エピソード その2
1996年の9月であった。
探しに探したイングリッシュ・コッカー・スパニエルの子犬が
1頭だけ残っているという情報を入手。
急いで見に行ったときのことである。
そこは品川のとある小さなペットショップだった。
国道1号線沿いのその店の付近には駐車場がないのである。
仕方なく、店の真正面に車を停めて店に入った。
はじめて会ったイングリッシュの子犬はとても可愛い。
もう、見た瞬間にこの子犬だと直感したのであった。
程なく別のお客さんが入ってきて
(そのお客さんは見てから犬種を決めようとしているようであった)
ワタシがさわっていた(現:ライム)犬を見て
「わぁ、これはなんていう種類ですか? かわいい〜〜」
ワタシは
”いかん、やっと見つけたイングリッシュ・コッカー、
しかもこの子はうちに来ることに決めたんだ。とられてたまるか!!”
反射的に
「あ、この子に決めます。いくらですか?」
と口からでたのである。
その日は見るだけのつもりだったのだが、結局持ち合わせの3万円を
内金として、即、支払ったのだった。
その後、細かい話をして、店にきてから40分ほどで家路につこうとした。
そう、まさにそのときハプニングは起きたのである!!
ワタシの車の前には白バイ警官! 車のドアミラーにはすでに駐禁違反の黄色い
プラスティックがつけられているではないか!!
警官と私の会話
「これ、あんたの車だね。」
「はい。」
「たった今、駐禁の札をつけたところだったよ。
何時からここに停めてたんだね?」
「2時10分です」
(この日は、店に2時にいく約束をしていて、ついたときに
時計を見たら ”ああ、10分遅れたな” と思ったので
時間を正確に覚えていたのであった。)
「そうかね。で、今は何時?」
「2時50分です。」
「そうだね。 私が最初にここを見たときは2時15分、で、2度目にきたのが
2時45分。 どうして、もうちょっと早く見ておかなかったのかね?」
ペットショップを指さして
「ここへ、やっと見つけた子犬を見に来てたんですが、あまりのうれしさに
時間を忘れて話し込んじゃったんですよ。でも、しょうがないですね。
駐車したワタシが悪いんですから。」
「ふ〜ん。犬をねぇ・・・ 好きなんだねぇ。」
「そりゃもう。」
「ところで、駐車違反の反則金はいくらか知ってる?」
「は???」
「いや、いくらか知っている?」
「いいえ、2万円ぐらいですか? 」
「2万5千円。(と言ったと思うが定かではない)
ちょっとの時間差で惜しかったね。違反歴もないようだし、
(この時点で10年以上違反歴はなかったのだ。
しかし、前回の免許証書き換えの時は、優良ドライバーの制度がちょうど
施行される直前だった。)
カードをつける前だったら注意だけで済ませてあげられたけど、
もうつけちゃったから取り消すわけにはいかないんだよねぇ。
でも、動物好きには悪い人はいないというし、時間も正確にわかっていて
ちゃんと認めてるから、反則金を1万5千円にしてあげよう。」
「??????」(おいおい、ほんとか?そんなことしちゃっていいの??)
反則切符にサインをすると、そこには紛れもなく
反則金1万5千円
とかかれていた。
「いいものをあげる。ほらアムロだよ。なんちゃって、大事なのは裏面。
カレンダーになっているけど、色の違う曜日があるでしょ?
その日は、ここらあたりは取り締まり厳しくしている日だからね。
じゃ、気をつけて。」
颯爽と白バイは去ってゆく。
あっけにとられているワタシの右手には、1万5千円の反則切符と
アムロのカレンダーが、左手には犬の内金の領収証が
しっかと握られていたのであった。
後で考えてみるに、本当は反則金は、はなっから1万5千円だったのかもしれい。だとするとあの警官は、
”駐車違反であげられたワタシの気持ちをチョットだけ軽くしてあげよう”
としたのかなぁ。
本当は反則金がいくらするのかは、調べるのやめておこう。
(だから、未だに本当はいくらなのか知らないのである。)
反則金の1万5千円を足しても、当初予定していた犬にかかる初期費用より安いので、犬が決まったことでよしとしよう。