関連図書コレクション

「エヴァンゲリオン劇場版まごころを、君に」フィルムブック 角川書店

画像の細部をじっくりと見たくて買っちゃいました。
今見ても私はこの作品のデザインセンスと内容の深さ(複雑さゆえすべてのテーマが理解は
できませんが)は秀逸ものだと思います。
この作品もまた海外での方が高く評価されるのではないかという気がします。


「エヴァンゲリオン 映画編 探求」 ヤナミレイア 史輝出版

どこかのHPで超オススメと書いてあったので、早速立ち読みしました。
双子の物語、赤と白の物語等々みごとな考察です。
シンジによるアスカ首締めなど、隠喩的だった夏エヴァの疑問がおかげでかなり解決しました。

「おとなになる本」 径書房 パット・パルマー原作

この本はもともとアメリカの十代後半の人たちに向けてSelf-direction(自己決定)の大切さを伝える
ために書かれたものだそうです。人によっては生きていくヒントになる部分もあるかもしれません。
わずか56ページで1500円はちょっとつらい。まずは本屋さんでチェックしてみてはどうでしょうか。

参考までに目次を列挙します。
第一章 つまらない毎日
第二章 自分の現在地を知る
第三章 大切なものはなんだろう
第四章 あなたを傷つけるもの
第五章 自信を取りもどす
第六章 自分の中にある力
第七章 気持ちを伝える
第八章 人を愛するということ
第九章 決断するとき
第十章 自由に生きる


「エヴァンゲリオン 限界心理分析」 ネスコ発行・文藝春秋発売

エヴァ登場人物の心理描写を中心に、その精神病理を解説した本です。
特に14歳をめぐる環境を作品を通じて解き明かしており、エヴァの理解が深まります。
シンジを含め、登場人物全員の地獄の”病理めぐり”が読む人の心までも鋭くえぐります。

いくつか目次から抜粋すると
・碇シンジ−「アダルトチルドレン」「境界例人格」−精神病理の培養器エヴァンゲリオンにとらわれた少年
・綾波レイ−「コタール症候群」−思春期の女性(14歳)に発症したきわめて特異な例
・惣流・アスカ・ラングレー−「思春期性うつ病」−大卒のエリート意識がくずれ、異国で発症
・葛城ミサト−「嵐の乙女」シンドローム−恋人の死で歯止めがきかなくなる高学歴美人の暴力
・赤木リツコ−「自己敗北性人格障害」−「綾波レイのダミー」破壊行為に走らせた母子関係
・碇ゲンドウ−「現実不全感」「洗浄強迫」−ヒットラーと酷似の妄想的執着
 などです。

フィクションの世界を現実世界と同レベルで分析することに無理があるのはもちろんわかるし、もしかしたら
かなり深読みと思える部分もあるでしょう。
でも、今にしてこの本を読むと、ストーリー中に盛り込まれた各登場人物の不可解な言動は、非常に
よく計算されているように思えます。
仮に自分がエヴァの監督だったら、あの場面であのセリフが思いつくだろうか?と考えてしまいます。
改めてエヴァってすごい作品なんですね。

なお、「コタール症候群」とは何か?とのメールでの質問が来たので、本文から引用します。
「コタール症候群はフランスの精神科医コタールが1880年に報告した特異な症候群である。特に老人期(60歳以降)に
向かいつつある世代のうつ病患者にみられ、否定妄想を中心に展開していく。次の段階になると、独特な巨大妄想がとも
なってくる。巨大妄想がもたらす身体の巨大化と時空間の永遠の広がりは恐怖と戦慄とともに現れる。自分が巨大で不死
の存在物になり、死ぬことさえ許されぬ艱難辛苦を背負わされていると嘆き、やがて全存在の否定にたどりつく。
患者はこれから逃れようと、しばしば自殺を企図する。しかも痛覚が低下していることから、自殺や身体損傷を容易にさせる。
レイに関しては3回、自殺の企図があった(内2回は未遂、1回は実行)。」

「Newtype 100% collection29 新世紀エヴァンゲリオン」 角川書店

キャラクター、メカ設定に関する資料の他、ガイナックスによる新世紀エヴァンゲリオンの企画書が公開されているのが興味深い。
テレビ放映用26話の全ストーリータイトルと概要案を見ると、一部に違いが見られる。
第17話「アスカ、初デート」、第23話「人類補完計画」、第24話「今、契約の時」、第25話「アルカ、約束の地」、最終話「たったひとつの冴えたやり方」など、企画時点での作品も見たくなりますね。

「エヴァンゲリオン スタイル」 第三書館

デザイン理論、モチーフ、映像技法と作品構造、サウンドトラック徹底検証、都市論、ボーダーラインの精神病理など、各分野の専門家が様々な角度からEVAを検証した本である。
これを読むと、なるほどエヴァンゲリオンはおそろしいほど膨大な情報のエッセンスで作られた作品だということがわかる。引用例と思われる写真や参考図やがたくさんあるところがうれしい。

面白かったのは、「エヴァンゲリオンに見る病のモチーフ」の箇所で、要約すると、
1.まずエヴァの機体そのものが病んだシルエット(四肢並びに胴が異様に細く、猫背である)
2.病院を舞台にしたシーンが非常に多い。(全26話中10回以上ある)
3.綾波レイだけでなく、登場人物の多くが包帯姿になったり病室で寝ている場面が男女の別なく
  表れている。
4.登場人物の病的表情が異常に多い。(マヤ、レイの嘔吐場面などもある)
これほど「病」が様々な形で前面に出てくる作品は確かになかったと思う。
これも時代なのだろうかと思うとかなり怖い。

「庵野秀明 スキゾ エヴァンゲリオン」 太田出版

ご存じ庵野秀明ロングインタビューと欠席裁判が入った前編です。
私も彼らと同世代なためか、テレビが「魔法の箱」であることに関する記述も含め、同感できる部分が多かったです。


「STUDIO VOICE」 Vol.255 1997 March 

特集「エヴァンゲリオン 終わりと始まり」
私も買ってしまいました。
心理学、宗教・神話、生命工学など専門家の論評と各ジャンルの参考図書が記述されている。
この中に掲載されていた書籍の中では「神秘学の本」と「ひき裂かれた自己」、「Quick Japan」の特集号は読みました。

「新世紀エヴァンゲリオンの謎」 特務機関調査プロジェクトチーム KKロングセラーズ

不覚にもこんなものを買ってしまいました。
入門者向けとして執筆努力は認めるが、謎解きのヒントにはならないし、コアなファンには物足りないのではないかと思う。

別冊宝島293「このアニメがすごい」

EVA関係では「越境する日本アニメが世界の文化を変える」(矢沢光一)と「碇シンジはなぜエヴァに乗るのか?」(野火ノビタ)の文章が特に興味を惹かれました。


コミックス 「新世紀エヴァンゲリオン」@〜C 貞本義行 角川書店

やっぱり買ってしまいました。
「コミックスのシンジはクライ」と言われてますが、私はこれもいいと思います。
むしろ、ヤシマ作戦の後のレイの笑顔はコミックスの方がいいのではないでしょうか?
(アニメ版のはなんとなく作り笑いのようでちょっと..)
4巻のアスカもなかなかいい味出してます。



さて、購入したわけではないのですが、以前友人から「こころを操る男たち」という本を借りて読んだことがあります。
「エヴァの最終2話は自己開発セミナー」という論評がありましたが、この本はまさしくその自己開発セミナーの発生起源、その内容の一部抜粋、日本での歴史が記述されています。
元々はキリスト教の神父さんの研修技法だったようです。
昔は、なぜか日本人男性は連帯感が発生すると肩を組んで「同期の桜」を歌う、なんてことも書いてあり驚きました。
私はセミナーについては賛成も反対もしません。(人によって飛躍的に効果が出ることもあれば、そうでないこともあるからです)
ただ、専門家によるカウンセリングは最低限必要だと思います。

また、鶴見済さんの「人格改造マニュアル」も立ち読みでしたが、面白かったです。
こころの問題、特に鬱病などは最近アメリカで薬品による治療効果が注目されており、今後関連書籍が増えるのではないかと思います。

宝島別冊はよくチェックするのですが、時々スゴイものが出てるようです。

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