いきなり注: 赤文字は、話をわかりやすくするための解説文である。
邦彦は、静岡県東部のアジトに向かった。
よこやんは、実家にいったのよ。
内閣調査室特殊作戦班の依頼で、VIP監視任務である。
妹が京都へいくから、レオのおもりだよ。
身の回りの物を詰めた大型バッグを、
ブルーバード1800sssアテーサリミテッドの後席におく。
助手席には、異常に嗅覚の優れた相棒である美女を乗せて。
ライムにきまってんじゃん。
環状8号線を右に折れて東名にのる。
東名は空いていたのだが、なんとなく胸騒ぎを感じた邦彦は、アクセルに
あまり力を込めず、ゆったりとクルージングを楽しんでいた。
厚木をすぎたあたりで、やはりその野獣のカンは的中する。
これはほんと。ホントになにかありそうで、いつもよりゆっくり走ってた。
路側帯にパトカーに止められた車両を発見したのである。
スピード違反でつかまってたみたいだよん。
「やはりな。だが、まだこれだけでは終わらないだろう。」
ホントにそう思った。
しばらく走ると、走行車線の極端に遅い速度の車にひっかかった。
あまりの遅さに、邦彦は追い越す。
アクセルを踏み込み、走行車線にでて、追い越したとき、
バックミラーに、またもやパトカーが映る。
距離はかなり遠い。
薄笑いを浮かべた邦彦は、アクセルをゆるめ、走行車線にもどる。
パトカーは、何事もなく追い越していった。
これもほんと。
「だが、まだ、なにかあるな?」
秦野をすぎると、東名下り車線は2つに分かれる。
邦彦は、右側のコーナーが多い方を選択する。
よこやんは、曲がりくねった道がすき。
いつもなら、ここで、愛車の性能を堪能するところだが、野獣のカンが、
まだ、警告を発していた。
まだまだ時間の余裕がたっぷりあるので、完全にクルージングの体制である。
分岐から数キロほど下ったところで、やはりまたパトカーが乗用車をとめている
ところにでっくわした。
「これで全部だ。」
これもほんとだよん。こういうカンは、ナゼかワタシ良く当たるデス。
もう、胸騒ぎはしない。邦彦は氷のような笑みを浮かべると、
おかげで、過去にスピード違反で捕まったことは一度もないですな。
初めてアクセルを本格的に踏んだ。
そう、ブルーバードは牙をむいたのだ。
獣の咆哮をあげ、車は生命を取り戻す。
高速道路にしてはきついコーナーが続くその一帯を、しなやかに駆け抜ける。
御殿場の手前で再び車線が合流すると、邦彦はアクセルをゆるめる。
ここからはもう、アジトまで、目と鼻の先である。
アジトに着くと、VIP直々の出迎えを受ける。
当然レオです。もう、大暴れだったもんね。
ねらわれているという不安があったのだろうか、邦彦は熱烈な歓迎を受けた。
単に寂しかっただけだね。きっと。
美人相棒は、いたく気に入られ、VIPは一時もはなれない。
ずっとレオはライムにちょっかいだしていたのことよ。
その後、3日間、ひたすら退屈な警護をし、何事もなくすぎた。
ほんと、今回は、な〜んにもなし。ミニオフ一つと、
退屈な任務であった。
知り合いに生ハムを送ったぐらいだ。
だが、邦彦のギャラは高額である。
退屈であろうと、任務は任務。高額ギャラを遠慮なく受け取ると、
妹が、おみやげに、笹寿司を買ってきてくれたよ。それがギャラか?
邦彦は闇の中を東京のアジトへと消えていったのであった。
まあ、寿司はとてもんまかったけど。横浜にもその会社はあるらしい??
”あり?今回、犬の話は?”
という声が聞こえてきそうである。
いいじゃんか、
たまには犬の話ほとんどなくたって。