日本語版  ハングル版


 「スピードの経済」のハングル版が98年の3月に韓国で出版されました。左が日本語版の「スピードの経済」、右がハングル版の「スピードの経済」。自分が書いた本が自国語でない言葉に翻訳されると言うのは、正直言って嬉しい(^_^)(^_^)。出版する方は、価値ありと判断したんでしょう。

 しかし、奇妙な気分でもあります。自分で書いたのに、読めない。表紙を見ても分かるのは「世界経済」の部分と、「Economy of Speed: The Big Bang of World Economy」の英語の部分だけ。中を見ても、分かるのは自分の名前と図表の出所、英語表記の部分などごく少ない。言葉が出来ないと言うのは、悲しいですね。読めたら、どのくらい楽しいかと思う。

 日本の「スピードの経済」は縦書きですが、ハングル版は「横書き」です。本のサイズがハングル版の方が日本版より一回り大きい。その分だけ、ページ数が少なくなっていて、日本語版が.......と思いきや、開けてびっくり。日本語版の254ページに対して、ハングル版が266ページ。これはおそらく、ページ当たりに詰め込んだ字数の違いでしょう。ハングル版の方が、老人(失礼)にも読めるように字を大きくした(^_^)(^_^)。うーん、今から考えると日本語版の字もほんの少しですが大きくすれば良かった。今の技術では、フォント・サイズをほんのちょっと大きくする....といったことは可能なような気もしますから(素人考えです)。

 日本でスピードの経済が売り出されたのは、記憶では7月の終わりです。半年ちょいでハングルになった。これを素早いと考えるのかどうか。「英語にせい」というメールも何通かもらいましたが、まだ実現していない。本当は自分でさっさと英語に出来れば良いのですが、それだけの力は自分にはないような気もする。これからの課題です。


「スピードの経済」への各種反響

本を取り上げたマスコミ 》(直接、間接を含めて)

 97年8月18日発売の日経ビジネス「スピード経営待った」(戦略なければただの拙速)=書評

 97年8月19日の日経夕刊「十字路」に日本長期信用銀行の木内調査部長が「時は金なり ?」の話しを

 97年8月号FORESIGHTの「今月の2冊」で「ネットワーク時代の経済に求められる姿勢とは」=書評

 97年8月25日中日新聞「ニューエコノミーの正体」(木村太郎の国際通信)

 97年8月31日日本経済新聞書評「スピードの経済」=書評

 97年10月4日号の東洋経済書評「景気循環は消滅したというが」=書評

 97年10月15日の日本経済研究センター会報書評『一気に進展する「世界経済のビッグ・バン」』

 97年12月中旬発売の「winter」号の「アステイオン」(TBS ブリタニカ)で竹中平蔵氏が「時代を貫く座標軸を提示」


「スピードの経済」

    世界経済のビッグバン

 

    (日本経済新聞社刊)

      発売日は7月25日

      1600円+消費税

 

RealAudio 形式による声のご挨拶。全部で一分の挨拶です。RAファイルですから、比較的簡単にダウンロードできます。 

前書きーー世界経済のビッグバン

第一章 「スピードの経済」(economy of speed

ドッグ・イヤー( dog year

八つの理由――「スピードの経済」

「スピードの経済」の形

適地生産・適地処理

インフレの死(death of inflation

 為替とインフレ

 NAIRU

変化を追えない統計

後追いのシステム

第二章 地球を覆う市場経済

 「壁崩し」の時代

 <冷戦の集結>

 <豊かさへの渇望>

 <途上国への資金・技術移転>

<一つの情報箱に>

<規制緩和の進展>

<交通手段の普及・廉価化>

「供給ショック」

 「平準化」と「超平準化」

 将来の懸念

第三章 デジタル=「融合」の技術

 情報のシルクロード

What is digital information ?

「速い、簡単、気持ちよい」

 デジタル・ネットワーク革命

ネットワークをリードするINET

ビジネスでの威力

ベクトルは一つ

第四章 “フラット化”の始まり

 変わる社会の形

  「無リーグ化」(leveling of playing field

  「主体的参加の時代」(poly-agent society

  「経路拡大の経済」(economy of multi-options

物価抑制の技術

金利上昇を抑制

 力増す「標準」

氷解する難題

道を駆けるデジタル

第五章 金融変させるイノベーション

原動力は技術革新

「ネットワーク革命」下の金融

<業際の希薄化>

 <他業種との競争・提携>

 <アンバンドリングと証券化>

<瞬時化・グローバル化>

<事務コストの削減>

広がるde facto standard

変わる金融の世界

第六章 アングロ・サクソンの復権

変わる位置取り

「世界共通」「過去より現在」

 「唯一の経済超大国」

 先行の理由

<労働市場の柔軟性>

<トップダウンの意志決定>

<移民国家文化>

<発達した金融市場>

<標準化する英語>

<個性重視>

 苦悩する欧大陸

 素早い対応の途上国

第七章 揺さぶられる日本的慣行

 作られた悲観論

What is good with Japan ?

What is wrong with Japan ?

 「適応」か「拒否」か

 余儀なくされる「適応」

「国」への固執は時代遅れ

見直される独禁法

第八章 「スピード」への挑戦

winner-takes-all economy(勝者一人勝ちの経済)

ネットワーク社会の光と陰

教育=最重要の課題

日本が直面する課題

<縦割り打破=横断的に>

<内向きから外向きに>

<人事・給与制度の見直し>

<低インフレ時代への備え>

<英語力の充実>

<コンピューター教育>

<活力第一主義>

マーケットとの対峙

ea change の時代――終章