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バウアー・ファンデーション東洋美術館(スイス:ジュネーブ)
Fondation Baur Musee des Arts D'Extreme-Orient (Geneve, Suisse)

 ジュネーブ旧市街のはずれにある中国・日本美術専門の美術館です。故アルフレッド・バウアー(Alfred Baur)氏が集めた個人コレクションに基づく美術館で、石造りの邸宅全体を使って、1階と2階が中国美術、3階が日本美術の展示にあてられています。また、地下では現代陶磁器などの企画展も行われます。

 中国美術は、翡翠などもありますが、ほとんどは磁器で、各時代の作品が揃っていますが、特に清代作品が質量ともに充実しています。日本美術はかなり広範囲に渡っており、日本刀、蒔絵、根付や印籠、茶道具(茶室までしつらえてあります)、それに、窓から枯山水の庭園が見えたりします。磁器は鍋島が中心で、柿右衛門などもあり、優品揃いです。

 部屋ごとに作品解説の仏語または英語のブックレット(中国語や日本語での表記も含まれています)が用意されており、展示ケース内の番号と照らし合わせながら、作品ごとの詳しい解説を読むことができるというシステムになっています。(ブックレットは仏・英語各10冊程度しか用意されていませんが、このような小規模美術館ならではのシステムと言えるでしょう。)

 入口の横には売店もあります。この美術館では、コレクションに関するかなり学究的な内容の定期出版も行っており、そうした出版物を中心とした品揃えとなっています。

 余談ながら、本美術館の名称"Baur"の発音の日本語表記については、本美術館サイトの日本語ページに「バウアー」とある(http://fondation-baur.ch/ja/home)のでそれに合わせましたが、かつて本美術館を訪問した際に直接確認したところ、「ボー」あるいは「ボール」に近い発音でした。日本語の各種案内や出版物でも「バウアー」と「ボール」の両方が使われており、若干混乱しているように見受けられます。


(2011年11月執筆)