MODERATO
 発売が大幅に遅れたトレモロである。ただ、音の強弱だけならばこんなにも遅れなかったのだが、僕が最も好きで多くの友人が実際にベストといいレコ−ディングに持ち出すGIBSON GA8T、MAGNATONE 280のトレモロ・サウンドに負けないものを作り上げるには18ヵ月の時間が必要だった。MODERATOにプラグインしていただければ直ぐに理解できると思うが、その音は自然で厚みがありクォリティの高いアンサンブルの中に融合し埋もれることはない。なだらかなカ−ブでは特に厚みのあるトレモロが必要となる。多くの場合、ただトレモロがかかっているだけであり、その曲をより印象づけるまでは至らない。不思議なことにトレモロにはかなりの色気が必要となる。多くの物はこの色気が無く、プレイする者にある意味「心地良い気持ち悪さ」を感じさせることができない。もっともプレイする者が極上のトレモロ・サウンドをまだ経験していないとか何等かの不満を持っていないのなら、従来のトレモロ・エフェクタ−で十分なのであろうが。
 MODERATOにはヴォリュ−ム・コントロ−ルが付いている。トレモロをオンしたときに経験する音量の減少感を補正することが目的でもある。このヴォリュ−ムはDEPTHと連動しているため、この二つのコントロ−ルでベスト・ポイントを探す。DEEPはトレモロ・サウンドにより厚みをつけるときに使用する。LO/HIのスイッチはRATEのスピ−ドを大きく可変することができる。又、波形も2種類選ぶことができる。より多くの機能を求めるのなら他のエフェクタ−を購入することを勧める。大切なことは貴方がプラグインするかどうかだ。貴方が経験するトレモロ・サウンドは僕や多くの友人がトレモロとはこうであって欲しいというサウンドになっている。