「MAPを作ってみたいけれども、英文マニュアルが面倒」という人のために
要点だけかいつまんでご説明します。割と簡単ですので、ぜひTRY
してみてください。
ツールは、製品版のDUKE3Dに付属しているBUILDを使用します。
1.BUILDのSETUP
複写元の'BUILD'フォルダの中のファイルを、全て'DUKE3D.EXE'のある
フォルダにコピーします。(サブフォルダにいれると正常に動きません)
コピー後、DOSプロンプトから'BUILD'と入力して起動します。
2.初期画面の表示等
起動直後は、2D編集画面が表示されています。
* 赤い十字カーソル---部屋の角や物を置く位置を指すのに使います。
ただ指す場合はクリックしません。
* 白い矢印
-----編集者の現在地です。後で述べる3D編集画面に
切り替えたときに自分がいる位置になります。
* 茶色矢印
-----PLAYER1のスタート地点を表します。
起動直後は白矢印の真下にあります。
2D画面では、部屋の平面構造を作ったり、物(武器・アイテム・怪獣・その他)
を置いたりする編集を行います。
<2D画面で使うキー>
・ 部屋の角を置く
---- SPACE
・ 壁を分割する
---- (壁のラインンを指して)INSERT
・ ズームイン、アウト
---- A,Z
・ グリッド線の密度
---- G
・ グリッドに合わせる
---- L(押すごとにON,OFF)
・ 物(スプライト)を置く----
S(それが何かは置いてから決める)
・ 物をドラッグする
---- マウス左ボタン
・ 物の向きを変える
---- <,>
・ 白矢印を動かす
---- マウス右ボタン(部屋の内部では、矢印キー
も使用可能です)
・ 部屋を選択する
---- 右ALTを押しながらマウスで囲みます。
選択すると、部屋をドラッグできます。
・ 部屋をコピーする
---- 選択後、INSERT
3.超簡単なMAPを作る
1> 部屋の生成
とりあえず、部屋が一つのMAPを作ってみましょう。
まず、白矢印と茶矢印の近くを十字カーソルで指して'SPACE'キーを
押しましょう。 すると、緑色の小さい四角が置かれ、そこから白い線が
出ます。それぞれ「部屋の角」と「壁」を表します。
次に白線で矢印を囲うように、部屋の各角を置いて行きます。
最後に出発点を指してもう一度'SPACE'キーを押すと、閉じた空間
(部屋・セクタ)が生成されます。
2> 室内の編集
白矢印が、部屋の内側にある時は'テンキーのENTER'で3D編集画面に切り
替える事ができます。早速今作った最初の部屋に入ってみましょう。
デフォルトの高さ・テクスチャの部屋ができているはずです。
3D画面では、天井や床の高さ・傾き、テクスチャの貼り替えなどの編集を
行います。
<3D画面で使うキー>
・ 床や天井の高さを変える
----- (十字カーソルで天井等を指しながら)
PAGEUP,PAGEDOWN
・ 天井を吹き抜けにする
----- P
・ 明暗をつける
----- +,-
・ 床・天井を傾ける
----- @,[ (シフトを押しながらだと少し)
・ テクスチャを貼り替える
----- V (全表示はもう一回'V')
・ テクスチャの拡大・縮小
----- テンキーの 2,4,6,8 (床と天井は'E')
・ テクスチャの位置をずらす -----
シフトを押しながら2,4,6,8
・ テクスチャを逆向きにする -----
F
・ 自分が移動する
----- 矢印キー
・ 移動状態の切り替え
----- CAPSLOCK (普通・飛行・フワフワ)
・ 自分の位置の上下
----- A,Z
高さや壁の模様を替えて、好みの部屋に編集してください。
3> 物を置く
部屋ができたら、武器やアイテムを置きましょう。
まず2D画面に切り替えて、物を置きたい場所をカーソルで指して'S'
を押します。すると、地図記号の果樹園のようなマークが置かれます。
(ヘタの部分はその物の向きを表します。)
再び3D画面に戻って置いた場所に行くと、何か適当な物が置かれて
いますので、壁のテクスチャを変えるのと同じ要領で武器やアイテムの絵に
貼り替えてください。
怪獣や、他のプレイヤーの出現場所も同じ要領で置くことができますが、
これらの、テクスチャの選択画面で同じような絵がたくさんある物体は
先頭の絵を使います。(選ぶと右下に「APLAYER」とか表示される絵)
自動的にアニメーションするとか、撃つと破片が飛び散って壊れるなどの
特殊な設定がされているようです。
ポスターなど壁に貼りたい場合は、3D画面で壁を指して'S'を押して
貼ってください。見る角度によって振り向いて見える場合は、'R'
を押して角度を固定します。
・・・・ 以上で、一部屋ながらも武器を拾って怪獣を撃って遊べる
ミニマップが完成です。
4> セーブする
2D画面から'ESC'キーを押すと画面中段にメニューが表示されます。
最初は'A'を選んで名前をつけて保存しましょう。
BUILDはかなりハングアップしやすいので、こまめに'S'を選んで
セーブしてください。
4.さらにカッコよくする
先ほど作った一部屋のMAPを、部屋を増やしたりドアを作ったり
して、さらにカッコよくしましょう。
1> 部屋の増築
* 増築するには、単に新しい部屋をどんどん増やせばOKです。
部屋を結合するには、結合部分の壁が重なるように、部屋の
角をマウスで移動します。(壁の両端の角もぴったり重ねます。)
うまく壁が2部屋で共有されたら、表示が白線から赤線に変わる
ので確認しましょう。
部屋と通路をつなぐような場合で、間口の壁の長さが違う時は
長い方の壁を'INSERT'キーで適当な長さに分けるとうまく行きます。
また、完全に一部屋に結合するには'J'を押します。
共有された赤線の壁は、3D画面上は何もないように見えます。
2D画面上でこの壁を指して'B'を押すと、人は通れないが弾だけ
通る「見えないカベ」が作れます。(再度押すと元に戻る)
* 窓は、大きい二つの部屋を小さい(奥行きのない)部屋で繋いで
作ります。小さい部屋の天井を下げ床をあげて、窓に見えるように
編集してください。
* 机などは、床を出っ張らせて作ります。部屋の中にもう一つ
部屋を作り、そこだけ床を高くします。
部屋の中に部屋を作ろうとすると、まず柱のような物ができて
しまいますが、2D画面で内側の部屋をなぞるように再度描くと
3D画面では、外側と面一の空間になります。
2> ドアなどの可動物を作る
ここまでに述べた内容だけでも、
かなり複雑なMAPの製作が可能
ですので、 以下は必要な場合に読んでください。
<可動物設置の要点>
基本的には、次の4つの設定値を入力して作ります。
・ セクタタグ(部屋に対する設定)
ハイタグとロータグがあります。
ハイタグはあまり使いませんが、
ロータグはドアであるとかリフトである
とか、そのセクタの定義に使います。
・ スプライトタグ(物
〃 )同様にハイとローがあります。
スプライトは、主に「セクタエフェクタ」を使用します。セクタに色々な効果を与え
るための、ゲーム中は見えない特殊な「物」で、セクタ内に置いたら
テクスチャ一覧の最初の方にある青いSマークをはります。
◎各タグの入力方法
セクタハイタグ
----- 2D画面で設定したいセクタを指して'H'
セクタロータグ
-----
〃
'T'
スプライトハイタグ
----- 2D画面で設定したいスプライトを指して
'左ALT' + 'H'
スプライトロータグ
-----
〃 '左ALT' + 'T'
A) DOOM風上開きドア
ドアには色々なタイプがありますが、シャッターのように上に開くタイプ
がもっとも簡単にできて、故障も起きにくいようです。
(余談ですが、DOOMのドアは全てこのタイプです。)
まず、窓と同じように奥行きのない部屋(この部分がドア)を
作ったら、内部にセクタエフェクタを一個置き、天井を床につくまで下げ
ます。(閉じた状態にするため)
次に各設定値を入力します。
セクタ ハイタグ = 0
セクタ ロータグ = 20 (上開きドア)
スプライトハイタグ = 128 (音の指定 ;なくても良い)
スプライトロータグ = 10 (6秒で閉じる;なくても良い。自動で閉じないけど)
最後に、3D画面でドアらしいテクスチャを貼って完成です。
B) リフト
リフトは、真上に上下する壁のない昇降装置です。
これに対して
別の空間に部屋全体が移動し、移動中入り口が上下にアニメーションする
「エレベータ」というのもありますが、エレベータはちゃんと作っても
故障しやすい(ゲーム中、ずっと上昇中で出られなくなりやすい)
ので、不自然でなければリフトで代用するのが無難です。
リフト用のセクタを作り、上がった状態にしたらセクタにタグを設定します。
(リフトはセクタエフェクタは不要です。)
セクタハイタグ = 0
セクタロータグ = 16 (天井は動かない台だけのタイプ)
または 19 (天井も動く壁なしエレベータタイプ)
C) テレポータ
テレポータは別の空間に行くための装置ですが、マップを作る制約上
別に作らざるを得なかった空間を無理矢理繋ぐのにも使えます。
一階と二階をテレポータで繋ぐとか、ドアが作れない場所はテレポータで
出るようにするとかです。
入口・出口のペアのセクタを作ったら、それぞれにセクタエフェクタを置き、
設定値を入力します。
セクタハイタグ なし
セクタロータグ なし
スプライトハイタグ = 任意(ペア同士が同じなら、何でも
OKです。1は1、2は2と繋がる)
スプライトロータグ = 7
DUKEは、セクタエフェクタの向いている向きに出ますので、2D画面で
<、>キーを使って自然な向きにしておきましょう。
D) 水中
水上と水中は、別の空間の床から天井にテレポートしているイメージ
で作ります。水上の空間と水中の空間を別々に作ったら、それぞれ
セクタエフェクタを一個づつ置いて設定値を入力します。
・ 水上
セクタハイタグ = 0
セクタロータグ = 1
スプライトハイタグ = 任意(水上・水中がペアです。テレポータの値と
とダブると変になります。)
スプライトロータグ = 7
・ 水中
セクタハイタグ = 0
セクタロータグ = 2
スプライトハイタグ = 任意(ペアの水上と同じ値)
スプライトロータグ = 7
後は、それぞれ水面になる面にそれらしいテクスチャを貼って完成です。
◎注意 水上と水中の平面の形は、完全に一致していなければ
なりません。(90度横向きもダメ)
また、セクタエフェクタの位置が重ねあわせる基準点になります
ので、セクタ内の同じ位置に置かねばなりません。
ずれている場合、ゲーム中水に飛び込んだとたんに自爆
というような事態になります。 また、水上・水中ともセクタエフェクタは
水面や海底(要するにマップのフロア)に接するように置きます。
以上の「ドア」「リフト」「テレポータ」「水中」の4つを使えば、どんな情景でも
ほとんど表現できると思います。さらに色々な仕掛けを作りたい人
は、 BUILDHLP.EXE の後半のタグ一覧を見るか、既製のMAPをBUILDで
読み込んで、各タグの設定を参照してください。
(実はBUILDHLP.EXEも、複雑な仕掛けは既製MAPのタグを見るように
としか書いてないのです。)
5.終わりに
MAPができたら、自分でDUKEに読み込んで修正を加えていきます。
段差が、ぎりぎりで飛び越せないはずが上がれてしまうとか、階段が
スムーズに駆け上がれないとか、色々な不都合が見つかると思います。
不都合が解消したら、早速対戦で使いましょう!!
作った本人だけが圧倒的に有利なMAPでも、いやぽぽの面々は面白がって戦いますが、
(ビルダーとして興味があるので)、楽しく遊んでもらえるMAPを作る
には、各PLAYERの公平に気を配るのが良いでしょう。(^o^)
ぜひ、オリジナリティあふれるMAPで対戦ライフをエンジョイしてください♪
〜 終わり 〜