『ガンダム戦記』制作スタッフは、いかにしてガンダム・ワールドの雰囲気をRPGシステムで再現できるか頭を絞りました。こうして作られたルールの中には「これは本に載せるわけにはいかんなぁ」と、ボツになったものがいくつもあります。このコーナーでは、そんなボツルールの数々を紹介していきます。
:別名「富野監督ジェノサイド・モード」ルール
戦場に花開いた小さな恋。
それは殺伐とした戦争物語にロマンティックな彩りを添える、重要な要素です。しかし、厳しいガンダム世界の法則は、主人公とヒロインが始終いちゃついているような状況を許してはくれません。ガンダム・ワールドにおいて、ラブシーンは――他愛のないキスシーンであっても――自らの死刑執行命令書にサインするも同然の危険な行為なのです。
全ガンダム・シリーズを通じて、両想いの恋人同士がキスシーンを披露して、その双方が五体満足で最終回を迎えられた例はほとんどありません。ガルマもスレッガーもララアも、恋人とキスをした直後の戦闘で戦死しています。小説版では主人公たるアムロですら、セイラとラブシーンを演じたがために死の顎門に捕らえられてしまいました。アムロとベルトーチカは『Zガンダム』でたびたびキスシーンを演じたていますが、二人は結局は最終回後に別れてしまいました。片足を失ったものの、恋をまっとうできた『第08MS小隊』のシロー・アマダなどは極めて幸運な例外といえるでしょう。
“死の接吻”は、よりガンダムらしさを追求したゲームスタイルを楽しみたいレフリーのための選択ルールです。もし勇気あるPCがラブシーンを演じた場合、以下の3つの表でそれぞれ1D6して下さい。結果は「AがBにおいてCとなる」という形式で出ます。
A:対象 | B:時期 | |||
1〜2 | 男性キャラ | 1〜3 | 次の出撃 | |
3〜4 | 女性キャラ | 4〜5 | 1D6シナリオ後* | |
5〜6 | 男女両方 | 6 | キャンペーンの最終シナリオ*(C表を振る際、出目に+1する) |
*……単発セッションの場合、その最後の戦闘
C:災難 | |
1 | そのセッション中、すべての誘爆判定と脱出判定で+1D6する |
2〜3 | そのセッション中、運勢値がゼロになる |
4〜5 | そのセッション中、運勢値がゼロになり、Nポイントを運勢値として使えない |
6 | そのセッション中、運勢値がゼロになり、NポイントとAポイントを運勢値として使えない |
7 | シナリオ中、または終了後、恋愛は破局を迎える** |
**……レフリーは、別の災難を適用しても構いません。例:「精神が破壊され、廃人同然になる」「軍法会議にかけられ投獄される」「倒した敵MSを操縦していたのは恋人だった」など
例:ソロモン戦のさなか、ミライは被弾して帰還したスレッガーに愛を告白し、二人は口づけを交わします。レフリーは3回1D6を行い、それぞれ1、2、6の目が出ました。結果は「男性キャラは、次の出撃で、幸運値がゼロになり、NポイントとAポイントを運勢値として使えない」というものになります。スレッガーは、残ったAポイントをすべて移動力上昇に使用し、ビク・ザムが猛威を振るう決戦場に急行します。
命を賭けた挑戦を乗り越えた者には、それに相応しい報酬が与えられるべきです。“死の接吻”の試練を乗り越えたキャラクターは、ゼロになったり使用できなくなった運勢値、Nポイント、Aポイントを合計した値+3点のボーナスIPを得ます。新兵や民間人は、このIPに対しても通常の2倍のIPを受け取ります。
例:スレッガーはビグ・ザムとの戦闘を生き抜き、ホワイトベースに帰還しました(!) 彼は運勢値5、Aポイント3、Nポイント0です。彼はこのセッションで11ポイントのボーナスIPを得ます。
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(2000年1月22日更新)