ラジコンの燃料は、メチルアルコールを主剤とした燃料を使用します。
これは”グロー燃料”と呼ばれています。
どの燃料も、メチルアルコール、潤滑油、ニトロメタン、などが配合されています。
各社からいろいろな種類の燃料が発売されていますが、飛行機用としては、
ニトロ10%〜30%ぐらいのものがよく使われています。
一般的に、ニトロ成分が増えると、燃焼力がつよくなり、同じエンジンでも
ニトロ成分が多いほうがパワーが出ます。
ならば、なぜニトロ分の多い燃料を使う人ばかりにならないのでしょうか?
飛行機はエンジンのパワーがあるほうが、いろいろと都合がよいのに、
なぜでしょう?
やはり高ニトロ燃料にも利点と欠点があるからです。
利点は、なんといってもパワーが出やすいこと。
ニトロメタンは、それ自体燃焼し、また、
燃料であるメチルアルコールの燃焼促進剤の役割をしますので、
ニトロメタン無しの燃料よりも、パワーがでるのです。
燃焼を助けるわけですから、空燃比を少々濃くして燃え残る燃料をわざと
多めに設定してもプラグが冷えにくく、
生ガスが増えた分だけそれの気化熱でエンジン本体の冷却を助けるといった
使い方ができるのです。
このあたりは、もう一度エンジン調整の項目で
説明します。
欠点は、ニトロは高価であるということ。
そして、元々が硝酸をつかったものであるので、強酸性の物質であり、
水分と結びつくと、鉄はあっという間に錆びます。
鉄だけではなく、ニトロは塗装などに対する腐食性も強いのです。
つまり、高ニトロであればあるほど、使用後の手入れや燃料の保管を
しっかりしなくてはならないのです。
初心者のうちは、それほどハイパワーを必要としないので、
ニトロ15%前後のもので充分です。
世界選手権クラスの有名フライヤーのなかにも、
15%ニトロや、ストレート(ニトロ無し)燃料のユーザーは、
ちらほらいるようです。
主剤のメチルアルコールは、非常に水分を含みやすく、その水分と
ニトロ分が鉄に悪さをします。
ですから、燃料は、なるべく空気に触れさせないように保管しましょう。
高温多湿はもってのほかです。ついでに火気厳禁ですよ。
アルコールの炎は、透明で見にくいので、危険なんです。
また、メチルアルコールは有毒ですから、蒸気をすったり、
飲み込んだりしないように。
参考までに、ワタシは、NASAのN−25とgain−20Aを
エンジンによって使い分けています。
どちらも、比較的錆びにくい燃料で、飛行後のメンテが楽です。
なお、繰り返しますが、燃料の保管にはくれぐれもご注意ください。
お子さまや、ペットなどの手が絶対に届かないところに保管しましょう。
危険ですよ!!!
また、飛行場では、燃料は日陰におきましょう。炎天下にさらすなどの不注意は
ラジコンフライヤーとしてはもってのほかです。
ほんのちょっとの気遣いが、”エンジンの好不調”そして
”安全”に関係してくるのですから。