この世で一番おもしろい統計学

アラン・ダブニー・ダイヤモンド社

こないだに続き統計学復習シリーズ。
この1冊は、中心極限定理にスポットを当てて、統計の目的は
1)そこそこ大きな無作為抽出された標本数と
2)標本平均と
3)標本の標準偏差 この3つがあれば母集団の平均が推定できる、という明快なテーマを掲げてくれる。
また、統計は長期的な視点に立ってこそ信頼度が増し、短期的には常に誤りの可能性も孕んでいることを念押しすることも忘れない。
統計量を使ってパラメータを確実に知るのは不可能である。

しかし、無作為抽出された標本から推定された結果とは、異なるところに母集団の平均があるのではないか?
これが仮説推定。卒論でT検定をバリバリに使った過去が懐かしい。ほとんど思い出せなかったよ。
仮説で定めた母集団平均が正しいとしたら、無作為抽出された標本から示される平均値が信頼区間の中にあるかどうかで
仮説が棄却できるかどうかを判断するのだったね。
無作為抽出で示される平均値が余りにも遠ければ、やはり仮説で示された母集団平均は無理がある。
(母集団平均がそんなところにあるなら、1回の無作為でそんなズレたサンプルを選ぶと言う可能性は相当に低いから。もちろんゼロではないけど!)

短期的には全くの偶然を否定しきれない。仮説を裏付けるだけの証拠は弱い、という場合もある。
結果に安易に飛びつかない、それが統計の真骨頂だ。

(18/07/02)


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