に述べるような点で障害者の権利を拡大した。
同法は、スウェーデンの立方において枠組みが強調されるという傾向を逆転させるものであり、きわめて人権を重んじる法令である。
同法で最も重要な要素の一つは、個人的な支援を受ける権利である。コミューンがアシスタントを任命するか、個人に財政的支援を与えてその個人がアシスタントを雇用するようにするのである。しかし、この権利は65歳以下の人に限られている。
特別法によれば、ある人が周に20時間を超える支援を必要とする場合には、国が費用を支払う。支援に対する需要がそれ以下であれば、支払いをするのはコミューンである。このような支援を受ける権利のある人は1万人から1万2千人であると推定されている。同法は財政的支援を受ける権利を、障害のある子どもをもつ親にまで拡大した。このような親は、子どもの介助をするために雇用先から1年に10日間の有給休暇を得られるようになったのである。同法に定められているその他の権利には、コンサルティングその他、個人を対象とした専門家のよる援助、外出介助サービスや、主に障害者の家族の負担や、家族と住んでいる障害者、両親の家から離れて生活することを必要とする児童や若者に特殊サービスを提供するホームに住む者、成人用の特殊サービスを提供するホームに住む者の負担を軽減するために、障害者を短期的にそのホーム以外に滞在させるサービスなどがある。
約2万9千人の知的障害者が支援と特別ケアを受けている。その内、児童と若者は7千人弱である。LSSは、これまでの「知的障害者のための特別サービス法」にとって代わるものとなっている。
永続的に長期的な支援を必要とする約10万人が、同法によって生活上さまざまな種類の支援を受けられるようになると推定されている。


児童のための特殊サービス

(未定)


住宅事情

(未定)


教育

(未定)


労働生活

(未定)


文化とレジャー

(未定)


交通手段

(未定)


補助具

(未定)


社会保険

(未定)


「このファクトシートは、スウェーデン文化交流協会(The Swedish Institute)が海外におけるスウェーデン情報サービスの一環として公表しているものであり、参考資料として利用していただくためのものです。論文、講演、放送番組等の作成にあたって自由に利用することができます。出演の表示は必要ではありませんが、作成の日付けにはご注意下さい。
この日本語版は1994年一月印刷の英語版ファクトシートFS 87 k Ohfhをもとに作成したものです。

(1994年6月現在)」

/ファクトシートより。


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