ボウ クリーマー (1765年頃)
Bow Creamer
Ca.1765
横長のクリ−マー(クリーム・ボート)である。注ぎ口部分を除く胴体にはやや幅広の縦縞が入っており、この部分の縁は丸くかたどられている。取っ手は基本的にはループ型であるが、上部は直線的で親指掛けが微かに付けられている。台座はスカート状に広がっている。この形状のクリーマーは1750年代後半から終盤頃に導入され、1760年代を通じて作られたと見られている。
絵付けは、いかにもボウ後期らしい、花の小枝の組み合わせであるが、形式化された、やや繊細さに欠ける描き方である。赤い線と点の縁模様も、この時期のボウに特徴的なものである(ボウ「B4」を参照。)釉薬は均一にかけられているが、素地は全体にややくすんだ白色をしている。台座部分は焼成ミスのためか茶色っぽく変色しており、内底にも薄茶のしみが見られる。出来上がり具合は必ずしも一級品とは言えないかもしれないが、全体としては、いかにもボウらしい、愛すべき小品である。
サイズ:長さ11.3cm、高さ5.4cm(ともに取っ手を含む。)
Sizes:Length 11.3cm(4 1/2in), Height 5.4cm(2 1/8in) (both including the handle.)
マーク:なし
Mark: None
類似作品/Similar Items:
-Berthoud "A Cabinet of British Creamers" Plate69
-English Ceramic Circle "British Sauceboats 1720-1850" (CD-Rom) No.119
(2007年6月掲載)