Helix Spinner
【2002.12】
風を受けると、4枚の羽根が回り、それをテール(リボン)がトレースします。
風の強さによって、テールの間隔はまちまち。微風では羽根は回転しないもののテールがそよぎ、見ていてなかなか飽きません。
時々、スポーツカイトの競技会でHelix Spinnerの市販品を目にしていました。 知人から作り方を紹介しているサイトを教えてもらったので、試しに作ってみることにしました。 (そのサイトは
こちら。
)
【2005.05 製作過程のご紹介】
私の製作過程をご紹介します。
上記サイトで紹介されていたサイズは「オリジナル」としています。 オリジナルは売っているロッドを切る必要があります。 もったいないのでロッドを切らずにそのまま使うため、サイズアップ(約1.48倍)しました。それが「大きいサイズ」です。
材料
ロッド(棒)(竹ひごでも大丈夫かも)
オリジナルの場合:グラスファイバー 太さ1.5mm、長さ825mm、2本
大きいサイズの場合:カーボン 太さ2.5mm、長さ1220mm、2本
使用する生地によっては組み立てた時に生地が伸びてしまう場合があります。 最初からこの長さでロッドを切るのではなく、羽根が完成した後にロッドを通してみて羽根がパンパンに張るくらいの長さにしてください。
エンドキャップ(危なくないように、ロッドの両端に取り付ける)
リップストップナイロンの生地(伸びにくい。羽根、中央、テール)
ヨリ戻し(1,2個)
紐
道具
ミシン(ミシン糸は#50の普通のもの)
ホットカッター(先が刃のようになっているコテ、はんだゴテでも大丈夫かも)
ガラスの板(生地を切るときの下敷き)
パッチワークこて(縫いやすいように折りクセを付ける。あると便利)
ホットカッターの刃先
生地の切り出し
ある程度まとまった数を作るとなると一枚一枚生地にしるし付けてヒートカットするのは手間がかかります。 そんな時はベニア板などで型を作ると便利です。生地の上に型を置き、ホットカッターでヒートカットしていきます。
左から羽根の型、ホットカッターで裁断した羽根の生地、ミシンで縫いやすいようにパッチワークこてで折りクセを付けた羽根の生地、ミシンがけした羽根の生地、中央部分の型と生地
中心部分は、多少強度を考えて端を余分に切り出し、折り返しました。(気分的なものかもしれませんが。。。)
羽根の外側(切り込みが入っているのに注目!)
羽根の外側の折り返し部分ですが、外側から3〜4cmくらいのところに切り込みを入れておくことをお勧めします。 これにより、組み立てるときにここからロッドを通すと組み立てやすいです。 また、普段使わないときは、ロッドの片方の先端を外すことで棒状にできます。
羽根だけではきれいに回ってくれません。テールが必要となります。 羽根の取り付け部分は幅広で先に行くにしたがい段々細くしています。(面倒であれば等幅でもいいかも。)
元の紹介ページでは2mですが、私は3mにしました。(ここら辺はお好みで。。。)
テールはほころび易いので必ずヒートカットすることをお勧めします。
オリジナル:長さ3m、広いほう3cm、狭いほう1cm
大きいサイズ:長さ4m、広いほう4cm、狭いほう1cm
@:長さ、A:広いほう、B:狭いほう
縫製
羽根部分はロッドを通す袋部分を縫います。
羽根の中心部分
ロッドを通す袋部分は曲線ですので、折り返し部分がそのままではダブついてくるので、何箇所か上のように織り込んでいます。
羽根の外側部分
ロッドをしならせて羽根の立体感を作りますので、羽根の外側(ロッドの終端)には結構負担がかかると思います。 そこでロッドの終端が当たる部分はちょっと余計に縫っています。
次に羽根の中心部分のロッドを通す袋部分を一部切り落とします(ヒートカット)。
羽根の中心部分
この切り落としは、4枚の羽根すべて同じにしないと羽根の張り具合がくるってスムーズに回転しなくなりますので注意してください。
次に中心部分の生地に4枚の羽根を縫い付けます。
羽根を縫い付けたところ
ここまで頑丈に縫う必要はないかもしれませんが。。。
ちなみにこちらが裏(風を受けない面)です。
次に羽根にテールを縫い付けます。
羽根にテールを縫い付けたところ
ロッドを通す切り込みを塞がないように縫っています。
組み立て
ロッドの端にエンドキャップを取り付けます。 エンドキャップが取れないようにロッドの端に少しだけ接着剤を付けています。
ロッドにエンドキャップを取り付けたところ
羽根の外側の口からロッドを差し入れ、中央部分は風を受ける面を通してもう片方の羽根に通します。
ロッドは羽根の袋部分に沿ってS字に反ります。
同様にもう1本のロッドを取り付けると羽根が風車状になります。
組み立てた羽根を横から見たところ(上面が風を受けます)
中央部分でロッドが交差しますので、2本まとめて紐を取り付けます。
紐の付け方
その紐にヨリ戻しを付けます。
さらにそのヨリ戻しの先に紐を取り付け、釣竿の先端に取り付ければ完成です。
紐とヨリ戻しを取り付けたところ(羽根はたたんでいます)
ディスプレイ
ディスプレイするときには、釣竿を使用しています。
釣り糸を通すガイドがないタイプです。 釣竿の先端のリリアンに釣り糸を結ぶタイプの万能竿です。
今使用しているものは長さ5.4mの硬調子です。
【2007.06 変わりダネ】
オリジナルは4枚羽根ですが、2枚ではどうなるか試してみました。
縫製後の中心部分、表
縫製後の中心部分、裏
オリジナルを単純に2枚羽根にするとロッドの張りの強さで羽根がぺったんこになってしまいます。 このため、中心のパネルにロッドと垂直方向へ短いバテンを取り付けることにしました。 中心のパネルにバテンを固定するためのポケットを縫い付けています。 これにより2枚羽根に角度が出来て、風を受けて回転します。
組み立て後の中心部分、表
組み立て後の中心部分、裏
かなり、つっぱった感じになっています。
紐の取り付け位置がずれないように黄色いストッパをつけました。 4枚羽根の時には、クロスする2本のロッドに括り付けるだけてよかったのですが、2枚羽根ではロッドが1本なのでずれそうな気がしてつけました。
4枚羽根と一緒に
一応回りました。しかし、ぎこちない感じで回転軸が若干ブレ気味です。 羽根に風を受ける際に、羽根の角度が変わってしまうのが原因らしいです。 4枚羽根の場合は、垂直方向の羽根にも風を受けていて安定した角度が得られているようです。
回転速度は4枚羽根より遅めです。風を受ける面が半分なので釣り竿のしなりも4枚羽根より少なめです。強風にはいいかも。
バテンの短いバージョン
バテンを短くしてみました。 これにより風を受ける羽根の面積が一層小さくなり、結果的に回転速度も遅くなりました。
オリジナルはやはり効率よくできています。
機会があれば、3枚羽根や5枚羽根、6枚羽根などにも挑戦してみたいです。
【2008.12 リニューアル】
長年(6年くらい?)使ってきた白色とカラーのツートンカラーバージョンがへたってきたので作り直すことにしました。
今回はバナーの先に取り付けられるようにサイズダウンするとともに色は単色としました。
これまでのものは長さ1220mmのカーボンロッドに合わせていました。 Webショップで長さ2000mmのロッドを見つけたのでそれを半分にした長さ1000mmのロッドに合うようにサイズダウンします。
最初、ロッドの長さを元に比率を求め、試作してみました。 ロッドを通してみると羽根がピンと張らず、張るようにするにはあと数cm長いロッドが必要となります。
6色分の羽根をヒートカットし、ロッドを通す部分をミシンがけした後にこの事実が発覚しました。。。。
ということで、さらに縮小して長さ1000mmのロッドバージョンのHelix Spinnerが出来上がりました。
羽根の反りは以前のものより大きいです。今回は前回より細いロッドを使用しており、ロッドの太さ(硬さ)が影響しているようです。
試作したものは、量産化にロッドの長さがあわないだけなので、羽根がピンと張る長さのロッドで仕上げ、イベントの景品として提供しました。
喜んでいただけたかなぁ。。。
これまで全部のHelix Spinnerは、一つの袋にまとめてしまっていました。 次に使うときは、テール(リボン)がからまってしまい、解くのに手間がかかっていました。
で、今回はちょっと工夫して、個別にしまえるようにロールアップタイプの袋にしてみました。
生地はバナーの余りです。(ちょっと悪趣味だったかなぁ。)
【2008.12 6枚羽根】
リニューアルのサイズダウンで先走って作ってしまった羽根を使って6枚羽根バージョンを作りました。
中央のパネルは正6角形です。
大きさをどの程度にするか悩みましたが、結局、1辺の長さを羽根の根元の幅にしました。 この場合、ロッドが中央パネルの対角線上通るようになります。 極力ロッドの長さを短くしたかったのですが、4枚羽根でも1000mm以上のロッドが必要な羽根に加えて、6枚羽根用の中央のパネルを使用するのでさらに長いロッドが必要になります。
もし、この6枚羽根バージョンの量産化をする場合は、またスケールダウンから始めないと。。。
やはり、羽根が2枚多いと風の受けがよく、釣り竿のしなりも違います。
袋はちょっとこだわってみました。
中央に6色レインボーで斜めのストライプを入れてみました。 回っているときのテールをイメージしています。
縫い合わせのところはシッカリずれていて、私のアバウトな仕事っぷりがうかがえます。