スウェーデンの総選挙スペシャル

98年9月20日は選挙日です

背景

 スウェーデンのRiksdag(国会)は349人の議員(Riksdagsledamot)と一人の議長(Talman)からなる。議員は4年毎9月の3番目の日曜日(1998年には9月20日)に行われるRiksdagsval(国会選挙)によって選ばれ、349の議席(Mandat)はそれぞれの政党の立候補に占められる。国会の主な仕事は国民を代表すること、法律の制定、財政管理などのことである。国会はRegering(政府)による定義(Proposition)や議員による定義(Motion)を討論し、決定する。
 国会の仕事は現在16のUtskott(国会の委員会)で扱われる。Utskottの例をあげると、政府を管理しているKonstitutionsutskott(憲法委員会)などがある。Propositionの例としては毎年政府に発表されるBudgetproposition(予算案)をあげよう。大臣に対しての質問や説明要求(Interpellation)は毎週行われる。
 国会では経済・対外政策・EUなどに関する討論が行われる。一般的な人は特別な席から聴講ができる。
今年の選挙で議論されている主な問題
  • 失業
  • 税金
  • 教育
  • 移民・難民
  • 医療
  • EU
  • 環境
  • 国債
  • 労働時間短縮
  • エネルギー問題
1994年の選挙による議席の割合
政党名(アルファベット順番) 省略 議席
Centerpartiet 中央党 C 27
Folkpartiet (Liberalerna) 大衆党(自由党) Fp 26
Kristdemokraterna キリスト教民主党 Kd 15
Miljoepartiet 環境党 Mp 18
Moderaterna 穏健党  M 80
Socialdemokraterna 社会民主党 S 161
Vaensterpartiet 左党(旧共産党) V 22
  349
  •  投票の4パーセント以下の政党は議席を受けられない。これは国会の多数の分裂化を防ぐためである。

国会の政党

 

Centern 中央党

元農民党

頭首 Lennart Daleus

  • 環境問題:原子力発電の廃止、リサイクル・システムの強化、など
  • 小企業の助成:税金を下げることなど 
  • 地方分権化
  • 学校・医療の経済的な強化
  • EMU(欧州通貨連盟)やNATOに加盟しないこと
ホームページ(英語) http://www.centerpartiet.se/english/


Folkpartiet(Liberalerna) 大衆党 (自由党)

頭首 Lars Leijonborg

  • 税金:労働・投資などに対しての税金を下げること
  • 用者の数を増やすこと:雇用者の増加によって、税金を払う人が増える
  • 医療出資。老人ホームで個人部屋の権利、医療の「列」を減らすこと。体の不自由な人にパーソナル・アシスタント
  • 学校の強化、教育可能性を増やすこと
ホームページ(英語) http://www.folkpartiet.se/fp/90/inenglish.html 


Kristdemokraterna キリスト教民主党

頭首 Alf Svensson

  • 両親の育児時間を増やすこと、育児寄付を増やすこと。
  • 医療の強化
  • キリスト教の論理を基本にすること
ホームページ(スウェーデン語のみ) http://www.kristdemokrat.se/


Miljoepartiet 環境党

(頭首がなく、その代りに「代弁者」という)

代弁者:Birger Schlaug,MarianneSamuelsson

  • 生態的(Ecologic)な政策:環境を守る企業に対しての経済的な支援、原子力発電の廃止、太陽エネルギーなどの使用を推薦すること
  • 平等:経済的、性別的
  • 平均労働時間を40時間から35時間に減らすこと
  • EU連盟からの脱退
ホームページ (スウェーデン語のみ) http://www.mp.se/


Moderaterna 穏健党

(Moderata Samlingspartiet 穏健会衆党 ともいう)

頭首 Carl Bildt

  • 教育選択を自由化:民間学校。
  • 雇用者の数を増やすこと:雇用者の増加によって、税金を払う人が増える
  • 医療選択可能性の自由化&民間化
  • 税金を大幅に下げること
  • スウェーデンを世界の経済「トップリスト」に戻すこと
ホームページ(英語) http://www.moderat.se/index.asp?main=our_party/index.asp


Socialdemokraterna 社会民主党

(Socialdemokratiska Arbetarepartiet、省略 SAP 社会民主労働党 ともいう)

頭首 Goeran Persson

  • 税金を下げる代りに、高福祉を強化すること
  • 2000年までに失業者数を半分化すること
  • 教育・医療・高齢福祉などの強化
ホームページ(英語) http://www.sap.se/utl/intro_eng.asp?top=index


Vaensterpartiet 左党

元Vaensterpartiet Kommunisterna (左翼共産党)

頭首 Gudrun Schyman

  • 失業化の対策を優先すること
  • 男女平等
  • 環境保護:「循環社会」、つまりリサイクル・システムの強化
  • 医療の強化、医療可能性を平等化
  • 教育可能性の平等化
ホームページ (スウェーデン語のみ) http://www.vansterpartiet.se/


 国会選挙だけではない

 実は、同時3つの選挙が行われる。

  1. Riksdag(国会選挙) 
  2. Kommunal(自治体) 
  3. Landsting(県会) 
 Kommunalval(自治体選挙)は大雑把に言うと、町レベルの選挙であり、Landstingsval(県会選挙)はもっと大きな範囲であろう。Landstingのレベルで医療問題などは注目され、Kommunvalでは学校・市営問題などは議論される。
 同盟

 1994年から今年の選挙までの国会与党は社会民主党である。従って、政府権も社会民主党に占められているが、1994年の選挙で投票の少数(50パーセント以下)しか受けなかったので、Minoritetsregering(少数政府)の形になっている。つまり政策を成功的に完遂するため、他の政党(問題によって違う)からの同意が必要とされる。
 野党の「仲間」は以前、穏健党・自由党・中央党・キリスト教民主党であったが、最近の政策が代りつつあって、中央党は社会民主党との共同を表現してき、自由党も立場を変えた。いずれにせよ、スウェーデンの景気のために共同や妥協の意志を示す政党が増えてきたかもしれない。

 政党の「色」

 伝統的に、M・Fp・Kdは「青色」で、環境イメージを持つCとMpは緑色である。19世紀の労働運動から生まれたSとVは赤色で表示される。

小政党

 スウェーデンの政治舞台は比較的に安定しているといって良いのであろうが、実は80年代から1994年の選挙までに新党が国会に登場していた。それはいわゆる「不満党」のNy Demokrati(新民主党)であった。然し、党内の問題などによって、Ny Demokratiは投票者の信頼を失い、1994年の選挙に4パーセント・リミットに及べなかった。このような「不満党」はノルウェーやデンマークで認められるようになったが、スウェーデンでは環境党の登場(1982年)以来、新党がない。
 4パーセント・リミットに近い政党が幾つかあるので、今年の選挙結果はスウェーデンの政治に大きな影響を与えるに違いない。


他の関連リンク

菱木スウェーデン法研究所、公職選挙法セミナー
菱木昭八朗さんのホームページ。新しい選挙法などの詳しい事はこちらにある!

スウェーデン国会
オフィシャルサイト(英)

ELECTION GUIDE
外務省(UD)による選挙情報(英)

Rosenbad(政府ホームページ)
政府の情報(英)

スウェーデン放送局のニュース (要Real Audioプラグイン)


小さなスウェーデンページ 1998

作成者 Bosse Wester swe@gol.com