2008年03月31日(月曜日)

 (23:59)当面、「政治のつけ」というやつで大混乱でしょうね。

 4月1日午前零時からガソリンを25円下げて売り出したスタンド(の前は行列でしたが)は、必ずリッター当たり25円程度損している。とにかく150円が125円になるとすれば、17%の値下げ。これはスタンドの業績にかなり響く。

 4月末にまた値上がりするときは、客から「まだ安い仕入れのガソリンがあるだろう」と言われて、これまた安く売られねばならない。つまり両サイドで損を被ることになる。東国原知事が、「スタンドが倒産する」と言っているのは、当たっている。4月末から暫くは、日本中のガソリン・スタンドの価格が大きく齟齬することになる。これも混乱と言えば混乱だ。

 また読売新聞は、「2008年度の道路建設事業の一部を凍結する自治体が相次いでいる。増田総務相は将来的に自治体の歳入欠陥を国として補てんする考えを示したが、当面、4月中の事業執行を保留する県が続出した。」と報じている。

 ということは、工事現場で働いている人の仕事が大量になくなると言うことだ。問題は期間だが、これがまた分からない。日本で建設業に従事している人の数は、今でも600万人くらいいるのではないでしょうか。つまり労働人口の1割。今でも大きな産業です。もちろん全員の仕事がなくなるわけではない。しかし、今回の一連の出来事に関連して仕事がなくなる人は出てくる。

 栃木県の福田富一知事が、「1年前から国会で真剣かつ十分な時間をかけて議論し、結論を得ておくべきだった」と語っているのは当たっている。福田さんがテレビで訴え始めたと思ったら、小沢さんはワイドショーにこの週末から積極的に出て正当性をアピールするのだという。まだ「政治の知恵」が出てくるのには時間がかかりそうだ。

 一方アメリカではポールソンが少し息の長い金融システム監督権限の見直しを発表した。内容のポイントは

the Fed "would have the responsibility and authority to gather appropriate information, disclose information, collaborate with the other regulators on rule writing and take corrective actions when necessary to ensure overall financial market stability."
 といった形で、FRBの金融市場全体に対する権限を大きく広げるもの。今まではFRBは銀行を主な監督対象としていたが、市場が「too interconnected」になったことに鑑み、証券会社や投資ファンドなど幅広い市場参加者に対する権限を持つようになる。

 しかし直ぐに実施されるわけではない。議会の議決が必要で、「実際には次期政権に委ねる」内容だ。アメリカ政府も後始末に追われている。日米両方の政府とも、出来事の進行の速さについていっていない。しかし、事前に予測できたことが出来なかったという点では、ちょっと日本の政府、政治の方が分が悪い。


2008年03月30日(日曜日)

 (23:30)どこをどう移動しても桜が綺麗な週末ですね。今日私が見て綺麗だと思ったのは、電車の車窓から見た横浜の桜、家の近くの蚕糸の森公園の桜、都バスの杉並車庫の桜などなど。まあちょっと花びら散らしの雨でしたが、あのくらいの雨ならまだ明日、明後日と綺麗に違いない。

 今週も豊玉の田中屋に蕎麦を食べに行ったのですが、なんと「伊藤さんがそう書いていたので、今週来ました」(豊玉の田中屋は近く閉店)という方とテーブルが隣でした。土曜日の12時前でしたが、我々がテーブルに案内されて少し喋っていたら、「もしかして....」と。

 なんでもラジオを毎週お聞きだそうで、私だと声で分かったそうです。このサイトもご覧だとか。驚いたのは中野から歩いてこられたいうことで、「時間がかかったでしょう」と言ったら、「歩いたうちに入りません」と。ははは。

 そう言えば、移動の最中とかちょっと時間を見つけたりとかで最近3冊の本を読みました。

 貧困大国 アメリカ
 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか
 「民」富論

 です。最初の本は知っていることが多かったのですが、いかに「貧困」が構造的な問題であり、再生産されているのかというのがルポとして書かれているので、改めて考えさせられた。私はこういう現実もそうなのですが、にもかかわらずアメリカが一種の夢(それをアメリカン・ドリームというなら)を追い続けて、今のシステムに対するまとまった反対運動が起きないのがある意味で驚異だと思っているのです。

 二番目の本は、若者がどういう問題にぶつかって進む方向を変えたのか、それがどういう結果だったのかと言った観点も含めながら、具体例がたくさん紹介されている。しかし最も面白い本だと思ったのは、最後の本でした。

 もともとは経済学とは全く関係ないコンピューターからみの世界で時間を過ごしていた著者ですが、「経済学の錯覚」がこの世の中をおかしくしている、グローバル化が今の日本や世界が抱える問題の根源にあるという思いもあって、「ではどうすれば」という観点から書いた本。

 結論のところは、私が日本力で提唱していたこととあまり変わらないのですが、そこに到達する考え方のプロセスが非常に興味がある。多くの人に読んで欲しい本です。


2008年03月28日(金曜日)

 (16:30)時間がないので短めに。「AKY」ってご存じ ?

 木曜日にラジオ番組とポッドキャスト収録を終えてスタッフと食事をした後ちょっと飲みに行ったのです。そしたらそこのお嬢さんが、「今はAKYでした」と。ちょっと彼女が押された状態での会話の中で。「KY」は知っていますよ。しかし、AKYは知らなかった。

 「あえて空気を読まない」だそうです。その「AKY」表現で今度は我々が押された。知らないことを言われたら、知らない方に状況は一瞬不利になる。ははは、一同大笑い。なるほど。これはちょっとKYの変形として使えるかもしれない。

 新しいエッセイがアップされました。チベット問題を扱っています。


2008年03月27日(木曜日)

 (13:30)水曜日の午後時間を見付けて光州5.18を見たばかりですが、今に目を向けても朝鮮半島を巡る状況は韓国の政権交代を機に急速に変化している。「光州5.18」(5月一般公開)はむろん1980年に起きた韓国南部の都市・光州での出来事ですが、今は半島全体が揺れている印象。

 動きがあったのは南北交流協力事業として行っていた開城(ケソン)工業団地で。韓国が北朝鮮の核開発に関連して開城の協同事業継続に関する疑念を新統一相が表明したら、「それなら」とばかりに事業の為に駐在している韓国側要員全員に対して、「3日以内に撤収」を通告したという。

 盧武鉉政権の時代は、まるで南の政権は北を代弁しているような所があったが、政権交代はその関係を一気に変えた。光州事件の映画を見ると、ついこの間の韓国が今では想像できないような国だったことが分かるのですが、それにしても朝鮮半島の政治情勢の変化は激しい。

 韓国国内の政治情勢も変わってきているようで、今朝のサンケイ新聞によると、「新しい歴史教科書」を巡る動きが出てきて、それが議論を呼んでいるという。それによると、これまでの韓国の歴史教科書は民族主義的な傾向が強く、左翼的だという批判が強かったらしい。

 新政権が出来て、「新しい歴史教科書(韓国近現代史)」を巡る動きが顕著になってきていて、その教科書の方向性とは、例えば日本の統治時代については「暗黒面や抗日独立運動だけではなく、経済発展や近代文明の流入による近代化の進展など肯定的な面にも多く触れている」という。

 まあ物事には必ず両面があり、そのどちらの面に光というか、関心を寄せるかでそのことの評価というのは全く変わってくる。日本の韓国統治に負の部分があったことは確かでしょうが、間違いなく朝鮮半島の人々の暮らしを変えたという面はあったと思う。それが見直されることは間違ってはいない。

 それにしても、1980年と今を比べてもと思うのですが、その間の変化を考えてみても朝鮮半島は刻々と形を変える。今は北の体制が動かないだけに、特に南において動きが激しい。10年後、20年後の朝鮮半島はちょっと予想がつきませんね。相当変わっているに違いない。


2008年03月26日(水曜日)

 (23:30)大阪から帰ってきてビックリ。火曜日にはあまり咲いていなかった首都圏の桜が、実に綺麗に咲いている。「いつ咲いたんだろう」と。

上智大学の前の土手、人もまばら  考えても、火曜日と水曜日の間に一気に咲いたとしか思えない。温かかったし。新幹線の沿線も綺麗でした。上智大学前の土手の桜など、ほぼ満開。上野公園のそれも、テレビによれば満開に近かったようです。

 しかし、私が知っている限りでは、例えば上智の土手などは宴会族は数えるほどしかなく、かつ歩いている人も少ない。あまりにも一気に咲いたので、愛でる予定を立てられなかったような印象。今日当たりから一気に人出が増えるのではないでしょうか。

 花粉症も軽くなってくれれば良いと思っているのですが。上智の土手の話しの続きだと、午後に所用あって行ったのですが、やけにアメリカの野球選手が多い。どうやら、ボストンとアスレチックスの選手が両方とも、その近くのホテルに宿泊していたようです。ドームホテルかと思ったら違った。

 夜のゲームはちょっと見ましたが、盛り上がりに欠けました。日本人の大部分がボストンファンだったようで。アスレチックスのスズキ選手は頑張りましたが。


2008年03月25日(火曜日)

 (16:30)まだお休みのせいか、新幹線も実に賑やか。子供の声が新幹線の中で良く聞こえるのは、春休みと夏休みですな。最近は子供の声が聞こえると、「日本にも子供がいて良かった」と思う。ハハハ。

 子供の声が聞こえるというのに、今の世の中には訳の分からない犯罪が多い。突然人を斬りつけるといった。「訳の分からない」という意味では、最近見たNo Country For Old Menに出てきた古手の保安官のつぶやきを思い出しました。確か「理解できない犯罪が増えた....」と言っていたと思う。

 独特の緊迫感がある映画でしたが、最近の日本の犯罪というのは不気味というのが当たっているような気がする。人間の社会は常に犯罪を抱えながら進行するものですが、それにしても老保安官の言っていることが分かるような。

 どうしたら少なくすることが出来るのか。


2008年03月23日(日曜日)

 (16:30)なーーんだ、がっかりの話。何の話かというと、家の近くの蕎麦屋の中では一番好きだった豊玉の田中屋の5月11日をもっての閉店。  私は環状七号線の沿線にあるこの蕎麦屋が非常に好きでした。車を走らせると近い。よく通っているのです。駐車場が潤沢にあって、何を食べても美味しい。かまぼこ、じゃこおろし、焼き海苔、玉子などをたのんだ後でせいろを二枚くらい食べるのが毎回の頼み方で、たまには全部頼むメニューを変えてみたりして楽しんでいた。店内がある程度広いのも良い。

 近くには野口という田中屋で修行した人がやっている店もある。しかし、店が狭く、かつ駐車場が少なくてちょっと遠い。西荻窪にも本むら庵があるが、蕎麦がちょっと違う感じがする。で、週末の昼間に蕎麦を食べたいときには、より数多く田中屋に行っていたのです。

 ところがこの週末に行ったら、「5月11日をもって当店舗を閉鎖」と書いてある。正確には本店を豊玉のあの店から銀座に移すのだそうです。それに伴って、豊玉の店を閉めるとある。

 店員の方に聞いたら、今のあの駐車場たっぷりの豊玉店の土地とビルは田中屋がもっているものではなく、借地、借家なのだそうです。ところが、その地主さんが土地とビルを他の人に売ってしまった。私は借地権は強いと思うのですが、「それで居たくても居られなくなった」ということで、本店を銀座店に移すのだそうです。今の場所はマンションになるのだと。

 しかし銀座店はソニービルの裏の道をワンブロック新橋寄りに歩いたところにあるのですが、狭い。赤坂にも田中屋があるのですが、ここはなんと煙草を吸わせる。松屋だか松坂屋だかの上にもあるのですが、そこもあまり感心しない。

 閉鎖することがわかってつらつら見てみたのですが、駐車場の配置といい、店内の席の配置といい、年を経た年輪のようなものといい、なかなか良く出来た店だったのに。好きな店がまた一つ消えるのは、なんとも寂しい。


2008年03月22日(土曜日)

 (21:30)ははは、楽天は連続逆転サヨナラ負けですか。王さんの最後の監督年を飾ろうというソフトバンクは気合いが入っている ? 初日(木曜日)の柴原のサヨナラHRはちょうどテレビで見ていたのですが、野村さんが呆れ返ったのではないかと。あの球では打たれる。ドミンゴ(日曜日)じゃ、木曜日はダメですか。

 で、今日はその楽天の野村監督が書いた本を紹介します。「あぁ、阪神タイガース」。彼は阪神の監督を3年やったのかな。その間の成績は非常に悪かった。彼自身「思い出したくもない」と書いている。この本は、何故悪かったかを彼なりきに分析している。「負ける理由 勝つ理由」と副題がある。

 選手が我が儘だとか、谷町がもっぱら自分の為に選手を連れ回すだとか、阪神担当記者と選手との深い付き合いとか、耳にしていたことは全部書いてあるのですが、さすがに分析の監督だけあって、それ以上のことが書いてある。ヤクルトでは出来たことが、なぜ阪神で出来なかったのか、とか。

 それは読んでもらえれば分かるのですが、私が興味を持って読んだ部分は、星野評、岡田評です。野村監督も出来なかった阪神を率いての優勝をなぜ星野監督が出来たのかの野村さんの分析は面白かった。星野さんが見た目に似合わず実に細かい人だとは聞いていましたが、それは予想以上だった。

 この本を読むと、「気配り」が星野さんは非常にうまいのだという。しかし何かをなす人が気配りがうまいのは自然でしょう。なぜ長島さんが続けたかった全日本の監督になっているのかも分かる。岡田監督に対する評価は結構辛辣です。

 現役の監督が、他のチームの監督だったときのチームを分析するというのは非常に珍しい。なかなか読みでのある本です。


2008年03月20日(木曜日)

 (23:30)何時来るのか、と見ていたことが世界の市場で始まっているようです。どのくらい持続的かは分かりませんが。それは商品価格の下落。

 「a projected leveling-out of energy and other commodity prices」とFOMC声明も言っていましたが、もし本当にアメリカ経済が急速に鈍化し、世界経済を弱くなっているとしたら、今まで強き一辺倒できた原油とか金の相場の高値追いは修正を余儀なくなれるはずです。木曜日の海外市場では、原油と金の先物相場が大きく下落。

 110ドル台に乗っていた原油先物相場は、木曜日に久しぶりに100ドルを割った。金相場も1000ドルに乗っていたのが、さっき見たら900ドル台の前半になっている。ウォール・ストリート・ジャーナルには、「a turning point in investor sentiment is underway, one that could herald a stronger focus on fundamentals」という表現が出ている。

 もっともポジションの巻き戻しが起きているのは、商品市場だけではない。外国為替市場は今までユーロに下げ続けていたドルが反発して、今これを書いている現在では1.5422ドル前後。一時は1.6ドルに接近していただけに、大幅なドル高・ユーロ安。

 ユーロの対ドルでの反落は、ドルの対円では起きていない。今現在は99円前後。これは、ニュージーランド・ドルやオーストラリア・ドルに対して円が買い戻されている関係かもしれない。ここでもポジションの巻き戻しが起きていると言える。

 この結果、ユーロ・円は152円台前半と最近にない円高・ユーロ安になっている。ま、ここしばらくの市場の動きは驚くほど速いものになるのでしょう。


2008年03月20日(木曜日)

 (23:00)物事の落としどころ、というのはこんな所なのかもしれませんね。このフランスの外相が言っていることがそのままEUの方針になるのかどうかは知りません。開会式には出ない、しかし競技には参加する.....。抗議の意志は出す、しかし祭典を台無しにはしない。

 この意見にだって賛否両論あると思う。また事態は今後も動く可能性がある。しかし、今中国で起こっていることを黙って見過ごすことは出来ない。何かしなければならない。その時、何をするのか。ヨーロッパはこういうところがうまいんですな。しかも最初に言い出す。

EUレベルで北京五輪開会式不参加を」・チベット騒乱で仏外相

 チベット騒乱をにらみ、欧州連合(EU)は8月に開く北京五輪への参加問題を含めて対応策の協議に入る。クシュネル仏外相は18日、EUレベルで北京五輪の開会式への不参加を検討すべきだと語った。騒乱が長期化すればEUの中国批判はさらに強まる可能性がある。

 仏外相はEU加盟国に、28日からの外相会合で中国への対応策協議を求めた。EU各国は14日の首脳会議で「事態を非常に懸念している」(英ブラウン首相)と表明。中国に自制を要求することで一致していた。EUのペテリング欧州議会議長は独ラジオ番組で、騒乱が続くのであれば五輪の開会式に出席する予定の政治指導者は「(出席が)責任ある行動かどうかを考える必要がある」と語った。

 ただ、加盟国ではチベット情勢と五輪問題を絡めた対応に慎重論も出ている。仏外相も「すべての競技への不参加は適切でない」と述べた。


2008年03月19日(水曜日)

 (05:00)引き下げ幅については、FRBの中でも相当議論があったと思いますよ。直前にニューヨーク・タイムズだったと思ったのですが、「FRBの評判は傷つきつつある」といった記事が流れていましたし、いったいこういう危機にはどう対処をすべきかと言うことは、FOMCのメンバーの中で大いに議論になった筈ですから。

 FOMCが全体として選んだ利下げ幅は0.75%でした。この結果、アメリカの金融当局の短期金利誘導目標は2.25%になった。日本の0.5%との金利差は1.75%に縮まった。なぜ0.75%に下げ幅をしたのかについては、想像の域を出ない。

 声明文の中には、FRBのアメリカ経済に関する素直な認識が入っている。景気は悪い、しかしインフレも監視が必要だ、と。「インフレへの監視の必要」が、利下げ幅を0.75%に抑えた理由かもしれない。また1.0%に利下げ幅を持っていったら、さらなる下げ余地が小さくなると思ったのかもしれないし、またあまりマーケットの予想通りの行動(直前には1.0%利下げ説が強かった)はしたくなかったのかもしれない。声明文全文は以下の通りです。

Release Date: March 18, 2008

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to lower its target for the federal funds rate 75 basis points to 2-1/4 percent.

Recent information indicates that the outlook for economic activity has weakened further. Growth in consumer spending has slowed and labor markets have softened. Financial markets remain under considerable stress, and the tightening of credit conditions and the deepening of the housing contraction are likely to weigh on economic growth over the next few quarters.

Inflation has been elevated, and some indicators of inflation expectations have risen. The Committee expects inflation to moderate in coming quarters, reflecting a projected leveling-out of energy and other commodity prices and an easing of pressures on resource utilization. Still, uncertainty about the inflation outlook has increased. It will be necessary to continue to monitor inflation developments carefully.

Today’s policy action, combined with those taken earlier, including measures to foster market liquidity, should help to promote moderate growth over time and to mitigate the risks to economic activity. However, downside risks to growth remain. The Committee will act in a timely manner as needed to promote sustainable economic growth and price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Frederic S. Mishkin; Sandra Pianalto; Gary H. Stern; and Kevin M. Warsh. Voting against were Richard W. Fisher and Charles I. Plosser, who preferred less aggressive action at this meeting.

In a related action, the Board of Governors unanimously approved a 75-basis-point decrease in the discount rate to 2-1/2 percent. In taking this action, the Board approved the requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of Boston, New York, and San Francisco.

 第二パラで集中的に取り上げている「経済活動は更に鈍化した」「消費支出ののびは鈍化した」「労働市場は一段の弱くなった」「金融市場は依然として極めて緊張している」「信用市場は引き締まり状態だ」「住宅市場の縮小事態は深刻化している」という状況はその通りだと思う。

 しかしFOMCはその直後に、「Inflation has been elevated, and some indicators of inflation expectations have risen. The Committee expects inflation to moderate in coming quarters, reflecting a projected leveling-out of energy and other commodity prices and an easing of pressures on resource utilization. 」と述べている。

 「インフレは高進し、インフレ期待を示す一部の指標は上昇した。」と述べながらも、「しかしFOMCとしては、予想されるエネルギー価格やその他商品価格の頭打ち、それに設備稼働率への圧力緩和によって、インフレ率は今後数四半期の間に低下するだろう」と判断している。つまり、インフレ率は今後はむしろ下がると読んでいるのである。

 しかしそれでも、インフレ見通しに不確定要素はあり、今後引き続きインフレの推移を注意深く監視しなければならない、と注釈を加えている。

 インフレに対する楽観論、悲観論の対立の中で、今回の0.75%の利下げに関しては、二人の不同意者が出た。私の記憶では、一人が反対するというのはあるが、二人が反対したというのは珍しい。それだけいろいろな意見があったのだろう。1.0%の利下げを最初は主張した人もいたかもしれないが、大勢の利下げ幅は0.75%に落ち着いた。しかしそれでも、「もっと小幅な下げにすべきだ」と Richard W. Fisher and Charles I. Plosserの二人は主張した。二人の「もっと小幅」がどのくらいを言うのかに関しては、声明段階では記されていない。議事録が出れば分かるかもしれないが。

 日曜日に緊急に引き下げた公定歩合も、同じ幅引き下げたようです。で、2.5%になった。市場の反応は、相場が「下げに緊張」していた分、それを解き放つように大きく上昇している。ドルは反発し、株はこの文章を書いている段階でダウで400ドル以上上げている。これは一つには、ベア・スターンズの超安値での身売りで売りが今まで殺到していた金融株が、この日から発表された決算が予想より良くて、それが金融株の買いに繋がり、全体も上げた。

 ただしこれが継続するかどうかは分からない。急激な上げは、基調下げ相場の時ほど目立つ現象であるからだ。


2008年03月18日(火曜日)

 (13:00)黒田さんや渡辺さんを呈示すればokが出ることが分かっていながら、武藤さんと同じ大蔵省の事務次官経験者である田波さんを総裁候補とした、というのは良い悪いの問題は別にして、福田さんの意地なんでしょうな。情勢から見れば見切り発車的呈示で、西村さんは承認されるとして、田波さんは民主党の出方次第。

 黒田さんや渡辺さんに総裁候補をしなかったのは、鳩山民主党幹事長が日曜日のテレビ番組で、「財務官経験者の方が視野が広い」と言ったからかもしれない。そのまま民主党の幹事長の挙げた名前を総裁候補にしたら、まるで政局は民主党が握っているように見える。同意人事については事実そうだが、それでは首相の指導力に疑問符が付く。しかし拒否されても付く。

 まあそれにしても、もうちょっと広めに視野を取れば広い支持を得られる人材がいたと思うのに。それとも、首相の相談相手には財務省の主流派出身の方が多かったのか。

もし田波さんが明日の国会で拒否されれば、日銀の総裁が空席となる。後場寄りの株が元気がないのは、この影響もあるのだろう。

 田波さんというのは、私は会ったことはありませんし、今回の一連の動きの中でもあまり名前が挙がってきていない人だったと思った。そういう意味では意外感がある。しかし民主党の山岡国会対策委員長は、「同意は難しいのではないか」と。武藤さんの時と違ってきた環境と言えば、野党の中で国民新党が同日の幹部協議で政府の新提案に同意する方針を示したことくらい。

 こうしてまた日本の政治は「動かない」ことになるのか、と。いかんともし難いチキンレースです。視点をもうちょっと長くする必要があると思う。


2008年03月18日(火曜日)

 (02:00)金融市場絡みの話題が多かったので、気になっていたものの書けなかったことをいくつか。

 チベットにおける騒擾は、今の共産党一党独裁が依然続いている中国の体制の無理・行き詰まりが表面化した事態ですが、そこから指し示されることとしては

  1. 強圧的なシステムがなければ多民族を治めることが出来ず、事実そうしてきたが、その強圧さ積もり積もって中国の体制の弱点になりつつあり、将来的に今の体制を大きく揺さぶる可能性が鮮明になった

  2. これは、将来共産党の一党独裁体制が崩れたときに、チベットを含めて中国の国内で独立・分離への動きが強まるだろうことを意味する

  3. 日本にとって重要なことだが、中国の体制が転換する移行期は周辺の諸国にとっても非常に不安定な時期になる
 ということでしょう。青海鉄道の開通もあって開発が進むチベットで、漢族だけがその恩恵につかっていることは、NHKの特集番組でも明らかだった。使う漢族、使われるチベットの人々。チベットの民衆の反乱は、中国国内で進む格差問題の一端でもある。

 と同時にそれは民族問題でもある。ユーゴスラビアの社会主義体制、チトーという神格化された指導者がいなくなった時以来の混乱は今に続いていますが、多民族国家・中国も今の体制が崩れたときには似たような状況が起きる、ということです。ウルムチなどイスラム教徒居住区なども同じような展開が予想される。

 中国に関しては、この週末に届いたフォーサイトに面白い記事が載っていたが、確かにこの数ヶ月の温家宝さんの動きは興味深かった。温家宝さんが広州駅でマイクを握って人民に語りかけている新聞の写真は今でも持っていますが、結局彼は「正月までには帰れます」とした約束を果たせなかったことをこの記事で改めて確認しました。

 次に気になったニュースは、「キューバ政府は、これまで国民に制限してきたパソコンやDVDプレーヤーなどの購入の自由化を決めた」というもの。逆に言えば、「今までは制限されていた」ということ。世の中には、「カストロ崇拝者」が一杯いる。しかし、PCの所有まで今の今まで制限してきた国に憧れは持とうという気にはならない。まあ一回行ってみたい気はしますが。

 次はオーストラリア。ケビン・ラッド首相はえらく中国贔屓らしいが、そのことは誰にでも好き嫌いはあるだろうからたいした問題ではない。しかし、日本の捕鯨をあれだけ非難しながら、その一方で「増えすぎたから」とカンガルーを400匹も薬物注射で安楽死させるという。

 オーストラリアのギャレット環境省は、「バランスが取れ、科学的に実行される計画は良い政策だ」と。バランスは見る人によって違う。この一両日で面白かったニュースは以下のニュースである。

 鯨肉を食べて地球を救おう−。捕鯨を支持するノルウェーの団体が、捕鯨は家畜の飼育よりも排出される温室効果ガスが少ないとする調査結果をまとめた。

 同団体は、捕鯨船が排出する温室効果ガスの量を計算。牛の飼育で排出される量と比較すると、肉1キロ当たりの排出量は8分の1だったという。

 同団体は「牛肉などほかの肉を食べるよりは鯨肉を食べた方が環境にやさしい」と指摘しているが、環境保護団体グリーンピースは調査結果に反発している。


2008年03月18日(火曜日)

 (02:00)月曜日の午後は、このサイトの下にある「日本のIT産業の国際競争力強化への道」というシンポジュームで、他のお二方とITの話をしていました。日経さんからあった話で、それなりきに楽しみにしていた。司会の関口さんはニフティのころから名前は存じ上げていましたが、実際にお会いするのは初めてだったような。

 私からお話ししたことは

  1. 日本の国が中途半端に大きい市場であることから来るIT化、グローバライゼーションへの覚悟の不足(国も企業も)
  2. 終身雇用に伴う企業や組織の中で、IT浸透度に時間がかかること、それに関連従業員の知識の劣化(例えば分散処理化への乗り遅れなど)とその劣化した知識でIT部門のトップに残る古い世代(メインフレーム派)の問題
  3. そのあおりから、新しいIT知識を持つ30代の若手への過度な負担集中と、それに伴うIT職場の3K化
 など。会場で一番問題となったのは、日本のIT産業が何故ユニバーサルな存在になれないか(ガラパゴス現象)に関しては、私から「仲間作りがへた」という問題も提起しました。まあ日本の仲間作り下手は別にITに限った事じゃないのですが。

 グーグルとほぼ同じ時期に検索に手を染めたというファストサーチの徳末さんの話は具体的で面白かった。マイクロソフトは最近同社を買収した。八尋さんは経産省の「情報大航海プロジェクト」のサイドからの話が多かったのですが、私はこのプロジェクトにはあまりファシネートしませんね。

 日本からなぜ検索エンジンが生まれないのか、生まれても育たなかったのは「やはり言葉の問題かな」とか、「下手なプロジェクトより一人の天才だよな」なんて思いながら、また口に出しながらトークしていました。

 それが終わって、また金融市場が気になりました。今回マンハッタンの本社ビルだけでも10億ドルの資産を持つベア・スターンズがなぜ2億3600万ドルでJPモルガンに売却されたのか、解散価値に持ち込まれなかったのかについて説明できる単語を発見しました。それは、以下の文章の中にある。

Officials grimly concluded that while Bear Stearns wasn't too big to fail, it was too interconnected to be allowed to fail in just one day.
 「too interconnected」です。倒産して残務資産を分けた方が株主の取り分は多かったかも知れない。しかし、ウォール街でのポジションの持ち合いなどの相互依存性が、85年という歴史を持つベア・スターンズを「つぶさずに」の方向に突き動かしたのだと思う。

 「too interconnected」であるが故に、FRBは100年弱の歴史の中でも例のない措置をとった。それはnonbank への貸し出しです。今回の措置は「公定歩合を引き下げた」以上の意味合いを持つ。それは、FRBが貸し出しする範囲を劇的に拡大した、期間も拡大したということです。なぜそうなったのか。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事の一部がそれを説明してくれている。

In some ways, the initiatives better equip the Fed to help a financial system that has changed drastically from one based on banks for most of its 95-year existence. It took a unanimous vote by the Fed's five governors yesterday to invoke a Depression-era clause in the Federal Reserve Act to waive the usual prohibition on Fed loans to nonbanks. A Fed official told reporters today's circumstances couldn't have been envisioned when the Fed was created, and noted newer central banks like Europe's have many of these powers. But these steps also take the central bank into uncharted territory with new and potentially troublesome risks. Those risks include the possibility that with the credit crunch showing no sign of lifting, the Fed will be called on to lend to other troubled firms and end up a major creditor of Wall Street, even if at present the risk of any substantial loss appears small. Another risk is that while the Fed used a loophole yesterday in the Federal Reserve Act to expand its lending to nonbanks in "unusual and exigent" circumstances, it has in effect expanded the federal safety net with no political debate. However, the Fed sought and received agreement over the $30 billion loan from Treasury Secretary Henry Paulson, who informed President Bush.
 後段のリスクの説明は面白い。何の議決もなしにFRBは今回動いた。それほど事態は緊急だったと言うことです。しかし市場の反応は冷たい。まだドルは落ち、株も今現在では落ちている。次の手しかない。


2008年03月17日(月曜日)

 (12:00)事態は急変していますね。テレビ東京の朝の番組出演の為に家を出る前に今朝この文章を書いたら、もうその時点から今までに

  1. JPモルガン・チェースによるベア・スターンズの正式買収(超安値で)
  2. FRBによる新しい融資制度創設と、そのプロセスの中でのプライマリー・クレジット・レートの3.50%から3.25%への引き下げ
  3. にもかかわらずの東京市場での株価急落と円相場の急伸
 という事態。JPモルガンによるベア買収は予想できました。アジア市場が開く前に片づけないととニューヨークでは言われていたので。ただし金曜日の引けでも時価総額35億ドルだったベアが、たった2億6000万ドルなにがしかで買収されたのですからね。驚きです。なんとかモルガンに買ってもらったという図式。

 FRBの措置(利下げ)が伝わってきたのは、番組が始まる5分くらいまえだったかな。午前8時40分くらい。ケイタイに入ってきたニュースが一番早かった。でもその時私が不思議だったのは、「公定歩合」となっていたのですが、18日のFOMCで大幅利下げをするのなら、16日の夜に緊急に決めたにしても、下げ幅が0.25%と小幅だったな、という印象。

 でFRBのサイトを見たのです。このサイトに以下のようにあった。

Release Date: March 16, 2008

For immediate release

The Federal Reserve on Sunday announced two initiatives designed to bolster market liquidity and promote orderly market functioning. Liquid, well-functioning markets are essential for the promotion of economic growth.

First, the Federal Reserve Board voted unanimously to authorize the Federal Reserve Bank of New York to create a lending facility to improve the ability of primary dealers to provide financing to participants in securitization markets. This facility will be available for business on Monday, March 17. It will be in place for at least six months and may be extended as conditions warrant. Credit extended to primary dealers under this facility may be collateralized by a broad range of investment-grade debt securities. The interest rate charged on such credit will be the same as the primary credit rate, or discount rate, at the Federal Reserve Bank of New York.

Second, the Federal Reserve Board unanimously approved a request by the Federal Reserve Bank of New York to decrease the primary credit rate from 3-1/2 percent to 3-1/4 percent, effective immediately. This step lowers the spread of the primary credit rate over the Federal Open Market Committee’s target federal funds rate to 1/4 percentage point. The Board also approved an increase in the maximum maturity of primary credit loans to 90 days from 30 days. The Board also approved the financing arrangement announced by JPMorgan Chase & Co. and The Bear Stearns Companies Inc.

 つまりこれは二つのイニシアチブなんですよ。単なる従来の公定歩合の引き下げではない。それもニューヨークの金融市場の秩序維持に責任を持つニューヨーク連銀に対する措置で、他の地方連銀は関係ない。

 一つはニューヨーク連銀によるlending facility の創設認可。証券化市場の参加者に対するプライマリー・ディーラーの資金提供能力を改善するもので、そこではa broad range of investment-grade debt securitiesまで担保に使えるというもの。これは今まで聞いたことがない。

 二つはニューヨーク連銀による primary credit rate の3.5%から3.25%への引き下げ要請認可。これはFF金利と同金利のスプレッドを縮めるための措置と説明がある。ということは、18日にFF金利を引き下げた場合には、このレートも引き下げられる可能性が高い。しかもprimary credit loansの満期を30日から90日に拡大した。

 危機乗り切りに精一杯ですね。しかし以前書いたように、また今朝も書いたように、血流を良くするだけではだめ。膿みを取り出す手術が必要です。「市場安定のためにあらゆる事をする」(ポールソン)「今は非常時だ。非常時には非常時対応をする」(ブッシュ)と姿勢は揃ってきた。

 だから、今朝の東京市場で出てきたような事だけではダメなのです。だから株は下がり、為替はドル安になっている。ここ一両日が勝負でしょうね、アメリカの金融当局にとって。


2008年03月16日(日曜日)

 (13:00)週末にもかかわらず、集まりが多い。土曜日は以前ギャオでやっていた報道番組のメンバーが集まって、青山で豚しゃぶを。

 メンバーがいつもの通り多彩だから、話も盛り上がりました。ロシアの映画祭をやろうとしている人、韓半島大運河構想を中心に今の韓国や北朝鮮に関する意見を述べた人、中東情勢の専門家で助教授から教授に昇格した人、今は東南アジア中心に研究しているものの将来は出身地の市長になろうと思っている人、排出権取引について日々情報を集めて配信している人など多彩でした。それぞれが非常に面白い話で、書ききれない。

 まあでも昨日の主役は、昨年からボストンで生活していて今は帰国している岡島夫人(栗原さん)でしたね。3月26日に日本からボストンに帰るというので、それを理由に皆で集まったのだから。

 ガニエが入ってきた時の岡島選手の心理状態などは、日本にいても分かりましたし、シーズン後半の疲れははっきりと分かった。その時の話はなかなか興味深かった。本人も「故障しそう」と言っていたそうです。ガニエは今季はもうどこかのチームに移籍したそうで、今年のボストンはガニエが入る前のチームとほぼ同じメンバーだとか。

 あと彼女の話しは大リーグの野球選手の奥様連中が日頃どういう生活をしているのか、年俸格差がベビーシッターに対するチップにまでどう響いてくるか、など面白かった。痛いのは、年俸をドルでもらっているので、日本への送金の必要性があると考えてしまうと。そりゃそうだ。120円くらいの時に契約したら、今は100円に満たないドル。

 まあでも野球選手の奥さんというのも、結構大変ですな。代表的な一日を聞いたのですが、二人も子供さんがいるとなかなか身動きも出来ない。球場に子供を連れて行って、近くのレストランで奥様連中で食事会を開いたりすることもあるような。オリティーズの奥さんと仲が良いとか。

 まあでも野球の世界は、数年後がどうなっているのかも分からない。だから「ギャンブルの人生」と言っていましたが、まあそれでもアップダウンがあってなかなか経験できないわけで面白いかも。「子供の教育が心配」と言っていたので、亭主共々ニューヨークに来れば日本語学校もあるよ、と言っておきました。

 朝鮮半島で李明博政権が推し進めようとしている大運河構想に関しては、うっすらと知っていましたが、会合に参加した人の話を具体的に聞いて「本気なんだ」と思いました。ソウル市を流れる川を再興した実績のある新大統領のちょっと大胆な構想。

 それは、朝鮮半島を南北に運河で貫くという朝鮮史上でも例を見ない一大水利事業で、最終的には韓国と北朝鮮を貫く合計17本、全長3100キロの運河を作る、というもの。経済を活発化し、観光資源を作り、そして雇用を創出するという意味合いは認めますが、私はあまり将来的に韓国の経済に役立つとは思わない。話を聞いたときもそう思いましたし、その後も「なぜ効果薄か」と考えた理由は

  1. 船の運航速度は遅い。貨物をソウルから釜山まで運ぶにしても、高速道路を使ったトラック運送の方がはるかに速い。人類の歴史を見ても、一部の例外を除いて運河が主要な交通手段とされたのは今使われているエンジンのが開発される前の中世であった
  2. 運河と言っても高度調整のために閘門(こうもん)を作る必要がある。閘門とは、閘室と呼ばれる前後を扉で仕切った水面に片方の扉を開けた状態で船を入れ、その後て扉を閉じた後に他方の扉側の水路の開閉によって水位を昇降させ、その後他方の扉を開けることにより船を昇降させる装置。構想ではソウルー釜山間で19もの閘門が必要とされ、運行速度は著しく遅くなる
  3. 聞いていたら、このソウルと釜山を結ぶ運河の予定地だけで実に170カ所余の文化遺跡が点在していると言われて、韓国の歴史遺産を破壊してしまう危険性があり、国内には根強い反対論がある
 など。この人の話を聞いていて興味深かったのは、「そんなことでもしないと韓国経済はどうしようもない」という部分。韓国の新聞を読んでいると、「板挟み論」が結構出てくる。先に先進国になって技術革新を続ける日本などと、新興の中国やインドに挟まれて韓国は苦しい、という見方。

 実際のところ私がずっと不思議に思っているのは、韓国は成長率では日本よりよほど高いのに、大卒の就職もなかなか進まないなど雇用が創出できないこと。大運河は雇用を創造することは出来ると思う。しかし、それは私は偏った領域での、短期的な雇用だと思う。中国も成長率が高い割には、ちっとも雇用を創出できない。

 なぜそうなのかは、うすうすアイデアはあるのですがまたいつか調べてみたいと思っているのです。


2008年03月14日(金曜日)

 (13:00)ドル・円相場が1ドル=100円を突破した後、少し落ち着いた展開になっている一つの原因は、外国為替市場の一部での「介入論」の高まりかもしれない。

 14日の朝現在で、アメリカの有力証券会社の「介入見込み論」がブルームバーグに載り、一方今朝のフィナンシャル・タイムズの社説は、「Intervene to slow the dollar's decline」(ドルの下落を鈍化させるための介入を)という論を展開している。

 証券会社2社の見方はアナリストが言っているもので、来週18日のFOMCでの0.5%、ないし0.75%の利下げが確実になる中で、一方でドルの下落に歯止めをかけておかなければ、ドルの崩落が起きて、それが利下げの経済的効果を相殺するような形でアメリカ経済や世界経済にに大きな打撃を及ぼす。それを防ぐにはドルの下げ(売り)安心感を牽制しておく必要がある、というもの。

 確かにドルの崩落が起きたとしたら、それは世界経済全体に対する打撃になるし、アメリカ経済に対する大変なインフレ圧力となる。インフレ圧力が高まれば、それはアメリカの金融政策の手を大きく縛る。

 FTの介入論は、「Nobody will benefit from a rout of the US currency」というもので、つまり「米ドルの崩落から利益を得る人は誰もいない」→だから介入でドルの下落を緩やかなものにしろ、という主張。注意すべきは、ドルを反発させろとは言っていない。

 FTは「弱いドルはアメリカ経済を刺激する一つの必要不可欠のツールだが、崩落するドルは誰の利益にもならない」「ドルを現在の水準にフィックスさせようと試みるのは、意味がなく、バカげていて、かつ間違っている」「ドルはもしかしたらもっと下がっても良いのかもしれない」「しかし、ドル売りポジションを振って相場の流れに乗ろうとする投資家の心に恐怖心を生じさせ、ドルの崩落を防ぐ必要がある」と説明する。

 この有名なイギリスの新聞は、「介入はそもそも危険な戦略である」としながらも、それでも今はやった方が良いと主張し、実施して成功させるには三つの前提条件があるとして以下の要因を挙げている。

  1. 介入には最初から限定的な目標しか与えない(介入に期待しすぎない)
  2. 介入は例えば日銀単独というような形ではなく、協調してやる
  3. さらには、自国通貨の対ドル価値を管理しているアジア諸国中銀の協力も仰ぐ
 まあ妥当なところでしょう。ドルを反発させるための介入との違いは鮮明なのですが、まあそういう意見が出てくる背景は、米FRBのサイドにも明確に存在する「手詰まり感」 です。それぞれの政策が齟齬する意図を持ちうる。利下げをしなければならないが、利下げはドル安を誘発する、といった。それだけアメリカ経済が抱えた悩みが深いことの証拠だが、どこかからは手を付けねばならない。

 その手順探しがそろそろ始まると考えるのが自然です。


2008年03月13日(木曜日)

 (22:00)12年半ぶりの円相場の100円突破は、銀座八丁目で午後5時30からラジオ収録を始めた直後でした。だから午後5時33分ぐらいだったかな。まあその前から切りそうで切らない状態が続いていましたから、「いつかはいくな」と思っていたのですが。このときの円高値は99円75銭。

 円の100円突破といえば、1995年を思い出します。確か4月の19日に高値で79円75銭まで行った。その時相場の動きをつぶさに見ていて思ったのは、「時として市場は常軌を逸する。見守る人がいなければならない」というものでした。確か日本の通貨当局はずっと介入をしていた。にもかかわらず、凄まじい勢いで円高が進んだのです。

 ドル・円がこの対ドル史上最高値を付けに行く瞬間は、相場はレベル感を全く失っていた。相場が飛ぶから分かる。売り(オファー)も買い(ビッド)もあまりない状態です。

 相場が高値、安値を付けるのは瞬間です。それが非常に大きく報道される。しかしその後短期間で元の水準に戻れば、実態経済に与える影響は実はあまり大きくない。その高値、安値水準で実際に交わされる契約は少ないからです。一定程度、例えば3ヶ月とか6ヶ月続いて初めて相場水準というのは経済実態に影響を与える。

 今後の展開のポイントは、今のドル安にどのくらいアメリカが危機感を抱くかでしょう。ドルは基本的には、アメリカ政府の意向で動く。過去の為替相場の歴史はそうです。この点から言うと、ブッシュ大統領は昨日の演説で、ドル安がアメリカのインフレを高める危険性を指摘した。つまり行政府のレベルでも、ドル安がアラームになっているということです。ただし、バーナンキはその前の講演ではインフレはあまり気にしていないようだった。

 またもう一つのファクターは、ニューヨークの株がドル安故に下がるようになるかどうか。その場合にはアメリカは動くと考えます。動くとは、過去の例だと介入とか、金利の引き上げとか。1970年代の最後のカーターショックでは、この両方をやった。

 しかし今回はドル安に懸念を強めても、アメリカは金利の引き上げは出来ないと考えられる。介入しても、中身がないと持続的な効果はない。ちょっとここでも手詰まりになる可能性がある。しかし、ドル安を放置すると商品価格があがり、実際には出来なくても産油国の中にはドル・ペッグを「やめる」と言い出す国が出てくるかもしれない。

 過去の相場の動きは、あくまでも参考です。いくら似ていても、過去の相場展開がそのまま繰り返されることはない。90年代と2000年代ではかなり違う。しかも12年以上もたっている。

 今この部分を書いている現在のドル・円相場は100円45銭。いつもそうですが、明日の朝はいくらになっているかは分かりません。


2008年03月13日(木曜日)

 (12:00)最近海外の新聞を読んでいると盛んに「Japan-style 」という単語が出てくる。「日本式」というわけです。そして何の日本式かと思ったら「recession」(リセッション)の。1990年代の初めに日本が経験したような「a deep and protracted recession」(深く長引くリセッション)を指しているらしい。

 例えば、このFTの記事がそうですし、その他にも「japan-style」で検索するといっぱい出てくる。日本も変なところで有名になっているものだ。

 もちろん今の話題はアメリカの景気の現状です。今までの議論は、そんな深くて長引くようなリセッションはFRBがあらゆる手を打つので起きないし、起こさないというのがアメリカでの議論だった。例えばこれなど

 しかし今は、「アメリカはリセッションか否か」という議論の先の、「アメリカのリセッションはいかに深く、以下に長いか」に話題は移りつつあるようで、これは私の見方とも一致する。となると、3月18日のFOMCでは利下げは最低限0.5%の、もっと大胆な場合は0.75%の利下げになる。

 しかし「回避するためには何でもする」といっても、日銀も金利をゼロにするところまでやったが、日本の景気が早急に持ち上がった事実はない。金融政策には限界があるのである。FTも以下のように書いている。

There is growing awareness that monetary policy alone may not be able to curb the risk of a severe recession because of wide risk spreads and constraints imposed by inflation.

"The difficulties now facing policymakers - to maintain simultaneously real growth, price stability and financial stability - seem as great today, if not greater, than at any other time in the post-war period," said William White, chief economist at the Bank for International Settlements.

 では何が出れば良いのか。これは政府です。ブッシュ大統領はこの日も「アメリカは強いドルを支持する」と述べた後で、「空き家を政府が買うのは良くない」と述べて、サブプライム問題での現在以上の政府介入を拒否している。住宅価格が下がり続けるリスクは、GDPに占める割合が7割を占めるアメリカのような国ではリスクが大きいと思うが、この点に関しては米政府の考え方は中途半端だ。この点が懸念材料。

 それにしても、これを書いている最中にもドルはみるみる下がって100円割れ寸前になっている。金融市場のリスクは高まっている。


2008年03月13日(木曜日)

 (01:00)夜帰ってきてフィナンシャル・タイムズを読んでいたら、面白い記事が二つくらい。

 一つはアメリカ人のドライブ慣習や車の購入トレンドがあまりのガソリン価格高騰によってさすがに変わってきている、という記事。まあそうでしょうな。今まではそれは日本車の需要に繋がっていたが、それをこえて車全体の需要が低下するのかがポイントですが。

 見えてきた傾向は以下のようなものだそうです。

  1. SUVが一番売れていた1990年代にフォードのエクスプローラー(SUV)の22.5ガロンのガソリンタンクをいっぱいにするのには25〜30ドルで済んだが、今では73ドルもかかる
  2. この結果、移動に鉄道など公共機関を使う人の割合は過去半世紀ぶりの高さになっており、またトラック運送業者は運転手に一定以上のスピードで運転するなと命令したり、一定以上にスピードが出ないような装置を取り付けている。燃料使用量を減らすためだ
  3. 国民の間ではrandam driver(やたら走り回る輩)が減少してきており、ちょっと買い物に行くのでも、歩いていくアメリカ人が増えた
  4. またガソリンをまき散らして走るようなSUVや軽トラックの販売は落ち込んでおり、1〜2月は昨年同期を25%方下回っている
 など。まあアメリカの市場にも日本車が増えてきているということは、日本の市場と同じように買い換え期間も延びると言うことでしょう。多少のガソリン価格の上昇は今までは日本車メーカーが有利だった。今回の場合がアメリカでの「車社会全体への見直し」に繋がっていくとすると、従来の図式とは変わってくることになる。まああのインフラでは容易には変わらないでしょうがね。

 次に注目したのは、韓国ウォンに関する「Won falls to two-year low as credit worries take toll」という記事。一瞬目を疑いました。今年に入ってから円はドルに対して一貫して上がっている。今までだったらウォンも上がっていたはずです。ドルに対して。ところが下がっているという。ということは、円が高値追いをしているドルに対してウォンが下がっているのだから、円はウォンに対して相当高くなっているはずです。

 ウォンが下がっている理由に関してFTには、「グローバルな信用収縮が、アジア第3位の経済に打撃になると予測されるため」と書いてある。世界的な信用収縮は円の急騰を招いているのと非常に対照的。

 日本と韓国が違うのは、経常収支。日本は真っ黒だが、韓国は赤字が増えている。この経常収支の赤字の増大(韓国では対日の増加が問題視されている)と、外国人の韓国株売りとそれに伴うウォン売りがウォンの値下がりのより具体的な背景とも書いてある。アジアの通貨で、今年に入ってドルに対して下がっているのは韓国のウォンとインドのルピーだけだとも。

 確かに記事の中にあるチャートを見ると、05年以来1ドル=1000ウォン当たりから急騰して、一時は910ウォンにまで行ったウォンは、今はまた970前後になっている。ということは1円が9.5ウォンということだ。

 この急激なウォン安・円高。海外旅行には慣性が働きますから、直ぐにと言うことではないでしょうが、将来の韓国人旅行客の減少を意味するのかどうか。それと思うのは、日本は現在のドル建て石油価格の上昇を円高の中で迎えているが、韓国はウォン安の中で迎えている。国内インフレ圧力は強まっている、ということです。


2008年03月12日(水曜日)

 (04:00)正直言って、FRBのサイトで以下の声明文を読んだときには、最初寂しさを感じ、あと「でもこれはそれだけ日本がリスクに晒されていない証拠かもしれない」と思い、それでも「ちょっと寂しいな」とまた考えた、という心模様でしょうか。

 カナダ中銀、イングランド銀行、欧州中銀、FRB、それにスイス国立銀行(中銀名はabc順に並んでいる)がそれぞれ詳細を発表した「金融市場への協調流動性付与措置」です。私は今まであまり見たことがない声明の形を取っていて、行動もさることながら、ネットサイトでのお互いの措置を相互リンクした面白い形になっている。ネット時代ですね。

 FRBを例に取ると、具体的に取る措置を説明し、その後に他の中央銀行の関連サイトにリンクを置いて、それぞれの中銀の説明を読めるようにするという形。つまりこの声明は「全体を合わせて考えてもらうと、今回の5中銀の協調行動は世界の金融市場全体に大変な流動性付与になっていますよ」と語りかけている。例えばFRBの声明は以下の通りです。

March 11, 2008, 8:38 am
Fed Statement on Expansion of Securities Lending

The following is the text of the Federal Reserve’s statement released Tuesday, March 11:

Since the coordinated actions taken in December 2007, the G-10 central banks have continued to work together closely and to consult regularly on liquidity pressures in funding markets. Pressures in some of these markets have recently increased again. We all continue to work together and will take appropriate steps to address those liquidity pressures.

To that end, today the Bank of Canada, the Bank of England, the European Central Bank, the Federal Reserve, and the Swiss National Bank are announcing specific measures.

Federal Reserve Actions

The Federal Reserve announced today an expansion of its securities lending program. Under this new Term Securities Lending Facility (TSLF), the Federal Reserve will lend up to $200 billion of Treasury securities to primary dealers secured for a term of 28 days (rather than overnight, as in the existing program) by a pledge of other securities, including federal agency debt, federal agency residential-mortgage-backed securities (MBS), and non-agency AAA/Aaa-rated private-label residential MBS. The TSLF is intended to promote liquidity in the financing markets for Treasury and other collateral and thus to foster the functioning of financial markets more generally. As is the case with the current securities lending program, securities will be made available through an auction process. Auctions will be held on a weekly basis, beginning on March 27, 2008. The Federal Reserve will consult with primary dealers on technical design features of the TSLF.

In addition, the Federal Open Market Committee has authorized increases in its existing temporary reciprocal currency arrangements (swap lines) with the European Central Bank (ECB) and the Swiss National Bank (SNB). These arrangements will now provide dollars in amounts of up to $30 billion and $6 billion to the ECB and the SNB, respectively, representing increases of $10 billion and $2 billion. The FOMC extended the term of these swap lines through September 30, 2008.

The actions announced today supplement the measures announced by the Federal Reserve on Friday to boost the size of the Term Auction Facility to $100 billion and to undertake a series of term repurchase transactions that will cumulate to $100 billion.

 私が寂しさを覚えたのは、協調行動の仲間、5連銀の中に日銀が入っていないことでした。しかし協調行動を行う5中央銀行のサイトが示されたあとに、「Statements by Other Central Banks」というコーナーがあって、そこには日銀とスウェーデンの中央銀行であるSveriges Riksbank の声明が貼り付けてある。日銀の声明は以下の通りです。

March 11, 2008
Bank of Japan

Since the coordinated actions taken in December 2007, the G-10 central banks have continued to work together closely and to consult regularly on liquidity pressures in funding markets. Pressures in some of these markets have recently increased again. We all continue to work together and will take appropriate steps to address those liquidity pressures.

To that end, today the Bank of Canada, the Bank of England, the European Central Bank, the Federal Reserve, and the Swiss National Bank are announcing specific measures.

The Bank of Japan welcomes these measures and hopes that they will contribute to maintaining the functioning of the international financial markets. Amidst the turmoil in international financial markets, Japan's money markets continue to function relatively well thus far. The Bank will continue to conduct money market operations so appropriately as to maintain market stability, including supplying sufficient fund over the fiscal year-end.

 「ああ、ここで日銀が出てきたのか」と。日本とスウェーデンの中銀の声明は、「Japan's money markets continue to function relatively well thus far」「In Sweden we do not currently see that the banks have any additional borrowing needs.」といった形で今すぐそれぞれの国での措置(流動性付与)の必要性はないと指摘した上で、「しかし今回協調措置を発表した5連銀の措置が国際金融市場の役割維持に役立つものであり、それを歓迎するとした上で、事態の変化を見守り、緊密かつ定期的に5中央銀行と協議すると述べている。

 形としては5+2の中央銀行がそれぞれ声明を出す形を取っているが、それぞれの声明の最初の2パラグラフは上で示したFRBのそれ、それにBOJの声明を見て頂ければ分かるように全くの同一文章になっていて、5中銀の場合はその後にそれぞれの行動が、2中銀の場合は「今直ちに動く必要はないが.......協調する」という構成。

 危機再燃に対して世界中の主要中央銀行が協調するというアピールでしょう。しかし、流動性付与はこれまでもやってきたことで、今回の5+2中銀の措置とアピールは規模が大きくなったと言うことと、中銀サイドの決意を示したというだけであって、ではアメリカの住宅市場の悪化はどうなるのか、世界の金融機関の資本不足、相次ぐ損失にはどう対処していくのか、といった根本問題には何一つ触れていない

 「血流はなんとか確保しているが、手術は先送りになっている」という印象を私は受ける。手術とは、例えばアメリカが公的資金を投入してもっとも膿んでいる市場セクターの膿を取るとか、モノラインを含めてアメリカの金融機関の経営を安定させるとか。

 そういう意味では協調と大規模は評価できる。もちろん、ニューヨークの株は急騰し、外国為替市場ではドルが反発して、円は安くなった。しかし、いずれ次の措置が必要ということでしょう。


2008年03月11日(火曜日)

 (09:00)なんだか原稿に追われる週明けです。韓国の新聞への原稿、雑誌原稿、そして日経エコへの原稿も書かないといけない。アイデアさえ浮かべば結構筆は速いほうなんですが、それぞれに最適のアイデアというのは、歩いているときだったり、風呂に入っているときに思い付く。それを忘れないようにしないといけない。

 それにしても、アメリカ経済の惨状は目を覆う状況になってきた。まあ山高ければ谷深し。特殊アメリカ的な状況もあって、世界全体がそれに引きずられるいわれがない面もあるのですが、そうは言っても世界最大の経済国の苦境ですから、影響は大きい。しばらく動揺は続くんでしょう。

 そうしたなかで、日銀の次期総裁の選出を巡る日本のごたごた。以前このサイトで、「Why Japan keeps failing ?」というエコノミストの記事を紹介しましたが、全く世界の情勢と関係ない「政局」で動いている。呆れることしきりです。


2008年03月09日(日曜日)

 (23:00)昼間は狭山で親戚の法事。尾崎豊さんのお墓もある墓地の中で法要をしたあと、近くの掬水亭といったかな、レストランで食事。良い天気でした。日差しは確実に強くなっている。

 朝はちょっと「これじゃ寒いかな」と思うような薄めの礼服にしたのですが、法要の時は太陽をいっぱいに浴びてちょっと暑いくらい。来週、再来週は狭山の辺は大混雑になるのでしょう。桜は3月の下旬だそうですが、「今年は2月が寒かったので、ちょっと遅れるのかも」とは事務所の人の話。

 お食事会では相も変わらず世間話をするのですが、その中で面白い薬品の名前を聞きました。それはストチュウ。それは有機農法で病害虫予防薬。といっても農薬ではない。

 なんと成分が、「醸造酢・木酢液・焼酎」というのです。まあ人間が飲んでも大丈夫なものが多い。これが有機農業で使われていると聞いて、「へえ」と。中国の野菜が危ないという話しをしている中で、家庭菜園をしているという人が教えてくれた。知りませんでした。

 家に帰って一眠りしたあと見た午後9時からのNHKスペシャルは面白かったな。世界最速男であるアサファ・パウエルを、ゲイや朝原と筋肉などで比較していたのですが、違いが実に分かりやすかった。朝原が可哀想なくらいに、パウエルの筋肉は大腰筋などで優れている。ピッチと歩幅が揃ったら強い。

 しかし意外なことに、パウエルは世界大会とかオリンピックなど有力大会では一回も勝っていないのだそうです。去年の大阪の世界陸上のビデオが流れたのですが、パウエルの走り方は確かに固いし、おかしかった。最速だからと言って大きな大会で勝てるわけではない。8月のオリンピックではどうなるのか。

 番組は前半はスポーツ分析が中心。それはそれで面白かったのですが、後半には一転した彼の生まれ故郷であるジャマイカの話しになって、パウエルが身体を鍛えた坂の話や、「いつも勝つことを要求される身分になったことのプレッシャー」を素直に語っていた。

 最速ながら人間くさいパウエル。彼の故郷の彼への期待が重荷になるのではなく、パワーになるかどうか。北京オリンピックの一つの楽しみ ?


2008年03月07日(金曜日)

 (23:00)雇用もかなりはっきりと調子が悪くなりましたね。アメリカの話です。住宅が売れずに値段が下がり、ローンの焦げ付きも増加している。自動車販売などを見ると消費にもかなり明確なかげりが見える。アメリカ経済はしばらくは厳しそう。

 米労働省が発表した2月の雇用統計によると、注目の非農業部門就業者数は6万3000人も減少した。市場の予想は2万5000人の増加だったから、市場のショックは大きい。政府の雇用が増えていなければ、民間ベースだけでは10万人も減少したとの内容だ。

 1月の雇用統計も2万2000人の減少で、これは当初発表(1万7000人)に比べて5000人の増加修正。つまり減少幅が増加した。2月の雇用減少は2003年3月以来の5年ぶりの大幅なもの。中味を見ると、製造業が5万2000人の減でこれは20ヶ月連続の減少。建設は3万9000人の減少。サービス・セクターの雇用は2万6000人の増加だったが、この増加幅は2005年10月以来の低い伸び。

 失業率は予想に反して0.1ポイント低下して4.8%となったものの、これは経済の強さの反映ではなく、労働力人口が45万人も減少して、つまり分母が減ったことによる。雇用が増えたわけではない。

 モノラインの危機は続き、金融機関の経営に対する不安も高まった状態が続いている。これに対して今見たFRBのサイトのサイトには次のようなリリースが張ってあった。

For immediate release

The Federal Reserve on Friday announced two initiatives to address heightened liquidity pressures in term funding markets.

First, the amounts outstanding in the Term Auction Facility (TAF) will be increased to $100 billion. The auctions on March 10 and March 24 each will be increased to $50 billion--an increase of $20 billion from the amounts that were announced for these auctions on February 29. The Federal Reserve will increase these auction sizes further if conditions warrant. To provide increased certainty to market participants, the Federal Reserve will continue to conduct TAF auctions for at least the next six months unless evolving market conditions clearly indicate that such auctions are no longer necessary.

Second, beginning today, the Federal Reserve will initiate a series of term repurchase transactions that are expected to cumulate to $100 billion. These transactions will be conducted as 28-day term repurchase (RP) agreements in which primary dealers may elect to deliver as collateral any of the types of securities--Treasury, agency debt, or agency mortgage-backed securities--that are eligible as collateral in conventional open market operations. As with the TAF auction sizes, the Federal Reserve will increase the sizes of these term repo operations if conditions warrant.

The Federal Reserve is in close consultation with foreign central bank counterparts concerning liquidity conditions in markets.

 つまり流動性付与の規模とタームの大幅拡大であり、市場の状況次第では一段とその規模を増やすと言っている。完全に「危機モード」です。この文章を書いている時点では、金曜日のニューヨーク時間の朝方に一時101円台の前半に行ったドル・円は、102円台の後半になっている。

 まだまだアメリカの、従って世界の金融市場の動揺は続きそう。


2008年03月06日(木曜日)

 (05:00)大接戦ですね。まあ、ヒラリー・クリントンの3月4日、ミニ・スーパーチューズデーでの3州(テキサス、オハイオ、ロードアイランド)での勝利は、「投票者サイドの揺り戻し」の結果でしょう。勢いのあるオバマ氏をこのまま勝たせたら、選択肢に残しておきたいクリントンという候補が消えてしまう。それは面白くない....という。だから出口調査をすると、「直前にクリントンに決めた」という人が多かった。やはり流れは直前までオバマだったのです。

 では、「もうちょっと戦っていなさい」というテキサス、オハイオの民主党員中心の選挙民のご託宣の先にあるものは何か。これは「どちらをマケインにぶつけるか」の判断に徐々になってくるでしょう。というと「オバマに有利か」ということになるが、私は必ずしもそうはならないような気がする。

 とまれ、9連敗だか10連敗のあと3連勝したクリントン候補には、「ああ良かった」ということでしょう。オバマの勢いは止めた。マスコミも今後は彼女を対等な候補者として扱う。今までは負け犬扱いでしたから、これは状況として大きな違いです。

 しかし、だからといって形勢が大きく彼女に有利になったわけではない。まず、その後の動きですが、予備選と同時に党員集会もやったテキサス州では、オバマ候補が57票中30票を取って27票のクリントン候補を上回った。実はテキサス州では、予備選と党員集会を両方実施し、三分の二の代表を予備選で、三分の一を党員集会で決めた。

 民主党では代議員の数は得票率で配分されるため、僅差で勝った場合にはマスコミ的には勝利を大きく報じられるが、実際に獲得する代議員の数はあまり違わない。たとえばテキサス州予備選はクリントン65に対してオバマは61。党員集会の分まで合わせると、クリントン92に対して、オバマ91。ほとんど僅差だ。< P>  オハイオはかなり明確にクリントンが勝って、「ここ何十年と、オハイオで負けた候補で大統領になった人はいない」という事実を引き合いに出してクリントンはご満悦なのだが、獲得代議員の数は74で、オバマの65を9人上回ったに過ぎない。

 民主党大会において指名獲得に必要な過半数は2025(2024を採用して いる報道機関もある)だが、重要なのは現時点で州の代表をいくら上積みしても 両候補ともこの過半数に達することは出来ない、ということ。ウォール・スト リート・ジャーナルには以下の記事がある。

 Based on their current delegate counts, neither candidate can win enough delegates in the remaining primaries and caucuses to secure the nomination without the help of nearly 800 party officials and top elected officials who also have a voice in the selection. On Wednesday, Sen. Clinton and her campaign aimed their case at superdelegates -- a strategy that could take the nomination fight all the way to the party's August national convention in Denver.
 「superdelegates」と言われる連中の話です。誰かというと、「party officials and top elected officials 」で、その数は約800人。そのうちど ちらを支持するかの態度を表明しているのはクリントン241、オバマ202で クリントン有利だが、依然として300人近くは態度を保留している。オバマよ りもクリントンの方がこの「特別代議員」が欲しい。

 民主党の幹部達なら、夫が民主党の大統領をしていたクリントンの方が有利だと思うのだが、そうでもないらしい。若者中心のオバマ旋風の中で、「民意に逆らうことは出来ない」とオバマに鞍替えを考える特別代議員も相当いるのではないか、と4日以前には言われていた。それが4日の結果を見てどう動くかだ。

 次の山場は4月22日のペンシルベニアだ。この州はオハイオと人種構成、階層などが似ている。今後のポイントは

  1. 一端旋風の勢いを失ったオバマ候補が、勢いを取り戻すことが出来るのか。カナダとの裏交渉のような問題やそれに対する対応のまずさが出てこないか

  2. クリントンはある面「オバマが強すぎる」ことで、今回選挙民に勝たせてもらった面がある。マケインと戦って勝てる候補であることをいかに証明するか

  3. 800人に達する「superdelegates」と呼ばれる党の幹部達がどう考えるか、どう動くか
 本当に長丁場です。考えれば、共和党で指名獲得を確実にしたマケインは一端はマスコミから「精もカネも尽きて、撤退か」とかき立てられた時期もあった。民主党にもまだドラマがあるような気がする。例えば、ヒラリー・クリントンは一夜明けたニュース番組で以下のように述べている。
Asked on the CBS "Early Show" about Democrats who want to see her and Obama on the same ticket, Clinton said: "Well, that may, you know, be where this is headed. But, of course, we have to decide who's on top of the ticket."

She added: "And I think that the people of Ohio very clearly said that it should be me. And after all, no one in recent history has won the presidency who did not win their party's primary in Ohio."

 ははは、「私が大統領候補になって、オバマが副大統領候補になる」と。もしかしたらその場合は、クリントンでもマケインを負けさせることが出来るかもしれない。一方、共和党ではブッシュ大統領がマケイン支持を表明。

 不人気のブッシュから支持されてもと思うかもしれないが、これはマケインにとって大きい。共和党の保守派はブッシュ支持で、そのブッシュから支持されたと言うことは、マケインが共和党全体から押される可能性を示唆する。マケインと共和党保守派はあまりうまくいっていなかった。


2008年03月05日(水曜日)

 (21:00)積極果敢に利下げを続けるFRBがインフレをどう考えているのかが最近の私の関心事項だったので、まず今週はミシュキン理事のスピーチをチェックしました。今週はFRBの議長や理事がかなり集中的に喋る。その全部はチェックできないのですが、面白そうなのは目を通そうと思っているのです。

 最初の方に出てくる景気認識は私が持っているものと相当似ている。スパイラルが今のアメリカ経済では始まっていて、それはいつか終わるのですが、終わる前に悪くなる。スパイラル的に。今はアメリカ経済はその真っ最中ではないでしょうか。彼はこのスパイラルをこう表現している。

Finally, I would note the possibility of a feedback loop between financial market disruptions and deterioration in the real economy that I have emphasized in previous speeches (Mishkin, 2008a, 2008b). Because economic downturns typically result in even greater uncertainty about asset values, such episodes may trigger an adverse feedback loop whereby financial disruptions cause investment and consumer spending to decline, which, in turn, causes economic activity to contract. Such a contraction then increases uncertainty about the value of assets, and, as a result, the financial disruption worsens. This development then causes economic activity to contract further in a perverse cycle.
 問題は、市場がそれをどのくらい織り込んで動いているのかです。彼の言うとおり、景気は今が悪く、この先もちょっと悪い状態が続くとして、問題はインフレです。インフレの懸念がなければ、思い切って利下げをすれば良い。インフレ圧力がなければ、ドル安に伴う輸入インフレを心配する必要もない。そこで、FRBがインフレのリスクをどう考えているのかが重要なのです。

 インフレに関しては、「Inflation and Inflation Dynamics」の項で取り扱っている。その全部を取り上げるわけにはいかないので、次のパラグラフで見る。彼は次のように言っている。

What does this mean for the inflation outlook? I expect inflation pressures to wane over the next few years, as product and labor markets soften and the rise in food and energy prices abates. In addition, I continue to believe that long-run inflation expectations remain consistent with increases in PCE prices in the neighborhood of 2 percent per year. Accordingly, I anticipate that over time core PCE inflation will move back to around 2 percent. The risks around this outlook appear to me to be balanced, although the uncertainty surrounding the outlook may have widened recently, consistent with the apparent rise in the inflation risk premium. The risks associated with higher oil and commodity prices are a concern as is the possibility that past cost shocks may have a more pronounced effect on core inflation than has been apparent to date. Working in the opposite direction, with the risks to the real economy and resource utilization skewed to the downside, there are accompanying risks that inflation may be subject to some additional downward pressure. Regardless of how these risks play out, a commitment to a strong nominal anchor will be crucial to the success of monetary policy. Any tendency for longer-run inflation expectations to become unanchored would pose a significant problem for monetary policy makers, and the FOMC will be closely monitoring inflation and inflation expectations in coming months.
 PCEと出てくるのは、「personal consumption expenditures」です。民間最終消費支出デフレータと言われているもの。一読して分かるのは、えらく楽観的ということである。食料やエネルギー価格の上昇も落ち着く、と言っている。長期インフレ期待も2%前後で低い、と。

 バーナンキの議会証言を先週は取り上げましたが、あそこではインフレ見通しにはあまり触れていなかった。このミシュキンの見方などがFRBの内部の見方だとすると、FOMCは18日の次回会合では、またしても大幅な利下げをするのでしょう。ただし本当にインフレが彼の予想通りに「abate」してくれるのかどうかに関しては、私には確信が持てない。景気の悪化がインフレ圧力を減退しはするのでしょうが。

 日本のマスコミ報道でも取り上げられたバーナンキの講演も面白い。銀行の住宅ローン債権の一部放棄を求めたものです。


2008年03月05日(水曜日)

 (14:00)「本当に温かくなった」と書いたのは昨日でしたが、今日の大阪駅では「えらいことになった」と。というのも、ちょっと薄手の衣類にした直後なのに大阪は寒くて、私が大阪駅から出発した時にはえらい勢いで雪が風に舞いだした。

 どうなることかと見渡したら、進行方向の右側の空は晴れていて、京都の手前ではもう雪もやんで空全体が晴れた。秋ばかりでなく、春の天気も不安定です。3月は寒かったり、温かかったりが繰り返すんでしょうね。三寒四温。

 ところで、ついに発売再開後の初めての「赤福」をゲット。伊勢では発売再開になっていたのは知っていたのですが、いくら好きでも伊勢まで買いには行けない。でずっと大阪駅で買えるようになるのは何時かな、と待っていたのです。

 水曜日に改札の外の店で「まだですか」と聞いたら、「中の店ではもう売っているようです」と。改札から中に入ったら売っていました。ハハハ、迷いなく買いました。ちらっと見たところ、事件の前とあまり変わっていない。

 聞くと3月3日から名古屋や大阪の駅での販売を開始したとのことです。つまり今週。ただし以前のように何時行っても売っているという状況ではなく、午前8時、午後1時に入荷して、それぞれ数時間で売り切れる、ということらしい。

 まあそれがいいんじゃないでしょうか。以前は作りすぎて、売りすぎていた。大阪駅の中でも改札を通過した後の二つの店でしか売っていない。以前は中でも外でもえらい勢いで売っていましたが。

 以前のニュースだと、大阪や名古屋の工場は止めているそうで、ということは伊勢から運ぶ ? ということは、当面はあまり出回らないような展開を考えているようです。ということは、赤福は貴重品になる。

 箱の上には一枚の挨拶状が入っていて、「この度は皆様に多大なご迷惑と、ご心配をおかけいたしましたことを、心より.....」「私どもは屋号の由来、赤心慶福の初心に帰ります.....」などと書いてある。そうですか、「赤福」とは「赤心慶福」から来ていたのですか。知らなかった。「赤心」とは「うそいつわりのない心」と辞書にある。

 以前テレビでも言ったのですが、以前は伊勢に行くと赤福の評判はあまり良くなかった。地域の経済を牛耳っているというような評価だった。地域の評判も良くなるような形で赤福の再建が進んで欲しい、と。


2008年03月04日(火曜日)

 (14:00)本当に温かくなったな...と感じる日中です。今は新幹線の中ですが、ジャケットをとってワイシャツ一枚にならないと暑い。

 ところで、本と映画を紹介します。本は株主を重視しない経営です。筆者は江川雅子さんで、旧くからの勉強会の仲間でもあり、彼女がこの本を出版するに当たって相談されたので、多少アドバイスした経緯もある。「本を出すと誰よりも親が喜びますよ」とか。(^o^)ハハハ

 この本は博士論文を書き直したもの。だからちょっととっつきは悪い。しかし、問題意識は日本のビジネスマン全体が持つべきもので、「なぜ日本の経営陣は株主を重視してこなかったのか」という問題に関して、贔屓目ではなくて鮮やかに描ききっている。

 言えるのは、彼女自身が非常にインターナショナルな人間で、こういう問題意識を持ちやすかったのだろうと言うことです。留学経験もあり、外資系の金融機関に勤めた経験もある。その知恵や経験がこの本にはうまく生きている。

 書き出しの比較がなかなか面白い。コーポレート・ガバナンスの面から言えば優等生のGMが、なぜ実際の経営では日本的な経営のトヨタに圧倒的な経営実績の差を付けられているのか。そうですね、経営は理屈じゃないってことが分かる。しかし一方で、日本企業にもガバナンスの質を問われるような問題が一杯生じている。

 この本は一貫して「なぜ」に迫ります。その中で、日本の経営とは、どうしてそうなったのかなどが見えてくる。頭をまとめる上で非常に役立つ本です。是非関心のある方は一読して欲しいと思います。

 次は映画です。ヒトラーの贋札は予告編を見て、「次はこれだ」と決めていたもの。日比谷のシャンテで見ましたが、主人公が置かれた厳しい時代をどう生きたかが愛情をもって描かれている。

 あの時代を生きると言うことは、確かに欧州の、特にユダヤ人にとっては厳しい時期だったと思う。自分が置かれたらどうしたか、と。多くの人が「生きる」ことを選んだことは正解です。

 ちょっと思ったのは、予告が中味を告げすぎていたのではないか、という点。どこかで既視感が残ったのは、多分予告で大部分が分かってしまっていたからだと思う。

 次はアメリカン・ギャングスターです。私がニューヨークに赴任する前の、1970年代の前半にかけてのニューヨークが舞台。ベトナム戦争がまだ進捗していて、時代背景の中でニューヨークのすさんだ当時の状況が、ハーレムで活躍したギャングを中心に描かれる。

 確か実話に基づいた話だったと思う。麻薬を扱うギャングと、それを取り締まる警察官が実が裏で繋がっていて、事件をきっかけにニューヨーク市警の麻薬捜査に当たっている捜査官の4分の3が逮捕される、という話。

 主人公のニュージャージーの警察官がまたかっこいいんですよ。奥さんとは離婚問題を抱えて、それを絡めながら物語が進む。単なるヒーローではなくて、悩みといい加減さを抱え持った主人公は好きだな。

 今ニューヨークに行くと非常に綺麗です。しかし、1970年代のニューヨークは、今よりずっとすさんでいたし、街も汚かったし、ゴミがそこら中に落ちていた。ちょっと悪そうなやつが、肩で風を切っていた時代です。

 配役もはまっていて、なかなかスリリングだし面白かった。


2008年03月04日(火曜日)

 (08:00)日経を見たら一面トップに「プラズマパネル パイオニアが生産撤退」と。うーん、複雑な気持ち。というのは、我が家の薄型テレビはソニーの店で買った製品なんですが、確かプラズマパネルはパイオニアが作っていた。そのソニーが液晶陣営ということを見ても、日本の家電業界の混線状態が分かる。

 パイオニアがプラズマの生産を打ち切ったと言うことは、我が家の薄型テレビは完全に「ハッチ」の状態になったということだ。まあ販売店はそこにあるので、面倒は見てもらえるかも知れませんが。VTRの「ベータ」は見捨てられたが、親はまだいた。今回は違う。

 液晶に鞍替えしたソニーはサムスンとの関係を残しながらも(今朝ここでも追加投資を発表)、シャープの液晶工場に資本投下を発表している。パイオニアのプラズマ生産中止で、国内のプラズマ生産企業は松下と日立に集約されたのだという。国際的にも韓国のサムスンSDIとLGなど4社のみだという。

 選択と集中が続いている。ケイタイ市場では、三菱電機(ケイタイではDマーク)製は周りに持っている人が結構いる。しかし撤退を決めたという。修理は継続するそうだが、ある製品を買っても、あっという間に親がいなくなってしまう状況が発生するという環境は、今後も続くんでしょうな。

 しかしどうなんでしょうかね。技術というのはいろいろな分野、セクションでの試行錯誤がある時点でに発想、思いつきの中で昇華したり、意外に組み合わされて予想外の製品を作り出す、という面があるのではないでしょうか。素人ながらそう思う。いろいろな知恵が重なりあり、複雑系でからみながら初めて面白い製品が出てくるとしたら、専業メーカーが増えるのはそういうチャンスが減るのだとも考えられる。

 企業としては、利益の付いてこないものは切ると言うことが正しい判断なんでしょうが。まあ日本の企業の中には、上司に隠れて技術を温めた人がいて、それが長い時間の経過の中で面白い製品に発展した例がいっぱいある。NHKやテレビ東京の番組を見ているとそういうものが多い。企業として製品作りからは撤退しても、基本技術の研究は止めて欲しくないとおも思う。

 これとの関連では、今朝の日経経済教室は「新世代DVD規格競争の背景 なだれ現象が行動を左右」というタイムリーな記事がある。なぜブルーレイに次世代DVDの規格がデファクトに決まったのかという問題を扱って、「それは一種のなだれ」だったと結論つけている。この分析にもあるが、なだれは選挙など政治行動にも頻繁に見られる。

 いわゆる「死に票回避行動」である。今の選挙で誰かに投票したからと言って何か具体的な利益があると言うことは少ないので。しかしこの分析には書いてないが、人間とは面白いもので、「希少なものを尊ぶ」という性向もある。例えばもう生産されなくなると分かった段階で、「HDーDVD」はヤフーなどのオークション市場で値段が上がったのだという。希少だからだ。

 「なだれは打ってみるが、皆と同じでは嫌だ」というこの複雑さ。この複雑さが人間社会の面白さなのですが、考えてみれば学校の選択から何から多くの場合にこの「なだれ」は生じている。商品の選択などにも言える。それはチャンスでもあり、リスクなのです。なぜなら、なだれだからいつか消えたり引いて、次には別のなだれが襲ってくる。

 あと新聞記事で面白かったのは、東京新聞の「男の沽券、衰退 ?」でしょうか。「沽券」と言うほどのことでもないと思うのですが、特に家のトイレで男性が立ってするのか、腰掛けてするのかの問題だとされる。問題と言っても私はずっと従来型ですが、「飛び散っている」というのはよく知っている。東京新聞には局面によっての粒の数まで数えてあった。

 この記事では、家族から「掃除を自分でするならいいけど、そうでなかったら座って」と言われて、そうしている人が半分に接近しているのだそうだ。これは驚きだが、家での「座り派」が増えているというのは聞く話しだ。

 考えてみると、「飛び散り」は自分のズボンにも飛んでいるわけだから、衣類を大事にしたい人は「飛び散り」があってはならないときほど座ってやった方がよく、それはちゃんとしたものを着ている外出時の方が妥当だ、ということになる。

 うーん、世界的にも男は外では立っていますね。であるが故に、男のお便所には座りは立ちに比べて10分の1から5分の1くらいしかない。世界的にそうです。男の大の方は、使用頻度は極めて低かったのです。しかしデパートなどでは最近は使用頻度が高まっている気もする。ウォシュレット導入普及のせい ?

 「飛び散り」を嫌がる風潮が世界的に高まれば、この比率は変わってくるのかも知れず、究極は男女のおトイレはユニセックスになるということか。


2008年03月02日(日曜日)

 (22:56)少し温かくなってきたと思ったら、目が痒いですね。花粉が始まったようで。

 ところで、インターネット・エクスプローラーのアップデートなど全く興味がなかったのですが、windows update に入っていたので完了してみたら、確かに一つだけ目に見えて便利になっている事がある。IE7.0のことです。

 それは印刷フォーマットです。以前はブラウザの情報を全部印刷しようとすると、入りきれないで文章の右側が良く切れたのです。だから、しょうがなくしばしば印刷したい部分をリバースして、印刷コマンドの画面から「選択した部分」にして印刷していた。

 しかしそれでも入りきれない場合があって、その時は仕方なく「選択した部分」をコピーしてワードか秀丸に落として、それを印刷していた。しかし、今やってみて分かったのはIE7.0では、活字は小さくなるがブラウザのページ全体がA4なりの紙の大きさにうまく調整されて、大部分の場合は紙の範囲の中で収まるようになった。

 これは前進です。自分のコンピューターとプリンターの組み合わせだと、だいたい「いけるか」「いけないか」は勘でわかって、「選択した部分」を作るかどうか決められた。しかし例えば放送局などで急ぎの印刷をするときなど、よく右が切れて紙がもったいなかったのです。

 しかしこれからはちょっと活字が小さくなるが、全部が入っての印刷となる。これはなかなか良い改良点です。まあプリントはなるべくしないようにしているのですが、どうしても必要な場合にはする。その時でも紙をなるべく使わないようにしているのですが。

 まずは前進ですが、あと一つ望みたいのは2テイク以上の記事を一回の印刷コマンドでうまく印刷できたらいいな、なんて。ちょっと無理ですかね。


2008年03月01日(土曜日)

 (22:56)多分初めてだったと思ったのですが、土曜日は日経CNBCの夜9時30分からの番組に出たのです。ちょうど、円が104円を切りそうで切らない微妙な動きをずっと続けていて、番組中もずっと見ていたのですが、結局切らず。まあでも最大の関心事なので、円相場中心の喋りをしました。

 番組が終わった後、ニューヨーク市場で一段と円高が進んで103円台の後半になって週を終えた。ニューヨークの株もちょっと大幅に下げて、一時収まりかけていた市場の不安定な状況が再台頭しつつあり、まあ来週の世界の市場はまたまたドッタンバッタンとなりそう。最近はバーナンキがしゃべると市場が不安定になる。

 世界の市場が再び不安定になってきた事は月曜日向けにまた書きたいと思うのですが、その番組(「夜エクスプレス」)にはその日出演した人が5分くらいしゃべれるコーナーがあるのです。実は円が動かなければ、このエコノミストの記事を取り上げても面白いと思っていたのです。

 エコノミストは時々日本に関して非常に鋭い、しかし捨象的な事を言う。捨象しますから必ずしも全体像をバランス良くは捉えていないが、結構キャッチフレーズになることを言うのです。今回の記事にタイトルは、「Why Japan keeps failing ?」

 この記事には「余計なことを言わなくて良い.....」と蹴飛ばせない問題意識がある。日本人の私でも「この国はどうにかならなか」と思っている面があるのですから、素直に耳を傾ける価値はあると思う。

 読んでいって面白かったのは、「誰が悪いか」という最後の方の分析

  1. 第一に責められるべきは安倍元首相。pet nationalist themes を追って他の事に積極的でなく、結局日本が小泉時代の活力ある姿から地方のシャッター通りの街、低調な成長率、年金不安、官僚制度への不信などを招いた

  2. 第二に責められるべきは自民党。安倍退陣の折りにはパニックになって福田現首相を担ぎ、それまで官邸にあった権力を自民党の領袖に戻して、結果的に世代間クーデター(逆クーデター)を引き起こしてしまった

  3. 第三に責められるべきは、小沢民主党代表で「thin-skinned and autocratic」であるとして、まるで今の彼は古い自民党のボスのようだと酷評
 まあでも日本の政治のていたらくは、政治家だけの問題ではないという指摘もエコノミストはちゃんと最後にしている。政党も、システムも、そして国民も。その通りですな。
Most of all, perhaps, blame two parties bursting with internal contradictions, a constitution that never envisaged opposing parties controlling the Diet's two chambers, and a culture that treats politics as a personal, sometimes family, business, not a means of offering voters choices about how their country should be run. An election would not solve these problems, but it might at least encourage parties to tell voters what they stand for.

Lastly, the voters must take some of the blame. Ten years ago, when The Economist lamented Japan's amazing ability to disappoint, one shrewd parliamentarian wrote in to challenge that. The headline, he said, should have read: “The Japanese people's amazing inability to be disappointed”. A general election would at least give them the chance to start holding their politicians to a higher standard.

 最後の指摘の通りで、次の総選挙の持つ意味合いは深い。それにしても、次期日銀総裁の選出問題までこの週末で政局になってしまった。小沢さんは日銀総裁の後継問題も引っ張り出すことで党内の意思統一を図ったとも言える。ますます世界の目は日本の政治に不信感を募らせるでしょう。がっかりですな。


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