KLON KTR
 1995年から発売してきたKLON CENTAURの設計、製作者のビル・フィネガンが新しく設計したペダルである。現在のところ外観上は全くと言って良いほど飾り気がないものの、コントロールの配列は遠くからでも認識できる。最後のCENTAURシグネイチャーを日本だけで販売してから21ヶ月。さてどのような変化があるのかが全ての人の注目点であろう。音質というのはあくまでも個人の感覚だが僕が受けたものとしては、少しばかりの違いの存在を感じる。これは送られてきた新しい数台のKTRと僕の持つ数台の初期から最終のシグネイチャーを比べてみてのことだが、その数台全てが違うことから個体差という範囲であるとも言えるだろう。作り出される全ての物には個体差が存在するが、他の多くの物と個体差を理解した上で比較するなら、この2種は同じ音質とも言える。しかしシリアスにCENTAURと同じ音質を望む人は歪みのまとまり方とブリリアントの響きに違いを感じるかもしれない。設計者は全く同じ音質であるというが、ジャッジメントはこの2種類のエフェクトを所有する人、またプレイできる環境にある人におまかせする。しかしその判断は音楽に影響を与える物ではない。全体の方向性CENTAURと同列の音質であることは誰でも納得することだろう。音質はやはりストレートフォワードな響きを持っている。強調されたミッドレンジはアルニコスピーカーを連想させ、プレイヤーの心の弦を振動させ感性を刺激する。
 それでは簡単にコントロールについて見てみよう。CENTAURを使用している方にはあえて説明も必要なくシンプルその物である。マッキントッシュ、FINEで使われていたものと同じ白いノブはゲイン、トレブル、アウトプットでトレブルは中間付近でフラットとなる。サイド(下部)のSWはトゥルーバイパスとバッファー回路(ベター側)の選択である。CENTAURに無いこのSWは便利なアイデアであるが、CENTAUR同様バッファー回路を通った音質を積極的に使用するプレイヤーが多いだろう。バッテリーは細心の注意が必要である。アルカリで10時間ぐらい以内がベストなサウンドだと思われる。異常なノイズが出たときには真っ先にフレッシュな電池に交換する必要がある。修理依頼で必ずかかる無駄な経費を負担しないためにもくれぐれもお忘れなく。
 HUMAN GEARから販売される正規KTRは、裏側に当社ロゴシールが貼られています。このシールと保証書は修理の時の物です。該当しないKTRに付きましてはそのKTRの販売、輸入元が責任範囲となります。