GSX-R750 (98年式国内仕様)


  スパーダでサーキット走行に復帰して、いろいろ走っていたのですが、時代はすっかりリッターSSになっていました。走行会に参加しても回りは1000とか1000とか1000とかばかり。さすがに4st250では辛くなっています。そこでもうちょっと速く走れるマシンがほしくなって探したのがGSX-R750です。

このバイクに至った経緯は以下の通り。まず新車は買えないので中古から検討することになります。今時代は1000ccがトレンドで、750は中途半端に不人気で中古の相場が安いらしい。それなら750ccにしましょう。どうせ100馬力以上あるから1000も750もかわらんでしょ。でもサーキットを走るわけだから、車体や足回りのしっかりしたバイクでないと。じゃ、当然レプリカですね。この時点で既に選択肢はスズキのGSX-R750しか無くなっています。他のメーカーはもう750レプリカを出してないのです。

で、GSX-Rにはいろいろ型があるのですが、96年式から水冷になったので、96以降にしましょ。00以後はSBKでチャンピオン取ってて相場が上がってるので、96-99で探すことにしました。そしたら98の良いタマが出てきました。98からは燃料噴射になってるので、じゃこれにしましょうということで決定。めでたく我が家にGSX-R750Wが納車されたのです。これで筑波を主体に、いろんなサーキット走ってます。
  GSX-Rの全景。今風SSの小型化するテールカウルの流行から見ると、超巨大なお尻がチャーミングです。車体全体で見るとアルミボックスフレームの構成はレーサーとしてはオーソドックスですね。今風のSSと比較するとスイングアームがやや短め。最近のSSはエンジンの前後長を抑えてスイングアームを伸ばしています。基本的にうちのGSXはフルノーマルです。ECU変えてフルパワー化している以外は、マフラーも純正(ただし輸出仕様)のままです。
  フロントの倒立サス。もちろんフルアジャスタブルです。良くできてます。
  リアショックもフルアジャスタブルです。足つき性が悪くなりますが、リアのプリロードかけて少し車高を上げたほうが自分には乗りやすく、タイムが上がりました。
  トキコの6ポッドキャリパー。ピストンが左右で12個もあるのだからメンテナンスが大変です。気づくとすぐに一つ二つピストンが仕事をサボってブレーキのタッチが硬くなります。メンテ直後はタッチも制動力も十分なのですが、このデリケートさとメンテサイクルには本当に困ってます。ブレンボの4ポッドに変えようかと本気で悩み中。

パッドはSPADAと同じくZCOOを使ってます。赤茶っぽくコーティングのかかったローターがいい感じです。

細かいところを見るとキャリパーのボルト。これは純正品なのですが、中空の軽量ボルトです。ボルトヘッドも肉抜きしてあります。こういう地味なところにしっかり良い部品を使っているところがさすがスズキの旗艦バイクですね。
  リアブレーキは普通の対向2ピストン。このパーツ、最初の頃のGSX-R750からずっと変わってないとか。
  ノーマルのカウルはもてぎの3コーナーグラベルに食われてしまいました(T_T)。仕方ないのでレーサー用のFRPカウルにライト穴を空けて使ってます。純正のABSカウルは値段高すぎです。例によって出入りのバイク屋に加工してもらいました。レーシングカウルは軽いしクイックファスナーもついて整備性が良くなってます。アンダーのオイル受けもついていて良い感じです。
  ラム圧のかかる吸気口。これでストレートでは5%程度の出力向上があるそうです。でもレースするわけじゃないので、正直100馬力以上あれば5馬力の差なんて体感できません。どうせパワー使い切れないし(苦笑)
  シートカウルは純正のまま。巨大なお尻には結構いろんなものが入ります。買い物の際に便利です。GSX-Rで買い物に行くことは決してありませんが。
  ユーザーマニュアルを見ると、タンクを持ち上げてメンテしやすくする仕組みがあるそうです。で、持ち上げてみました。持ち上げるためにはシートを外す必要があります。シートカウルの中に、持ち上げたタンクを止めるためのつっかえ棒まで用意されています。

しかしいざ持ち上げてみると、中は巨大なエアクリーナーユニットです。これを取らないとプラグ交換もできません。せいぜいエアクリーナーの汚れをチェックできる程度です。で、エアクリーナー外すためにはタンク外さないとならず、そのためにはシートカウルから全部はずす必要があります。結局、このタンク持ち上げ機構はまったくの意味無しです。せっかくわざわざタンク後部にヒンジまでついてるのに、このへんさすがスズキって感じです(笑)
  エアクリーナーを外したところ。スズキの誇る750ccユニットが見えます。ヘッドカバーはマグネシウムです。さすがスズキのフラッグシップ。こういうところは惜しげもなく良い部品を使ってます。

エンジンはすごくいいです。パワフルでタフです。確かに初期の燃料噴射は低速でのドンツキが気になるけど、人間が修正できる範囲です。
  ステップは固定バーに変更しました。S字の切り替えしとかで、折りたたみステップがカクカク動くとイヤなんですよね。これも出入りのバイク屋で削りだしで作ってもらいました。
  まだまだアナログなスピードメーター。国内仕様なので180km/hまでです。富士スピードウェイを走ったときはメインストレートの最高速時に、針が一周して0km/hのストッパーに当たってびっくりしました。水温計だけデジタル表示です。街乗りするとすぐに水温が100度を超えて慌てることになります。
  タイヤはメッツラーのレンスポルトです。ストリート用ではなく、レース用のコンパウンド(フロントソフト、リアミディアム)を使ってます。レンスポルトはすごくいいです。高グリップ、素直な過渡特性、熱ダレにも強く、(レース用にしては)長持ちします。ただ、値段がね… 前後交換すると吉原の高級ソープ楽勝で行けちゃう値段です。涙が出ます。

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