ボウ 丸皿 (1760年頃)
Bow Round Plate Ca.1760
中央部分が軽く窪んだ丸皿。縁部分も含めて表面には地模様などはなく、形状面ではシンプルそのもの。少しくすんで青みがかった素地が、いかにもボウ作品という雰囲気を出している。ボウのブルー&ホワイト(染付け)の色合いは多様で、絵付けの種類により青の濃度が、深みのある濃紺からかすれた感じの「パウダーブルー」まで、細かく調整されていたとされている。本品の青は、そのちょうど中間的な色合いである。
図柄は、東洋風の植物を描いたもので、縁には格子模様が配されている。中央の植物は睡蓮の花と葉、それに竹だとされている。かなり図案化されているが、中国作品で睡蓮を描いた類似の図柄が知られている。ボウ中期に好まれた図柄の一つで、皿だけでなく多くの種類の作品に描かれている(例えば、ソースボートや瓶など)。
裏面には、外周部分と高台内に染付けの圏線が引かれ、高台内の圏線脇に数字の45が、やはり染付けで記されている。この数字は絵付け師の番号と見られており、60番程度まであることが知られている。
直径(D):23cm
マーク:染付けで絵付け師番号「45」
Mark: A painter's numeral "45" painted in underglaze blue
文献/Literature:
-Klaber & Klaber "Oriental Influences on European Porcelain" 50 & 50a (Chinese and Bow examples in this pattern)
-Geoffrey A. Godden "Godden's Guide to English Blue and White Porcelain" Plate 63
-Anton Gabszewicz and Geoffrey Freeman "Bow Porcelain The Collection Formed by Geoffrey Freeman" Item 89
(2011年11月掲載)