偏流をとれ
飛行機が好きな御仁なら、この言葉の意味が分かる方もいると思う。
無風のときに飛行機がまっすぐ飛ぶように調節されているとする。
まっすぐである。本来飛行機は目的の位置まで、
できるだけまっすぐ飛びたいのである。
それが最短距離であり、燃料の節約になるから。
ところが、いつも無風ということはあり得ない。
ときには、向かい風、押し戻される。
あるいは、追い風、スピードが上がる。
さて、横風では?
飛行機は風が吹いている方向に、流されるのである。
これはラジコンのようにとても小型でも、
ジャンボジェットのように、超大型でも、流される。
たとえば、進行方向にたいして、右から左へかぜが吹き付けているとしよう。
すると、飛行機はただ単にまっすぐに飛ぼうとすると、
左へ左へと流されていく。
では、一直線に目的地に着くためにはどうするか。
大ざっぱに2つの方法がある。
一つは、風が吹いている方向に主翼を傾ける。
こうすれば、右へ右へと緩く旋回しながら飛び、
吹いてくる風とうまくバランスすれば、
針路はまっすぐになる。
ただし、機体は、右へすこしばかり傾いた状態でずっと飛ぶことになる。
操縦としては、こちらの方が楽かも知れない。
もう一つは、左へ横滑りしながら飛ぶ方法である。
これは、ちょっと理解するのが難しい。
主翼は傾けず、飛行機を上から見て、
横風の分だけ機首を右に振った状態で飛ぶのである。
右に振った状態であるから、機体側から見ると、左へ左へと
滑っているのだが、機首が右を向いているためエンジンの推力線も
右を向き、飛行機を右へと引っ張ろうとする。
しかし、風は右から左へと吹いているので、
機体は、左へ滑りながら、まっすぐに飛んでいくというわけである。
さあ、ライムに対する戯れ言のコーナーのはずなのに、
ナゼ飛行機のややこしい話??
と思った方、ここまで読んでくれて有り難う。
例によって前書きが異常に長い(それでも今回はむんのすっげえかいつまんでるぞ)
ワタシの文章は、ここからが、本題なのっっさ。
ライムさんはとても川遊びがすきでやる。
今日も川へ洗濯に、じゃなくて、泳ぎに行ってきたのです。
で、毎度のことながら、ボールもってこぉい遊び。
川だから、ボールはどんどん流されてしまうので、
やや上流に向かって投げる。
だいたい角度にして45〜60度ぐらいだろうか。
ぷかぷか流れてくるボールに一直線に泳いでいく。
問題は、ここである。
流れがあるからして、ライムさんは当然川下へ流されながら
泳いでいくことになる。
ところが、ライムさんは、なんと、川上に向かって
偏流を取った状態で、ライムにしてみれば、左へ横滑り(右手が川上)
ワタシから見れば、右へ頭を振った状態で、まっすぐに(流されないように)
泳いでいくのである!!!!
すっげぇ!偏流とっているぜぇい。
ラジコンではかなりの高等テクだぁぁぁ!
何度やっても、ちゃんと流れにたいして偏流をとる。
うむぅ、たいしたもんだぁ。
しばらく同じ遊びをしているうちに、ふと、きがついた。
ん? よく見てみると、ライムはボールから一時も目を離さないなぁ。
あれ? ってことは、意図的に偏流とってるんじゃなくて、
川上から流れてくるボールを見続けているから、
結果的に偏流を取ってるようにみえるだけかぁ。
なぁんだ。やっぱしワンコのやることだなぁ。
それだけのことかぁ。
ちょっぴりがっかりしつつも、まあ、そんなものさね、と
再び遊びを続けていた。
ん? まてよ。
ライムはまっすぐに泳いで行くぞ?
単にボールを追いかけて行くだけなら、
ボールは流されているわけだから、ライムの泳ぐ軌跡だって、
まっすぐにならないはずだぞ?
んんんん?????
ライムは、まっすぐに泳いでいく。
おおおおお、
すっげえ、とてもすっっげえ!!!
なんということか!
ライムは、ボールが流れていく未来位置を予測し、
そこへ向かって、
最初に自分がいた位置から最短距離で往復できる
ように泳いでいるとしか思えないのであるぅ!!!
すげえすげえと、2時間以上も川であそびまくってしまった。
川で遊ぶとたいていは他にも人がいて、
何人かは
「あ、犬が泳いでる。かわいいい。」
とか
「すごぉい、いぬかきしているぅ。」
とか、注目してくれる人がいるのだが、
たまたま、今日行った場所は、ほとんど人がいないところで、
心おきなく遊べたんだけど、
ギャラリーがぜんぜんいないってのも、張り合いがないもんだぁぁぁぁ。
ち!