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ボウの参照文献


 ★:どれか一冊という人向け
 ◎:さらにもう少し勉強したい人向け


★ Elizabeth Adams & David Redstone "Bow Porcelain" (1991 revised)
 ボウのみを扱った研究書としては、本書が最も体系的にまとめられた最新の文献である。窯の歴史や職人などについて論じた上で、初期染付け、白磁、初中期色絵、初期人形、転写、中後期染付け、後期色絵、中後期人形という具合に、時期別・作品の種類別に細かく章立てして、詳しく解説されている。写真も白黒が中心ではあるが豊富である。


◎ Anton Gabszewicz & Geoffrey Freeman "Bow Porcelain The Collection formed by Geoffrey Freeman" (1982)
 Freemanは、60歳代になってからボウ作品の収集を始め、数年のうちに極めて充実し、かつ体系立ったコレクションを作り上げた。収集した270の作品全てが本書に写真(大半が白黒)とともに掲載され、解説されている。作品は、Famille Rose図柄、柿右衛門図柄、染付け図柄、フィギュアなどの種類別に、8つの章に分類されている。


Trustees of the British Museum "Bow Porcelain 1744-1776 A Special Exhibition of Documentary Material" (1959)
 ボウ窯の製造年を確定できる作品をほぼ網羅した特別展のカタログである。ボウ作品には、製造年が(時には注文者の氏名などとともに)書き込まれているものが30弱あり、他に文献で製造年をほぼ特定できる作品群を合わせて、合計150作品をリスト化している。写真は白黒だが、製造年が記載されている作品は、その記載部分の写真も掲載されている。大英博物館のような自らも重要な作品を所有している大きな博物館でなければ、これだけ徹底した展示を企画することは困難であり、極めて価値の高いカタログである。


Frank Stoner "Chelsea Bow and Derby Porcelain Figures Their Distinguishing Characteristics" (1955)
 タイトルからも分かる通り、磁器人形で英国を代表する三つの窯の作品の特徴を比較することに力点を置いた本である。土台、造型、色、マークなどについて三つの窯の特徴を比較した上で、各窯の個別作品をカタログ的に整理している。作品数で見ると、チェルシーが約40点、ボウが約50点、ダービーが約20点掲載されている。古い本ではあるが、英国磁器人形に関しては、今でも主要文献の一つである。


Bernard Watney "English Blue & White Porcelain of the 18th Century" (1973 revised)
 ボウを専門に扱った書物ではないが、染付け作品の多いボウは、本書の中でも最も重視されている窯の一つである。窯の歴史や作品の一般的特徴についても詳しく、とても参考になる。写真も(染付け作品のみであるが)豊富である。


Frank Hurlbutt "Bow Porcelain" (1926)
 かなり古い出版であるが、ボウ窯の歴史や作品の特徴を解説した上で、カタログ的に個別作品を、64点の図版付き(ほとんどが白黒の写真で、複数の作品を写しているものも多い。ただし、筆者自身が描いた詳細なカラー・イラストも数点含まれている。)で詳しく解説している。マークについても詳しい。