ボウ 瓶 (1760年代頃)
A Bow Bottle Ca.1760s
ボウ後期の瓶である。胴体は丸みをおびており、長く細い首の途中に丸いふくらみがある。首の先端は、本品では欠損しているが、円筒状で上に伸びていたか、場合によっては先が広がっていたかもしれない。水を入れる瓶だと考えられており、英語ではguglet(水を注ぐときの音に由来するとのこと)という名称で呼ばれることもある。このような形状の瓶は、他窯(ウースターやダービーなど)でも見られる。水盆とセットになった例もある。
ボウでは、このような瓶には染付けで装飾される例が多いが、本品は銅版転写と上絵エナメルで中国風の人物画が描かれている。図柄の輪郭のみが薄茶色で転写印刷され、その上から、青、緑、黄、紫のエナメルで彩色されている。転写図柄も上絵も大雑把なもので、あまり高品質な仕上がりとは言えないが、いくつもの中国風図柄が胴体全面に施され、首部分にもいくつかの小模様が配されるなど、にぎやかなデザインとなっている。
高さ(Ht):22cm
マーク:なし
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参照文献/Reference:
-Bernard Watney "Notes on Bow Transfer-Printing" English Ceramic Circle Transactions Volume8 Part2 (1972)
-Phillips Catalogues"The Watney Collection of Fine Early English Porcelain" Part I, Lot39 and Part III, Lot828
-Anton Gabszewicz and Geoffrey Freeman "Bow Porcelain The Collection formed by Geoffrey Freeman" Items123-125
-Anton Gabszewicz "Made at New Canton" Item53
-Elizabeth Adams & David Redstone "Bow Porcelain"p146, Plate80 and Colour Plate K
(2013年5月掲載)