フラメンコの曲と種類

 

フラメンコの曲は、大体70種類くらいあるといわれています。
音符も拍子も、近代の楽譜で表すのは難しく、その分類も不可能と言われています。
フラメンコの曲の種類の事を、「形式」と、呼びます。
フラメンコの形式は、リズムの形と、メロデイの特色で区別されています。
だから、「ソレア」と、言えば、
こーんなリズムで、こーんな音の流れ・・と、わかるのです。
打ち合わせなしで、踊れるのは、そういうわけなのですね。
フラメンコをやっている人ならば、だれでも勉強する「コンパス」。
この、コンパスという暗黙の了解があり、それがどんなコンパスなのか、どんな調子なのか?を、形式名から知ることが出来るわけです。
形式と、その音楽が、どこを起源としているかでおおまかな分類が出来ます。

 

フラメンコの大まかな形式の分類と起源
リズム型 ヒターノ色の濃いもの アンダルシア色の濃いもの アンダルシア以外の地方
あるいは南米色の濃いもの
マルティネーテ型 マルティネーテ  トナー サエタ  
シギリージャ型 シギリージャ  カパール    
ソレア型 ソレア  カーニャ 
アレグリアス  カンティーニャス
ブレリアス
   
ペネテーラ型   ペネテーラ グアヒーラ
タンゴ型 タンゴ ティエントス タラント タンギージョ デカディス ファルーカ ガロティン
ルンバ コロンビアーナ
歌のファンダンゴ型   ファンダンゴ
マラゲーニャ
グラナィーナ
タランタ
 
踊りのファンダンゴ型   ファンダンゴス・デ・ウェルバ
ベルディアーレス
 
セビジャーナス型   セビジャーナス  

 

主要な形式の特徴
マルティネーテ 無伴奏、自由リズムで歌われ、本来踊りは無かった。
シギリージャ 難解といわれる、独特のリズムを持つ。これも本来踊りは無かった。
 ソレア このグループは、バイレ、カンテ、ギターとも、もっとも頻繁に演じられる。
これは、更に3つのグループに分けることが出来る。
ソレア,カーニャ カンテの母とも言われるソレアは、
フラメンコの中でも、最も豊かに発達し
さまざまなスタイルを持つ。
アレグリアス,カンティーニャス 伸びやかな曲調を持つ。
バイレでは欠かせないナンバー
ブレリアス テンポの速い踊りの曲。
速さや技、粋さを競い合う。
タンゴ アルゼンチンのものとは違う、フラメンコのタンゴ。
ティエントはゆっくりしたタンゴ。
歌のファンダンゴ アンダルシア民謡から発展した。
ギターを伴い自由なリズムと節回しを多用して歌われる。
踊りのファンダンゴ 三拍子の活発なリズムで踊られる、アンダルシア民謡。
歌のファンダンゴはここから発展した。
セビジャーナス セビージャ地方で、祭りの時に踊られる民謡。
中部スペイン民族舞踊のセギテージャのスタイルを持つ。
ガロティン ファルーカ:北部スペインの民謡から生まれた2拍子系舞曲。
ルンバ   グアヒーラ:中南米音楽の影響で生まれ、一時期大流行した。