MY BEST AMPS/TWEED DELUXE(1948-1960)
 あなたが、ツイ−ド・アンプに興味を持ち、まず手に入れたいと思ったらこのデラックスがいちばん楽に購入できるだろう。USAにて、現在(1998年7月)フェア−なコンディションで$800-$1300くらいで売られている。ここでは購入時の注意を含みながら、この素晴らしいアンプについて説明しよう。
 ツイ−ド・デラックスには5タイプの回路が存在する。5B3、5C3、5D3、5E3、5F3、となっており、5B3と5C3はプリアンプ・チュ−ブに12AX7ではなく6SC7というメタル・チュ−ブを使用している。俗にTVフロントといわれ2ヴォリュ−ム、1ト−ン(ツイ−ド・デラックスは最終モデルの5F3までこのコントロ−ルは変わらない)で構成されており、パワ−・スウィッチはト−ン・コントロ−ル・ポットに付いていた。5D3は1955年頃登場したが、初期のモデルはそれまでと同じ6SC7を使用していた。後にこのロクタル・ソケットはアダプタ−で塞がれ、2本の6SC7の変わりに12AX7と12AY7が使われた。このチュ−ブ・レイアウトは最終バ−ジョンの5F3まで変わらない。
 1955年からナロ−・パネルという御馴染みのルックスを持つ5E3が製造され始めた。このモデル、特に5E3の回路ナンバ−を持つツイ−ド・デラックスは最高のサウンドを持つ。1955年から1957まで製造されたが、その数量はどのモデルよりも多く現在でも比較的簡単に入手することができる。1958年から1960年の間で5F3の最終モデルが作られた。
 5E3と5F3は2個のマイク・インプットと同じく2個のインストメンタル・インプットを持ちマイク・ヴォリュ−ムとインストメンタル・ヴォリュ−ム、そしてインストメンタル・ト−ンコントロ−ルで構成されている。この二つのモデルは似たような回路だったが5F3の方がいくらか多くのゲインを持つ。すべてのツイ−ド・デラックスはパイン材のキャビネットで作られ、スピ−カ−はジェンセン・アルニコP12Rまたは12Qであるが12Rを多くみかける。音質はP12Qの方が良いのだが、あまり見付けることができない。このどちらかを持っているか、また手にいれたら回路内の抵抗をまずマッチドすることをしてほしい。これによりサウンドは大きくアップする。それは、プレ−ト抵抗とカソ−ド抵抗だ。この二つの抵抗が56K前後で、ただしマッチしていない可能性は99%といえる。しかしそれでも音は出る。
 それではHUMAN GEARが使用するツイ−ド・デラックスについて説明しよう。現在は2台の所有だが過去に6台を持っていた時もある。それだけこのモデルはすばらしい。もちろんすべてのモデルは正確にマッチドした抵抗を取り付けてあった。現在の2台(5E3)のうちひとつはストックのままだが、良い音のするP12Rをつけている。もう一台はだれもが驚くサウンドへとMODしてある。これは聞いてしまえば簡単なものなのだが、この音ができるまでにはかなりの時間を必要とした。まず通常、整流管は5Y3だがここに5V4を使用する。これにより音質はより強いミドルを持つ。マッチドされたパワ−・チッ−ブは、数多くのタングソル6V6GTの中から選び出す。タングソルの6V6GTはいちばん良い音がするが、なければRCAでも良い。電流の計測でいえば30から40mAのものだがヒヤリングで行うことをお勧めする。プリ・チュ−ブは同じくタングソルの12AX7と12Y7またRCAのものでも構わない。12AX7の変わりに本物のRCA7025があったとしたらどんなに高くても買っておくことを勧める。7025はあらゆるアンプの中でも最高の音を持つ。次に決定的なファクタ−の交換に移る。ストックのスピ−カ−を外しヴォックス・ブル−スピ−カ−を入れる。Tナンバ−は530だ。インピ−ダンスは8Ω。これによりミドル・レンジがより強調されアンプがブレイクアップした後でも太く、美しいディスト−ションを得ることができる。まさしくシングル・ノ−トではバツグンの力をみせる。もし、貴方がスライド・バ−を使用するならばそのト−ンにノックアウトされるだろう。僕はリズムにTWEED BASSMAN、そしてソロにこのTWEED DELUXEを使用したサウンドが気にいっている。もちろんスピ−カ−はオ−ルド・ブル−、整流管は5V4(RCA)だ。