Roma, Amalfi/ローマ、アマルフィ (2003.10.10-2003.10.15) ミラノで荷物をおろし、あいこの到着するローマへ一路向かう。この日は一日高速道路上だった。 途中、球が切れたヘッドライトをチェックするとなんとハイビームも点かなくなっていた。渋滞がないことを祈り、日が暮れるまでにローマに辿り着けるよう先を急いだ。700km近い距離を高速のみで移動するとさすがにきつい。それでもなんとか夕暮れとともにローマ入りする。 空港のホテルにチェックインしてから、空港内ですれ違いながらも無事あいこと合流。久々に日本語で話ができる。長く旅をしていると本当に「日本語に飢える」ということが起こりうる。 なんにせよ、翌日からあいこを後ろに乗せて2週間のタンデムツーリングが始まった。 ローマではごく普通に観光。あまりに普通すぎて書くことがない。 そういうことで南イタリア、カプリ島に移動する。移動にはアウトストラーダを利用したが、日本より高速車の多いイタリアの高速でのタンデム走行はいたって快適で安全だ。日本も早く高速道路の二人乗りが解禁されればいいのに、と思う。 ナポリの海岸に到着し、バイクごとカプリ島行きの船に積み込もうとするが、ほとんどの船会社が高速船でバイクを積めない。カレマール社という1社だけが車両ごと船に乗せられるのだが、日が暮れてからの便しかなかった。ナポリの海岸で二人でぼんやりして船を待った。 カプリ島に着くのが夜になってしまうので、この待ち時間を利用してクロアチアで故障したヘッドライト球を交換しておいた。 カプリ島はお約束の青の洞窟に行ってみたが、何がどう青いのかと思っていたら、全てが青かった。 事前にどういうものか何も知らなかった分だけに、ちょっと新鮮だった。 カプリ島自体は小さな島なので、バイクがあって特にいいこともなかったが、持ってきてしまった以上持って帰る。帰りはナポリには戻らず、ソレント行きの船でアマルフィ海岸へ向かう。ものの書では「世界一美しい」海岸道路だというアマルフィ海岸は、地中海を見下ろす細かいワインディングの連続だった。人気の観光地だけあって交通量がやや多いのと、タンデムだったことがあり、バイクを振り回して激走とまではいかないが、かなり楽しめる。ロードからの景観はもちろんさすがである。(横江としては、アドリアティックコーストを知ってしまったので、世界一?という感はあったが。。) 海岸の中ほどにあるアマルフィに宿をとり、ここを拠点にポンペイ遺跡や周辺をうろうろして数日を過ごした。 そしてローマを経由してフィレンツェへ向かうことになるのだが、アマルフィであまりにも衝撃的な事件があった。 「イタリア人というのは、こういう料理を作ることができるのか、、、」 ある晩、ガイドブックに載っているようなレストランが満席で入れず、裏路地を彷徨っていたときのことである。 地中海で獲れた魚を持って客引きをしている兄さんがいた。まあどうだろうね、という感じで腹が減っていたので期待せずにその店に入った。 ペスカトーレとその売りに出していた魚のグリルを注文したのだが、一口食べて驚愕した。 魚のグリルは普通に高いレベルで旨かったのだが、その前に出てきたペスカトーレだ。旨すぎる。 一口食べるごとに全身を地中海の潮が駆け抜ける。絶妙な塩加減と海の幸の旨みに全身が震えるほどだ。これがペスカトーレだというのなら、俺はペスカトーレを生まれて初めて食べたことになる。たとえ東京の一流のイタ飯屋で10万出しても、この味は得られない。 実に衝撃的だった。イタリアは二度目だし、個人的にイタリア料理は好きなので、そこそこの店から場末の店までいろいろ行くのだが、これは今までなかった。もちろんイタリアでの食事は他の国に比べれば格段に美味しい。しかしこの日出会ったペスカトーレは美味しいを越えて、「旨い」のだ。 イタリア、恐るべしである。 |
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