MY BEST AMPS/TWEED BASSMAN(1954−1960)
 4X10ベ−スマンは5D6、5E6、5E6A、5F6、5F6A、と5種類の回路を持つ。この5種類のベ−スマンはそれぞれ違ったキャラクタ−持つが、基本的には素晴らしいサウンドだ。つまり世界でいちばん良い音のするギタ−・アンプと言われている。もちろんモデル名どおりベ−スアンプとしても素晴らしい。GREEN BULLET MICでハ−モニカを使用した場合、まさにキング・オブ・ブル−ス・ハ−プ・サウンドとなる。サウンドは、ふくよかでアコ−スティカル、VO-4.0くらいから始まるナチェラル・ディスト−ションはまさに最高のフェンダ−・サウンドだ。5D6、5E6、の回路を持つベ−スマンはロ−パワ−(30W)でミドル・コントロ−ルが無い。5F6、5F6Aの45Wに比べ僅かにワット数が落ちるが大きな問題ではない。それよりも5E6は5F6、5F6Aに比べて太い音を持つことから、よりブル−ジなサウンドを好むプレイヤ−に向いている。また5E6は整流管に5U4Gを2本使用している。これはザック(エンベロ−プ)を減少しロ−エンド(ヘッドル−ム)をタイトにするために使われたのだが、今日においてはザックを好むことからこの5U4Gを1本取り去り使用することが多い。またさらにザックを増やすために5V4を1本だけ使用する。プレイヤ−にはより太い音を感じることができる。いずれにしろソリッドステ−トの整流アダプタ−は特別な場合のみにしか使用しない。それは、ト−ンのエッジを鋭くしギラついた透明感を与える。主観によるが、この様なサウンドを求める場合は、初めから他のアンプを使用する。5F6Aのモデルは1958年から1960年までに製造された4×10ベ−スマンの最終モデルだ。このモデルから整流管はGZ34(5AR4)に変更され、(1957年の5F6は83の整流管を使用していた。)出力はおよそ45Wになる。どちらのモデルが良いのか意見が分かれるところだが比較的5F6Aを好むプレイヤ−が多い。このモデルは後にジム・マ−シャルによってコピ−され、JTM-45に生まれ変わる。まさしく世界でいちばん良い音のアンプといえる。
 4X10ベ−スマンで使用されているスピ−カ−はジェンセンP10Rが基本だ。このスピ−カ−はコンサ−ト・シリ−ズのセカンド・バ−ジョンで僕はよりグレ−ドの高いP-10Qを好む。いずれにしてもこの10"スピ−カ−はUSA製の中で、一番良い音のするスピ−カ−だ。アコ−スティカルでバランスが良いミッド、軽くクランチされた時の音の太さは他のスピ−カ−を大きく突き放す。このP-10RまたはQが4個、5/16インチのバッフルボ−ドに取り付けられている。このバッフルボ−ドはブラック・フェイス時代(1/2インチ)に比べ薄い。一般に薄いバッフルボ−ドはスピ−カ−をフルで鳴らし丸みのある音となる。この薄いバッフルボ−ドがツイ−ド・サウンドにとって重要な部分となっている。反対に厚いバッフルボ−ドは、スピ−カ−の振動を押さえることにより特定のレンジを出にくくする。ト−タルのスピ−カ−・インピ−ダンスは2オ−ムだ。5F6、5F6Aのパワ−・チュ−ブにはタングソルの5881が使われていた。また5E6等には6L6GBまたはGCだった。チュ−ブ・スペックの違いは、5881は6L6Gのハイ・ファイバ−ジョンでタングソルによって1953年に開発された。5881は単体で23Wを質力するが6L6Gは19Wだ。また5881のプレ−トは金を含む合金で作られ、6L6Gは銀を含む合金が使用されていた。5881はクリップが早くタイトなボトムを持ち振動に強く作られていた。プリチュ−ブは初段に12AY7と他2本の12AX7が使われていた。初段の12AY7はツイ−ド・アンプには必ず使用され、増幅率の低いこのチュ−ブもまたサウンドの要となっている。整流管は前記したとおりGZ34だが、本物のチュ−ブをつけなければならない。また5Y3GTを入れることにより、より甘くブル−ジ−なサウンドとなるが、4週間くらいの使用で消耗してしまう。しかしそのサウンドが好みならば、弦と同じ用に交換パ−ツを持てば良い。サウンドの大切さに比べたらこの出費は安いものだ。
 アンプのキャビネットを叩いてみよう。ふくよかなボトムとミドルを持つ音がするはずだ。松(ノ−ザン・パイン)の単板で作られたツイ−ドのキャビネットは他のアンプの合板で作られたものよりも音楽的な音がする。ここは、アコ−スティク・ギタ−のボディと考えてよいだろう。この松で作られた箱も大きな要因となっている。
 もし、あなたがツイ−ドベ−スマン4×10、5F6Aを手に入れたらしなければならないことがある。それはト−ン・コンデンサ−とスロ−ブ抵抗をオリジナル回路に直さなければならない。通常ここの部分は回路指定と違ったものが90%の確率で使われている。この変更でよりベ−スがクリヤ−となり、グレ−ド・アップする。次にフェイズ・インバ−タ−のファイン・チュ−ニングを施す。さあ、お気に入りのギタ−で弾いてみよう。そのサウンドは間違いなくロックン・ロ−ルの歴史を作ったサウンドだ。
 ひとつだけスペシャルを書いておく。あなたの使用していないチャンネルのヴォリ−ムを回してみよう。これにより第2ゲイン・ステ−ジのグリッド抵抗値が増加し、いくらかのハイがグランドに落ちることからファットなサウンドとなる。