『20世紀に埼玉と香川のサッカークラブを世界へと導いた、お気楽オーナーが帰ってきた。 21世紀の勝負に、彼が選んだのは品川区のJ2クラブ。 マツオカ氏の品川シュトルツのオーナー就任はクラブにどのような影響をもたらすのか。 (品川区報記事より抜粋)』
品川シュトルツのオーナーとして就任後の初仕事はスポンサー探し。 先ずは敏腕ぶりを発揮して(?)スポンサー5社を獲得。 練習場の芝を整備し、環境を整えて長丁場のJ2に臨む。 現在のチームの主力はスペイン国籍の司令塔チャルロ、 ベテランFWの宇野、そして2TOPの相手を務める加東。 新戦力として獲得したCDFの見吉。 十分な戦力とは言い難い。しかし品川シュトルツの経営状況を考えれば、 これ以上は望むべくも無い。 戦いは始まった。
宿将エドワード監督の招聘も決まり、3−5−2、ポストプレイの戦術を敷く。 エドワード氏には日本代表監督の声もかかったが、丁重にお断り。 先ずはクラブの指導に専念してもらわなければ。 ところがプレシーズンマッチは惨敗。 地方ローカル局である品川メトロポリタンTV幹部からも、 放映権料についての皮肉を言われる。 まぁ、戦いは始まったばかり。リーグ戦での巻き返しを期待しようじゃないか。
ところがJ2リーグはアビスパ福岡の独壇場。 ノジュンユン、呂比須の爆発力は敵ながら天晴れ。 対する品川シュトルツは戦術理解度も低く、結果が着いて来ない。 チームには不満を抱える選手もちらほら。 しかしエドワード監督に間違いは無い。ここは腰を据えて切りぬけなければ。 先ずは練習後の疲労快復のためのサウナ室を設置。 質の良い練習が、チーム力の向上に繋がると良いのだが。
相変わらずクラブの成績は中位ではあったが、6月にはチャルロの奮闘が ベストイレブンという形で評価される。 相手チームのマークも厳しくなる中、得点に絡むシーンはやはり頼もしい限りだ。 7月には怪我明けの見吉に 代表監督から召集が。 クラブとしても戦線復帰を心待ちにしていたものの、日本代表での経験が 実力の底上げになる事を期待して送り出す事に。 結果的に見吉がピッチに立つ事はなく インターナショナルカップ予選トーナメントで日本代表は敗退。 それでも、彼のサッカーに対する姿勢が一皮向けた事は大きな財産となろう。
J2リーグ再開。8月には加東が、9月にはまたチャルロがベストイレブンに選出。 クラブの成績も中位からジワジワと上位に。 但しアビスパ福岡の勝ち点はダントツ。J1復帰にかける執念がここまでのものとは。
スタッフから一報が入った。我がクラブは3月に敗退したカップ戦の優勝は清水エスパルスに決まったそうだ。 さすが古豪クラブ。選手の補強が結果に結びつくならば、経営の許す限り新戦力の発掘が第一歩かもしれない。 早速ディフェンスラインから補強の計画を立てる事にし、高石スカウトに指示を出す事にした。
10月には加東とチャルロの2人が同時にベストイレブンに、 11月には寡黙な仕事人DMF曽我部も加えた3人がベストイレブンに選出された。 品川シュトルツは長いJ2リーグを5位という成績で終えた。 これは予想を上回る成績と言えるだろう。 優勝したアビスパ福岡との差は勝ち点で48、勝利数では17と まだまだ戦力不足は否めない。J1へ昇格したもう一つのチームはセレッソ大阪。 こちらとも勝ち点の差は20以上も開いている。 まったくJ2リーグ制覇は遣り甲斐のある仕事だ。
得点王争いは呂比須が圧巻の51ゴール。 評価点はノジュンユンが平均8.1点という白眉であった。 品川シュトルツの2TOPは宇野が24ゴールで4位、加東が20ゴールで7位、 司令塔のチャルロは評価点6.7が9位という結果に終った。
J2リーグの疲れからか、ニューイヤーカップは2回線での敗退となってしまった。 止むを得まい。ここは年越し準備に気合を入れる事にするか。 オーナー就任1年目としては、まずまずの戦績だろう。 美味い酒が飲めそうだ。