宣 言 文




 謹んで惟るに、わが日本が日本たる所以は、二千六百有余年の長きに渡り
一系のもとに君臨あそばした、天皇陛下を中心とした君民一体、君臣親子の
健全なる道義国家の国柄にあります。その基いをたずねれば、かしこくも天
祖肇国、神武建国の大理想にあると我々は確信するものです。
 つまりは、天祖・天照大御神の達せられたる人類悟りの境地は、同時に、
大宇宙無限の真理の道でもあったのです。そしてその崇高なる大理想は、皇
祖皇宗の長きをへて、今なお宮中に置いてのみ連綿と受け継がれております。
かかる聖域にこそ、我が日本民族本来の大本があり、良心があり、そして魂
があると確信するものであります。
 勤皇こそ絶対、勤皇こそ人類史の金字塔、勤皇こそ万物真理の道。かかる
道理を踏まえて歌い上げた我国創世の歌の美しさはどうでありましょうか。
よほど高邁な精神を持つ者でなければ、目にも見えず、舌にも乗りません。
 我らの遠い祖先は、それを見、それを味わい、それをかしこんで、生命の
根元である天皇の下に結集して、君民一体の国づくりをしてきたのでありま
す。
 しかるに、戦後の日本、いわゆる大東亜戦争敗戦後の、連合軍の占領支配
に立脚した現下日本においては、それら真の国柄、文化、伝統というものが、
悲しくも人々の意識から分断されて久しくあります。魂の奥底に轟く共通の
歓喜を日本人は無くしてしまったのであります。
 代わりに反動として生まれたものが、物欲と享楽と身勝手な権利を貪るエ
コノミックアニマルと化した日本でした。まさしく不健全極まりない日本で
した。どこまでも暗く低く立ち込める混濁の暗雲が、今や日本全土を覆って
いるのであります。
 国家の顔ともいえる政治外交は、まるで商人の出先機関のような経済優先
政策の一点張りに終始し、国家の主権も尊厳も祖先の名誉も泥だらけにして
行う土下座外交は、近年目にあまるものがあります。
 最高法規の憲法は、今だ他国の作った捕虜占領時代の管理法を後生大事に
守り続け、
 教育は、日本史の中から、真実と正義と美徳という文字を削除し、その上
で国民の愛国心を奪った。日の丸、君が代、建国記念日軽視というものの中
に、明らかにそれが表れています。
 国防は、魂無き不正義の平和の上に安住し、矛盾と欺瞞の戦争放棄を逆利
用し、その責務を今だ他国に押し付けてやみません。近年の難民救済におけ
る自衛隊のPKO活動に、それがはっきりと現れております。とても戦地に
赴く軍人とは思えぬような、軽装備を強いる政府に、武士としての名誉と誇
りは羽毛のごとき存在にしか映らないのであります。
 そして経済は、かろうじてこれだけが一流とされています。がしかし、実
際はどうなのでしょう。日本がほとんど無資源国である以上、すでにそれが
砂上の楼閣であることは、バブル経済崩壊後の、ここ数年来の不景気風をみ
れば明白なことであります。
 かつて第四権力と呼ばれたマスコミは、今やその凶悪な権力をふるい、第
一権力と言われるまでにのし上がっております。彼等は、表現と言論の自由
を逆利用し、そのとめどないペンの暴力を行使し、金権と自己保身に目の眩
んだ日本国民の、思想、歴史観というものを、自由独善に操ってやみません。
 又、ちまたにおける人心の乱れは、益々その止まるところを知りません。
 中でも無道として許しがたいものは、国家民族の安寧と秩序、そして長き
にわたる白人蛮族の蹂躙から、大アジアを開放せんと戦った大東亜戦争を、
一方的に侵略と決めつけ、祖先の名誉を泥だらけにしていることであります。
 昨今の我国総理大臣による日本史侮辱発言はもとより、国権の最高機関で
ある国会においてまで、そのヌレギヌを着せようとしております。後につづ
くを信じ、一歩一歩祈るように積み重ねてきた我国国体と、愛する人々を守
るため、その貴い命を捧げた英霊たちに、私たちはどう詫びたらよいのでし
ょうか。
 私たちは今、改めてここに先覚烈士らにお誓いもうします。必ずや近い将
来、このような亡国的現状を打破し、我らが日本を、かつて烈士の夢見た美
しき秩序にならしめ、悠遠の時をこえた聖なる息吹の集う、神々の国、日本
にならしめんことを。
 願わくば先覚烈士におかれては、その熱き魂の御尽力を我らに賜りません
ことを衷心よりお願い申し上げ、我ら宣言文と致します。


大日本求道会同志一同