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プラド美術館(スペイン:マドリッド)
Museo Nacional del Prado (Madrid, Spain)

 
 世にいう「世界○大美術館」というものは何を基準にしているのか知りませんが、このプラド美術館もその一つに数えられることの多い美術館です。確かに、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤなどのスペイン画家による絵画作品の充実度には、他の追随を許さないものがあります。

 この美術館のウェッブサイトには、陶磁器を含む装飾美術品も充実しているように書かれているので楽しみに見にいったのですが、残念ながら展示数はかなり少ないものでした。

 陶磁器の展示品は、地下一階の装飾美術展示室(まず地下に下りる階段を見つけるのに一苦労です。)の一角にあるガラスケース一つのみです。地元マドリッドのブエン・レティーロ(Buen Retiro)窯製の、ギリシャ神話を題材にした18世紀ジャスパーウェア陶板が3枚ほどあります。ウェッジウッド作品の彫刻的な作りとは少し趣が異なり、薄い青地の上に白く盛り上げられた部分に絵筆で塗ったようなタッチのところがあり興味深く見ました。あとは、白磁グループ像(ブエン・レティーロ窯とフランスのニーダーヴィラー窯)が3点ほど。これで全てです。なお、この装飾美術展示室のメインはガラス器で、そちらはなかなか見応えがあります。

<アドバイス>
 もし地下に下りる階段を見つけられなかったら、無理に探さなくてもいいでしょう。絵画で見落としてはいけないものがたくさんありますから、そちらを探す方に時間を割いてください。

(2009年8月執筆)