TRPGにおけるプレイスタイル分類


 TRPG関連のサイトを見ていると、プレイスタイルについて分類、考察しているエッセイをたまに見かける。だが、そのスタイルの根本に触れている(と自分が判断した)サイトはほとんどない。
 これから扱うのは、PL、GMに拠らず、人間レベルでのプレイスタイル考察であり、ゲームに対するスタンスを4種類に分類して考察してみる、という一見(しなくても)無謀な試みである。
 上記の事を踏まえた上で、私見として論理を展開してみたいと思う。異論もあるだろうが、今回に関しては、考えない事にして先に進みたい(笑)。

注)あくまで冗談として書いてますので、苦情他はご遠慮下さい(笑)。


先手必勝!(先の先タイプ)


 相手より先に動き、そのまま反撃の余地を与えず、一気にたたみかける。常に味方有利に展開させるように事態を動かしていくタイプ。ただ、先読みしすぎてカラ回りすることや、全く的外れな行動をして空振りすることも多く、危険度の高いスタイルでもある。さらに、他人の存在をあまり考慮しないことも多く、他の人間から怒りを買う危険もある。

プレイヤーの場合

 GMのシナリオ傾向から、先の先を読み、先回りして行動する。大抵、説明無しにいきなり行動するので、仲間のPLは彼の行動を理解できない。しかも読みを外すこともしばしば。
 上手くシナリオの流れに乗れば、先回りの効果は絶大でGM泣かせだが、外すと大幅に話が逸れている事も多く、やはりGM泣かせである。

マスターの場合

 PLの行動を事前に予測しておき、シナリオに罠や伏線を張っておく。PLの行動宣言から、その後の展開を予測し、アドリブで話を構築し、PLの行動に対応していく。
 良い事ばかりに聞こえるが、PLの行動を読み間違えたりすると、かなり労力の無駄をすることになる。さらに、GM主導でセッションが展開することも多く、PLの不満を煽る危険も大きい。


カウンターデッキ?(後の先タイプ)


 他人の行動や、情報を観察、分析しつつ、もっとも合理的な行動を取ろうとするタイプ。行動のミスを未然に防ぎ、状況に適した行動を取り易い反面、頻繁に割り込みを掛けるため、他の人間の神経に触る事も多い。また、本人は、冷静で状況判断に優れていると過信し、参謀役を務めているつもりになっている事も多い。

プレイヤーの場合

 GMの情報を深く考察するため、行動は論理的な場合が多いが、よく他のPLの行動にマッタを掛け、GMが判定を下す前に訂正を入れようとするため、仲間のPL(及びGM)には嫌がられる事が多い。
 また、意思決定の大部分を事前情報に頼る為、GMからしつこいほど情報を引き出そうとすることがしばしば。行動派のPLからは「しつこい」とか「いい加減にしろ」等と思われることも多い。

マスターの場合

 PLの傾向に合わせ、アドリブを加えていくため、成功すればPL受けするセッションを展開できる。
 だが、セッションの導入で極力PLの傾向を見定めようと情報収集する傾向があり、シナリオ展開が遅くなりがちになることも。また、PLが消極的でシナリオ展開に煮詰まると、無理やり事件を起こす等、見え透いたマスタリングに陥ってしまう危険もある。


お祭り準備委員(先の後タイプ)


 事前準備は入念に行うが、実戦に突入すると消極的で決断力に劣るタイプ。祭りの準備は熱心に行うが祭りの最中には寝てる、等どちらかと言えば、イベント仕掛け屋的な人間。準備や段取りの段階では仕事を入念に行うので重宝がられるが、本番では無気力、燃え尽きた等で戦力外となることも多い。

プレイヤーの場合

 詳細なキャラクター背景、性格、等を定めるため、上手くキャラが立てば、そのペースで非常に楽にゲームを進めることが出来る。いわゆる小説家で言う所の「キャラが勝手に動いてくれる」状態である。
 ただ、キャラクターメイキングに異様にこだわる反面、プレイ自体には興味を示さなかったり、プレイ中にはキャラ設定に縛られ過ぎるため上手く行動できず、あまり活躍出来ない(しない)事も多い。

マスターの場合

 詳細な世界設定、オリジナルな宗教、はてはルールまでオリジナルであったりと、とにかく事前に作るのが好きなGMで、資料も膨大になる。リアリティはあるが、反面、気軽にセッションを楽しむ、という訳にはいかなくなる。
 また、シナリオストーリーも事前に決定してしまうと、アドリブ変更の利かないストーリーテラーGMに陥り易い。


鉄壁お地蔵さん(後の後タイプ)


 徹底的な守りのスタイルで、おそらく、もっとも苦労するタイプ。情報分析は行うが行動は起こさない。他人に意見しないので人間関係の揉め事は回避できるが、意見を求めても無難な返答しか戻って来ない。そのため、事態を改善させる直接の戦力にはなり得ない。といったように欠点ばかりが目立つスタイル。
 だが不思議と、一様に常識人であることが多く、困った時の最後の予備戦力となることもしばしば。また、調停役を他人に押し付けられ、もとい頼まれると、その力を発揮する場合も多い。

プレイヤーの場合

 パーティについて行くだけで独自に行動もせず、自己主張にも乏しいため、キャラクターの存在を忘れられることも多い。にも関わらず、プレイに無関心かと言うとそうではなく、GMや他のPLの話は熱心に聞いている。他のPLと席を並べているだけでも楽しい、といったケースも多く、GMとしては、楽しんでくれているのかどうか、一番判断に苦しむタイプ。

マスターの場合

 そもそもGMとしての適正があるのかさえ悩むが、以外と他のPLたちに押し付けられてGMをしている人間も多い。PLの行動宣言はじっくりと聞いてくれるので、良いPLに恵まれると無難にセッションが展開することも多いが、誰かが暴走を始めても食い止める力がないため、荒れ放題でシナリオ崩壊、といった危機に直面する危険は常に存在する。


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