Elisabeth Season 2004 



2004年5/2
2004年5/9
2004年12/11


「エリザベート」
2004年12/11於梅田コマ劇場
 

Wキャスト
トート:内野聖陽
フランツヨーゼフ:鈴木綜馬
ルドルフ皇太子:浦井健治


えへへへ。
行っちゃいました、大阪まで。
内野さんの楽が取れたとの連絡に、出かける事に。
5月以来のエリザでしたが、なんだか東京公演とは少しまた演出が変わっていました。
それは取り敢えず置いておいて。

今回の演出に関して、あちこちで色々と言われているらしいですが、やっぱり私は今回の演出嫌いじゃありません。
墓場から全部始まる(エリザベート自身も亡者として登場する)のもいいですし、全体的にトーンが暗いのも、エリザベートのエゴや傲慢さが強調されているのもいい。
一部踊りの振り付けで「・・・・・。」となる所もありましたが(いや、結婚式のシーンね・・)、トートの人柱も無くなってラスト集中できるし、何より、手と手を取り合って消えるんじゃなくて本当に良かった!
甘いのが嫌いなんです。
あの一部で話題沸騰の電光掲示板も、もう気にならなく・・ていうか、いっそカキワリしないのだったら背景もやめれば・・と思いましたが。
なんでもかんでもカキワリで、セット作るのもどうかと思うんですよ。
セットでああいう宮殿とか造ると、どうしても安っぽさが見え隠れしてしまいます。
こればかりは本当にしょうがないです。
だって、本当の宮殿でやってるんじゃないから。
(いや、三輪さまの「双頭の鷲」観た時はすごいセットだったけど)
だったら、いっそセットなしで人の想像力に任せたほうがいい時もある思うんですよね。
そんなわけで、巷での評判の割には、好意的な私です。
そして、一路さんはどんどん後半になって良くなってくると思いました。
なんだかなー・・やっぱり彼女も年を取ったって事だと思うんだけど、初演の時に比べるとどんどんこう・・・2部の方により味が出てくるようになったと思います。
前半の無邪気な感じに違和感があるっていうのか、若さを表現しようと高い声を出しているのかもしれないけれど、今回もやっぱりちょっとなぁ・・な印象が残りました。

さて。
うっちー・・
いや、今回内野さんのしか観なかったんですが。すごい上手くなってるし、何より演技がいいです〜〜。
体重を感じさせないし、机からひらり、塔の上からひらり、階段をひらり、エリザベートの執務机に寝そべって誘う様など「おおおおおおおっvvv」なアヤシさです。
い・・・・いろっぺー。
この舞台で彼のファンがどんどん増えていったのがわかる気がします。
山口さんは、端から踊らないし、動きもよっこいせ。だそうな。
今回ご一緒した大阪の二人によると
「二人を足せば良いんだよね。決して割っちゃイケナイ。」
そう。
二人を足して二で割るのではなく、足せ!足しとけ!って感じです。
でもどっちかと言ったら、ここ最近の再演では内野さんかな〜・・・個人的好みとしては。
それは歌は山口さんが圧倒的に上手いけれど、うっちートートはとにかく演技が・・!
仕草のひとつひとつが綺麗だし、立ち姿が美しいし、何よりエリザベートをちゃんと愛してるし。
全身でもって一生懸命誘惑しているのが、よぉ〜く判ります。
2005年もあるらしいですが、うっちー中心に観にいこうかな。
さて。
今日の王子は浦井君でした。
なんだか、東京よりもどんどんよくなってきてます。
彼は井上君よりも線が細いのでより若く見えるのですが、それがまた初々しい。
頭小さくてスタイル良いですよ。
こんなに歌が上手くて、踊りもすごいとは思わなかったです。
そうか・・・・歌って踊れるラスボスダグバだったわけだな。
クウガが叶わないわけだ(違)。
ルドルフ皇太子役は、新人の登竜門のようになっていますね。
本当、今後ダグバ君もとい浦井君の活躍が楽しみです。

演出が変わっているな・・と、気づいたのは。
最後です。
トートによってエリザベートが棺へ誘われていく所で、あれ?
いつの間にやら足元にルキーニが。
天へ登っていく棺の足元で、縛り首のルキーニが倒れていく・・・
これは、東京ではなかったような気がします・・。
アレですかね。
エリザ暗殺の理由に闇の裁判官が納得したって事なんですかね?
これでようやくルキーニも本当に死ぬ事が出来たっていう設定?
うーん・・判りやすくはなっていると思うんだけど、どうなんだろう。
ま、次回の演出でまたどう変わるか判らないので、一応楽しみにしておきます。

で、大楽ではないけれどうっちーの楽日。
子役の子が、エンディングの時から大泣きしていたのが可愛かったです〜。
何度も何度もカーテンコールに出てきて、こういうのって楽の醍醐味ですよね。
最後に内野さんから挨拶があったのですが、ご本人曰く「もう、舞台で全部出し切ったので話す事も余りないのですが・・・」な、感じでした。
観に来てくれるお客さんに感謝しているというような事を言っていました。
そうやって内野さんがトークしている間、ふと周りを見ると全員(!)オペラグラスで舞台を見つめていてその姿がちょっと笑えました。
皆、ウッチーファンなんだね・・・
その後、何とこの楽に合わせて「エリザベート」原作者のミヒャエル・クンツェ氏と音楽のシルヴェスター・リーヴァイ氏がオーストリアからいらしているとの事で、舞台上に登場。
びっくりです。
本物を見るのは初めてでした(当たり前)。
クンツェ氏は日本でこのミュージカルが人気を博している事への謝辞など真面目なご挨拶でしたが、リーヴァイ氏はどこで誰が教えたのか本人のキャラなのか、終始妙な日本語を連発して笑わせてくれました。
挨拶が終わり、一路さん、ウッチー、クンツェ・リーヴァイ両氏と何度も何度もカーテンコール。
いやぁ、楽日って良いですね!
初演の時に東京の大楽に行きましたが、独特のものがあります。
最後は内野さんと一路さんで登場。
場内の明かりもついて、アナウンスも流れたけれど、その後も何度か登場しました。
二人で抱き合ったり、客席に手を振ったり。
特に今日は内野さん目当てのお客さんが多かったので、ウッチーが何度か客席に投げチッスをくれましたよ。
うわぁぁぁ。
これが結構な破壊力でした。
元々好きな俳優さんではあるけれど、お友達の某Nちゃんのようにものごっつい内野さんに転がりそうになりました。
カッコよかったです。
最後はオケなし。
あれ??
ちょっとそれが尻切れトンボな気分だったかな。

 

「エリザベート」
2004年5/9於帝国劇場
 

Wキャスト
トート:内野聖陽
フランツヨーゼフ:鈴木綜馬
ルドルフ:パクトンハ
エルマー:藤本隆志
ルドルフ(幼年):川綱治加来


2度目です。
友達に誘われて行って来ました。
やっぱり綜馬さんの歌は聞き取り辛い・・と思いました。特にお見合い前の宮廷シーンで。
綜馬さんだけ何言ってるのか判らないんだよー。
今回の再々演で、変わったところが幾つかあるのですが。
その中にフランツと母親の確執のシーンがあります。
母親に関してまったく意見を言わなかった(言ってたとしてもシーンとして登場しなかった)フランツヨーゼフですが、今回はちゃんと母親に意見するシーンが出てきます。
それを受けて、母親であるゾフィーの独白も。
これがあってなんか良くなった気がしますですよ。
それからルドルフ皇太子の幼い頃のシーンも増えてます。
こうやって確か軍人に育てられて、子供らしさを許されないで、ちょっとおかしくなっちゃったんだっけ?
こういったほんの少しずつの細やかなシーンが増えた事で、登場人物たち一人一人に焦点が合って来た気がするんです。
全体的にすっきりとまとまって、やっぱり私は今回の演出は間違っていないんじゃないかなーと思います。
あと、セットに使われている3つの塔?も結構気になります。
1番端に置いてある骸骨が王冠をかぶり、同じく骸骨の赤子を抱いているものがかなーり気になってオペラグラスでずっと見てたんですけど。
友達に後で「何、人と違うところ見てるの。」とチェックを受けてしまいました。
さて。
今日の王子様でしたが。
いや・・うん・・・その。
もし、1回しか行けない人がいたとしたら。
浦井君をオススメするね・・うん。
身びいきとかではなく・・その・・だ。
まず、顔がデカイ・・(><)
全体のバランスがね・・・うん。
背も・・だし・・。先輩なんか浦井君の事「足が長い方」とか言っていたし。うん・・つまりはね、そういう事だったりね。
やっぱ王子様だからさー。
それと、私だけじゃなく多分見た人全員が気になると思うんだけれども。
その汗!
もちろん自然現象だから仕方ないですよ?舞台の上で飛んだり跳ねたりしたら暑いよね?
でもね?舞台人としてそれはどうなの?
こーんなに離れた客席で、しかも裸眼で。オペラグラスも通さないで。
顔がぐっしょりなのがわかるんですよ。
だらだらだらと汗に濡れているのが。そして、その王子様の白シャツがべっとりと汗で背中に張りついておるのが!
こんな汗だくの王子様を抱き締めてキスせねばならんトート様も大変だろうて。
と、変な同情をしてしまいましがな。
踊りも浦井君ほどではなく、歌もそれほどでもなく。
なんにしても、皇太子の出ているシーンがあまり重要じゃないように感じるんです。
井上君のオーラが別格だったんだなーと今更ながらに実感した再々演でした。
そうそう。
今日のカーテンコールはちょっと笑いました。
最後の最後、もう幕が上がらないと踏んでいたのかそれとも上がる前に合図位あるものなのか。
いきなり最後灯りがついてから幕が上がってしまい、舞台上は全員くつろいで座りこんだまま(爆)。
慌てて皆立ち上がるし。
一路さんと内野さんの近くでじゃれていたらしい子役を内野さんが肩に担ぎ上げ様として落しかけるというハプニングがあり、
「うわ〜っ危ないよ内野さん!」
なんて声も客席から飛んで、共演者が皆慌てて子供を必死に押さえるとかいう一幕もあり。
笑わせてもらいました。
内野さん危ないって、ホント。


「エリザベート」
2004年5/2於帝国劇場
 

Wキャスト
トート:内野聖陽
フランツヨーゼフ:石川禅
ルドルフ:浦井健治
エルマー:藤本隆志
ルドルフ(幼年):塩野魁士


ついに再々演を迎えたお化けミュージカル。
当初宝塚で上演した頃はここまでのドル箱になると誰が思ったでしょうか?
私も思いませんでしたが・・
しかし、ウィーンまで行ってしまった自分の事を考えると何も言えません。
さて。
それでも今回は私の王子様井上君が出ないし、相当気乗りしてなくって。
1回くらい行きゃーそれでいいよねー。みたいなノリです。
そう考えると、私は決して一路さんファンでもなく山口さんファンでもなく内野さんファンでもなく。
ああまであの舞台に通ったのは、やっぱり井上君がいたからなんだろうなーとしみじみ思う今日この頃。
まぁ、それでも見ておくかと思ったのは、今回のルドルフ皇太子が浦井君だったからです。
浦井君・・・仮面ライダークウガで敵のラスボスをやっておった青年です。
当時は「少年」っていう括りでした。謎の少年(笑)。
真っ白な服で現れ、全てのグロンギ族(敵の種族)の頂点に立つ別格の存在。
思念だけで発火させる事が出来て、クウガ@オダギリジョーを苦しませたんだよなー・・なんてこんな処で語っている場合ではなく!
彼がミュージカル出きるのは知ってたんですが。確かタキシード仮面やってましたよね、セーラームーンで・・
でも、井上君に比べたら人相悪いし(爆)どんなもんなんだろうと思っていたんですけど。
案外良かったですわー。しかも振りつけも変わったんでしょうけどムチャクチャ踊ってました!
井上君よりも踊ってましたよ!
バレエの素養でもあるんかなぁ?バレエジャンプみたいなワザも見せていました。
歌も、そりゃ井上君に比べれば声量こそ落ちるもののちゃんと声も出ていたし。声も少し似てるかも。
・・なんて、こんな風に比較されちゃうところが悲しいんだけれども、まぁ仕方ない。
石川さんは、私正直なところ綜馬さんより良かった気がします。
立ち姿とか容姿とか(失礼)で、綜馬さんがイイ!という声も多いのは知っていますが。
綜馬さんは若い時と年を重ねてからの歌い方の差があまり感じられないし、アンサンブルや2人以上の声が出ている時には何を歌っているのか聞き取れない時が多々あるんですが。
石川さんは若い時と年を取ってから・・の差が声の出し方でとてもわかりやすい。
それに常に言葉が明瞭で聞きやすかったです。
そして、行く前からあちこちの風の噂に聞こえてきていた新しい演出方法。
ははぁ・・・これが、噂の電光掲示板か・・。
と、いうのも判り。
でもあれ最新技術らしいですね。
最初、気になって仕方なかったんですけど、かつて周囲で踊りまくるトートダンサーが邪魔だと思っていたのに段々気にならなくなってきたのと一緒で(爆)、最後の方はあまり気になりませんでした。
そのほか変わった部分に関しては、私は割合好意的だったりするんですよ。
死の国から蘇った亡者たちが物語りをはじめる・・という設定もより判りやすくなっていたし(エリザベート自身も亡者として登場する)、最後のシーンも、二人で手を取り合って去っていく・・という今までの演出が実は甘すぎて気に入っていなかった私なので、今回の新しい演出はかなり気に入っています。
曲も「夢とうつつの間に」がなくなり、更にエリザベート自身の強さや傲慢さを強調した「私が踊る時」が入りましたがこれも良かったです。
実はハンガリー版を聞いて、知らない曲があったのでなんだろうなぁと思っていたんです。
この曲好きです。
前に小道具として登場したチェスの駒?もなくなりましたが、あれもなんだか意味不明だったので無くなっても良し。
マイヤーリンクのシーンでトートダンサーたちが半女装のような衣装で登場するのもグーです。
確か、ウィーン版の初演がそんなんだったと思うのです。
情死したという史実やトートたちが性別不明というのも匂っていて良かったなぁと思っていたので、ドレス着ててくれてなんか嬉しかったですわ。
キスシーンは以前までのものに比べて、えっらい長くなってしますが。
なんであそこだけ演出変え・・げほげほ。
王子様(井上君)が出ないならいいかと思っていたエリザですが、やっぱり見に行って良かったです。
今回トートダンサーズがすっきりした反面、エリザベートも含めメインキャストの踊りがすごく増えていて、「ミュージカル」になっていました。
しかし、山口さんは絶対踊っていないと確信していた私でした。
あらいさんが賭けてもいいって・・(大爆笑)