そうそう、生物の授業で習ったようなことが並んでいる。
生物なのか、何なのか。ウイルスを擬人化してはいけないが、逆は物事をシンプルに把握する上で有効だ。
UG(アンダーグラウンド)兵士たちの救出作戦は、ウイルスの活動に準えて進められていく。
結局『ビッグ・バン』の救出すべきVIPって誰だったんだ?
「五分後の世界」と一緒に何年ぶりかに読み返してみたけれど、面白い。
「五分後の世界」はとにかく戦後民主主義の幼稚さ、米国追随主義を批判し、戦って勝ち取るべき主権の意義を問うていたのに比べ、
今回はウイルスの活動に準えた救出作戦そのものが純粋に読み物になっているのが良いね。
前作に比べて細かい戦闘描写シーンが少なく読み易い。
ヒュウガ・ウイルスのワクチンが完成すれば米国の禁輸が解けるなどUGを取り巻く環境も変わるのだとすると、
戦闘国家としてのアンダーグラウンドの存在意義は無くなってしまうのではないかね。
それは『向現』によって勝ち取られた主権と言うことになるんだろうか。
忍耐強く、手先が器用なアンダーグラウンド日本国が誇るものの具現化が『向現』ってこと?
恐らく似たような自立国家論は「半島を出よ」(だっけ?)でも貫かれてるんだろうね。
文庫化されたら読むつもりだけど。
国家だけでなく、個人もちゃんと自立しなさいってのが「13歳のハローワーク」に通ずるんでしょう。