「終りなき夜に生れつく」読了後に、「夜の底は柔らかな幻」を再読。(初読の感想はこちら
大まかなストーリーは頭にあったけど、細部は忘れていたので新鮮に読めた。

いつもながらに恩田陸の情景描写は、頭の中に構築するのが難解なのだが
実邦、黒塚、葛城、藤代、占部、タミさん、屋島先生、マサ坊、みつき、軍、善法、天馬、神山、淳一、と
上巻だけで多士済々なキャラクターが居並ぶ。
そのキャラクター同士の相関が少しずつ明かされていき、物語が織り成される。

下巻に入り、3部に入ると、舞台をヤマへ移し6つの陣営での闘争が繰り広げられる。
1)ソクになった倖秀
2)呼び寄せられたマサ坊
3)屋島風塵
4)実邦、善法に青柳が呉越同舟
5)葛城の編成した山狩り隊
6)黒塚と軍

バタバタとキャラクターが整理されていく様は、もうまるで「特攻野郎Aチーム」。
とにかく映画のようなカタルシス。
神山博士の手記、水晶筋、ホト・ケ(p352は、全く理解できないけど)、と舞台装置は補完され
山の中に生き仏が埋まっている、という衝撃な設定が詳らかになる。
ラストシーンはご都合主義のように次から次へとキャラクターが参集し(だったら、あの箱舟は?)
最終的には倖秀からマサ坊へとソクが委ねられ、
実邦と葛城が手を取り合い、この2人もフチ伝説の一端を担うみたい。


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