骸の爪

道尾秀介・幻冬舎文庫

真備シリーズ第二段。半オカルトのこの世界はオチもストンとこないし正直イマイチ。
道尾秀介と辻村深月は親しい様だけど、そのためか2人とも人名や同音異句のマジックでミスリードを誘う。
だから最初から伏線を気にしながら読んでいたけれど、これは見抜けなかった。
桜川ドライバーの受験生の息子がカギを握るのでは?
ムクロはモグラではなく、やはり何かを意味するのでは?
隆三はウズサマに少しずつ何らかの仕掛けをしたのでは?
この辺がすべてハズレ。
ナントカ・フォックスや竹中工務店には種明かしが待っていた。

一方で巧妙にミスリードされて、先代松月の台詞から犯人が男性だと類推すると
怪しいのは唐間木老人か、当代松月か、慈庵住職しかいないだろう。
物語序盤から登場していて、伏線を張るだけの十分な下地がある唐間木老人が真犯人だ!
と思ったのだが、彼にはラストのどんでん返しに登場。
慈庵住職は殺人教唆、死体遺棄、死体損壊、犯人秘匿の重罪犯だと思うのだが。
先代松月も犯人秘匿だろう。

谷尾刑事、竹梨刑事は異動して次の物語でも会えるかな?
摩耶と忍さんは同級生だって話だが、新婚ほやほやの小島家にはバッドニュースだったね。

(10/04/17)_


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