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コールポート(トマス・ローズ)
ビュート型ティーカップと受け皿(1805-10年頃)
Coalport (Thomas Rose)
Bute-Shape Tea Cup and Saucer Ca.1805-10

 斜め下に向かって咲く朱色(あるいはオレンジ色)の大きな花を中心に、染付けの青と金彩で勢いよく描かれた葉と茎、それに残りの白地を埋め尽くすように描かれた金彩の唐草風の模様。本来なら静的なはずの花絵が、動的で強烈な印象を与える大胆な図柄となっている。

 形状は、シンプルなループ型取っ手を持つ、コールポートの典型的なビュート型である。19世紀初頭のコールポートでは、John Roseが中心となって経営する窯と、Robert Anstice、William Horton及びThomas Roseが共同経営する窯(Anstice, Horton & Rose窯。ただし、Thomas Rose窯と俗称されることが多い。なお、John RoseとThomas Roseは兄弟。)とが、極めて類似した作品を競合しつつ作っており、形状の細かい違いなどが研究対象となっている。カップの判別はなかなか難しいが、取っ手上部(付け根に近い部分)での横幅が8mmより広い場合はJohn Rose、狭い場合はThomas Roseという判別法があるという。本品の取っ手幅は7.5mm程度なので、この判別法に従えばThomas Roseの作品ということになる。

サイズ:カップの直径8.2cm、高さ6.0cm。受け皿の直径14.2cm
Sizes: Cup D: 8.2cm (3 1/4in), H: 6.0cm (2 3/8in). Saucer D: 14.2cm (5 5/8in)

マーク:なし
Mark: None
(2006年10月掲載)