秋の夜長― 高校時代のクラスメートと久しぶりに会った。彼は故郷・地元の大学に、私は東京の大学に進学して、再会したのは40代になってから。それ以来、時々おしゃべりをする旧友だ。
一番の収穫は、大学卒業後入社した企業での経験談を語り合ったときー あまりにも似た感覚をもっていたことを発見したことだ。1970年代の始め、まさに日本が高度成長を続けていたとき、“金の卵”と言われた中卒の社員が大量に入社してきていた。そういう年下の若い社員と仕事を通じて出会い、励まし合ったことなど鮮やかによみがえってきた。
彼は石油会社、私はタイヤメーカーとフィールドは違っても“あの頃、お互い頑張っていたんだ”と強く共感しあえた時間だった。 【写真:弘前れんが倉庫美術館にて】(2025年11月1日 記) |