上巻の帯「他殺か 事故か。」それが大きなテーマなのか?
下巻の帯「この町の秘密。」これはストンと落ちるのか?
過去の恩田作品と比較しながら読み進む。
書き出しは最高なの。思わせぶりなおどろおどろしい雰囲気絶妙。
講談社文庫の上下巻シリーズはさすがだね、と「黒と茶の幻想」に続いてくれるのを期待したけど正直ガッカリ。
時系列とキャラクターごとに視点を分ける手法は、「ユージニア」にも似ており途中まではワクワクもしたけど。
恩田ワールドのダークサイド。スピリチュアル編。
神様がかってきて「ネクロポリス」か。
目的の分からないレースに伴走させられてる感のまま上巻が終わる。
下巻の途中で、これは解決させるつもりは無いなと確信。
水無月橋殺人事件の犯人も楡田姉の死因もうやむやのまま終わるか…?
それでいて終盤の大自然のカタストロフィは「上と外」か。あれも収集つかなかったからな。
失踪にも、楡田姉の死因にも一応の説明を用意したが、とてもストンとはこない。
むしろ凶器の片付け方は姑息ですらあるな。
序盤の視点を楡田姉に据えて、読み手に訴えた意図も分からず。
ファミコンのシミュレーションゲームをプレイしてるみたいだったけどね。
市川弟はどうなるの? 投げっぱなしジャーマンか。
菊山姉妹に仕掛けられたハンカチは何だったの?
うん。残念ながらこれでは直木賞ムリだろう。