5年目 〜悪夢〜

スタジアムも拡張が済んだ桜満開の4月。 カップ戦は川崎フロンターレを相手に第1戦は0−0のドロー、 ホームの第2戦も延長戦に突入。いやな予感もしたが、見事沢田のVゴール。 久しぶりにピッチに立った見吉が10.0と見せつけてくれる。久しぶりの2回戦進出だ。

1stステージも一進一退。 千代反田が10.0の評価を何度か受け4月は初のベストイレブンに選出された。 ところがサポーターの減少は歯止めがきかず、200人近くも脱退者を出してしまった。 クラブではグッズを購入したいという声が多いとは聞いているが。 視聴率も14.93%と微妙に条件を下回る。

それならば、わずかに財布の紐を緩めて住宅投資に50百万、地元のお祭りに20百万を拠出。 これが人気に繋がると良いが。 カップ戦の2回戦はジュビロ磐田が相手。第1戦はアウェイで0−2。相手は退場後も猛攻を しかけて岩下が陥落した。ホームでの第2戦では亀のように守られて、手が出ず0−0のまま90分終了。 2回戦敗退となった。

1stステージ11節で宿敵柏レイソルとの対戦。竹村のゴールを守りきって4勝目をあげるが、 好事魔多し。赤い悪魔の10番、エメルソンになんと岩下3失点。後半はたまらず袴田を投入するものの 袴田からも1ゴール奪ったエメルソンはこの試合4得点の大暴れ。 ホームでの惨敗は、またサポーターの減少に拍車をかけそうだ。 13節のヴィッセル神戸戦では90分に沢田が追いつくのが精一杯。 14節の大分トリニータ戦も中盤はニコニコで、前半に相手は10人になりPKも得たがこれを 沢田が枠を捕らえられず。 最終節のガンバ大阪戦は0−1ですっきりしないままステージ終了。

福西がMVPを獲得した事でも分る通り、エスパルスを退けたジュビロ磐田が3敗ながら 11試合を全て90分勝ちして優勝。品川シュトルツは勝率5割にもう一歩の 4勝5敗6分けで8得点13失点。千代反田が3ヶ月連続でベストイレブンに選出されたように ディフェンスはかなり改善してきたのではなかろうか。 10位の賞金は90百万だったようだ。

オールスターには相変わらず喜沢が選出。見吉は今ステージ途中出場が多く、オールスターには選出されなかった。 代わって千代反田が初選出。ところが喜沢、千代反田のディフェンスラインが割られて1−2の 逆転負け。但し、トッププレイヤーとの激しい熱戦は貴重な経験になったことだろう。 夏場は昨年同様4−5−1のシステム練習に特化していたが、選手はどんどん調子を落としていく。 困ったものだ。そんな中、インターナショナルカップはカザフスタンが優勝したと言う。 アジアのレベルも上がったものだ。ヨーロッパのスタイルも取り入れた中央アジアサッカーは 今後もサッカーシーンをリードするのだろうか。

8月の2ndステージ開幕に先立ち、経理スタッフから緊急報告。 今月の宣伝費50百万を消化した現状でキャッシュフローが2億を切ったと言う。 これでは強化もままならない。岡津スカウトからの報告が気になるが獲得の指示が出せない。 とにかくJ1リーグで結果を残すしか無い。

フタをあければ開幕5連敗。 その内4試合は1点差負けだけに、なんとも悔しいではないか。 鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田と強豪が多かったとは言え何とかならないものか。 5敗目は昨年の覇者清水エスパルスに0−4の大敗。矢沖田が袴田からハットトリック達成。 6試合目にして初めてアビスパ福岡相手に加東が決勝ゴール。

2ndステージが1ヶ月過ぎ、ある専門誌でのレビューに寄れば 我が品川シュトルツは降格候補最右翼。 『オフェンス:3.1/ディフェンス:3.2/スタミナ:3.4/戦術:3.0/システム:3.0』という戦力分析は J2並だそうだ。スタジアム拡張後、客の入りは良いのだが、サポーターは減る一方。 正直言って、このままでは私のクビも危ないものだ。

ところがここからシュトルツの猛反撃が始まった。 9月は京都パープルサンガにこそ星を落としたものの、当時2位の浦和レッズなど4チームから 勝ち点3を得、結果的に4勝1敗1分けで順位を上げ中位に食い込む。 勢いは10月になっても留まらず、3つ勝ち星を積み上げて何と昇格以降の最高位となる6位で 2ndステージを終えた。賞金250百万には驚いた。

8勝6敗1分けと勝率も5割を超え、得失点差も辛うじて+4という成績に 正直ホッと胸をなでおろした。 優勝は清水エスパルスで12勝3敗であった。 得点王は僅差で鹿島アントラーズの鈴木隆行が23ゴール。 シュトルツからは沢田の10ゴールが15位でランクイン。 評価点は優勝チームの矢沖田が7.5でトップ。こちらも9位に6.8点で千代反田がランクイン。 千代反田は4月からベストイレブンの座を譲らぬ好成績であった。

喜びの一方、視聴率についての報告が入った。14.60%と伸び悩む。 サポーターも相変わらず227人も減少しているという。 打開策は無いものか。

11月にはプレシーズンマッチを組み、山形を実戦で教育。 すると緒戦の鹿島アントラーズ戦で、いきなり山形が初ゴール。 これには私もアーグスト監督も驚きを隠せなかった。 これはチームの柱になり得る逸材かもしれない。 その後も順調な成績でテーグFCとの遠征試合は0−0のスコアレスドロー。 マカオFCには2−0で勝利。 視聴率も15.12%と好調。ただしそれでもサポーターには見限られているのか、131人の脱退者が出た。

チャンピオンシップは清水エスパルスがジュビロ磐田を退けて年間王座を獲得したらしい。 浦和レッズをホームに招いてのニューイヤーカップ緒戦。 リーグでも分の悪い相手で、一抹の不安はあったのだが エメルソン、アリソンにゴールネットを揺らされ、沢田のゴールも時既に遅し。 今年も緒戦敗退であった。16.26%と高視聴率だっただけに勝っておきたかった試合だ。 カップ戦を制したのは2年連続で鹿島アントラーズ。

今年は新スタジアムに31万人を動員し、視聴率は辛くも15.9%をキープしたようだ。 ところが、スタジアム拡張費用がキャッシュフローを悪化させ年間収支は9億円もの赤字を出してしまった。 関東ガスの副社長がさっそくオフィスにやって来た。 契約違反という事で5億円の違約金を請求しに来たのだ。 こちらの顧問弁護士を通して話しは伺った。仕方あるまい・・・ 経理スタッフからは債務超過の連絡があった。

品川シュトルツ債務超過につき、経営陣引責辞任。
この度、品川区に本拠地を置く、J1クラブ品川シュトルツが経営破綻に陥り、 会長を含めた経営陣が引責辞任することになった。 品川シュトルツはJ1チームの中では中位クラスに属し、主力沢田選手などの活躍で 昨シーズンの2ndステージは6位の好成績を収めたばかりだった。 不景気の中で、スタジアム拡張などの強気路線 が収益向上に直結しなかった事が経営的に響いた模様。 会長その他スタッフの今後についてはノーコメントとされている。(品川区報記事より抜粋)』

こんなはずではなかったんだ・・・


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夢から醒める

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