第16回福岡アジア映画祭2002 報告

韓国映画「バッド・ガイ」が福岡グランプリ2002

7月5日から14日まで開催された第16回福岡アジア映画祭2002で、韓国映画「バッド・ガイ」(キム・ギドク監督)が、福岡グランプリ2002に輝きました。町で一目惚れした女子大生につきまとい、罠を仕掛けて、売春婦にしてしまうという行為は、一歩間違えば、ストーカーにも成りえる設定ですが、その危うさを越えて、男女の究極の愛を描いた質の高い作品でした。

審査員の皆さん、お疲れさまでした。忙しいところを、わざわざ、福岡まで来ていただいた監督の皆さん、ありがとうございました。暑い中、会場に駆けつけていただいた観客の皆さん、ありがとうございました。長い時間をかけて、この映画祭を準備し、チラシをまいて宣伝し、受付をやったボランティアの皆さん、お疲れさまでした。



*第16回福岡アジア映画祭2002のカタログ(A4版52ページ)郵送します。ご希望の方は、80円切手8枚を下記までお送り下さい。810ー0041福岡市中央区大名2ー4ー31平子ビル4F、福岡アジア映画祭実行委員会  バックナンバーもあります。
2002年7月5日(金)〜14日(日)
会場:福岡市・天神岩田屋ジーサイド7F・NTT夢天神ホール
   福岡市・博多リバレイン8F・福岡アジア美術館・あじびホール 
☆オープニング特別上映 『公共の敵』Public Enemy(韓国・2002・138分・監督:カン・ウソク、日本初公開!)
 冷酷無残な連続殺人犯と雨の中で擦れ違う元ボクシング選手の刑事。その日から2人の壮絶な闘いが始まる。韓国ナンバーワン監督カン・ウソクが、「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョング、「アタック・ザ・ガス・ステーション」のイ・ソンジェという2大スターと組んで、今年春、韓国で大ヒット記録の超大作。
◎『バッド・ガイ』Bad Guy(韓国・2001・監督:キム・ギドク・日本初公開!)
 売春街の用心棒ハンギは、町で一目惚れした女子大生に強引にキスをする。そして、彼女を自分の近くに置くために罠を仕掛け、売春婦にしてしまう。衝撃の「魚と寝る女」の公開で日本でも人気のキム・ギドク監督の最新ヒット作は、究極の愛をテーマにし、賛否両論の問題作。ベルリン映画祭出品作。
◎『初恋メリーゴーラウンド』Merry-Go-Round(香港・2001・94分・監督:トーマス・チョウ・日本初公開!)
 香港の町角にラーメン店を出した父を手伝う青年と妹。昔の店を知っていると言う少女と青年は恋に落ちる。しかし、最初は、うとましかった彼女の姉との仲も急速に進み始めてしまう。青春時代のほろ苦い初恋物語。新感覚世代の代表といわれる芝See茹Bi の脚本が冴える。ケリー・チャン、ビクター・チャン姉弟などのゲスト出演も豪華。
◎『天使の眼』Dazzling(中国・2001・84分・監督:李欣(リー・シン)・日本初公開!)
 公園で彼女を待つ映画館の案内人、結婚を間近かに控えながらも決断できない二人、毎日、彼女を同じように家まで送っていく体育教師、森に何かを探しにくる女性と体操をする男。さまざまなカップルの愛の在り方を、羽根の生えた2人の天使が追い求めていく。まるで「ベルリン・天使の詩」の上海版。
◎『チキンライス・ウォー』Chicken Rice War(シンガポール・2001・98分・監督:チーク・日本初公開!) 
 ウォンと食堂とチャンの食堂は隣同士で、鶏丼が名物。だから毎日客の取り合いやケンカが絶えない。ところが、ウォンの息子とチャンの娘が恋に落ちてしまったから、さあ大変!シンガポールのMTVで活躍する新鋭監督チークが描く新感覚ムービー。プサン映画祭出品。
◎『アナムのスカーフ』Anam(ドイツ・2001・86分・監督:ブケット・アラクシュ・西日本初公開!)
 ハンブルグに住むトルコ人アナムは、2人の子供と夫のために懸命に働く保守的な一般の主婦。しかし、息子はドラッグにはまり、夫は浮気。落ち込んで自暴自棄になるアナムだが、友人たちに励まさ、ついに、妻に強制されたスカーフを取り、命がけの行動に出る。母親の孤軍奮闘ぶりを描いた女性必見の傑作。

◎『ダナンから来た娘』Daughter from Danang(アメリカ・2001・80分・監督:ゲイル・ドルジン、日本初公開!)
 1975年、ヴェトナム戦争が終わり、2000人の子供たちがアメリカに連れてこられ、養子として育てられた。22年後、一人の娘が、初めて故郷ダナンを訪れ、実の母と再会する。楽しい日々が続くが、娘が帰る直前、文化の大きな違いが予想外の結末を引き起こしてしまう。2002年度サンダンス映画祭最優秀ドキュメンタリー賞受賞。
◎『満山紅柿』Manzan Benigaki(日本・2001・90分・監督:小川紳介、彭小蓮、九州初公開!)
 故小川紳介監督が未完成のまま残した16年前のフィルムを中国の彭小蓮(ペン・シャオリン)監督が編集、追加撮影をし、完成。蔵王山麓上山地方の果物の王様、紅干柿がいかに手間ひまかけて丁寧に作られていき、それが単なる農産加工品というだけでなく、その地方の文化を形取っていたかということが実感される。ベルリン映画祭出品。
◎『Devotion /小川紳介と生きた人々』Devotion(日本・アメリカ・2000・82分・監督:バーバラ・ハマー、西日本初公開!)         
 共同生活をしながらさまざまなドキュメンタリーを作り続けた小川プロダクション。その集団を強烈なカリスマ性で統率した映画監督・小川紳介。没後10年を経て今、元スタッフたちが口を開き、人間・小川紳介の知られざる一面をアメリカの女性監督バーバラ・ハマーが説き明かしていく。ベルリン映画祭出品。 
◎『ピョンヤン・ロボガール』Pyongyanng Robogirl(フィンランド・2001・4分・監督:ジョウニ・ホッカネン、シモジュッカ・リッポ、日本初公開!)
 北朝鮮の首都ピョンヤンは約200万の忠実な市民が住むモデルシティー。町中のいたるところに、亡き主席、そして現総書記のイメージがあふれている。だが、中で最も驚かされた光景は、町角で交通整理をする女性警察官の姿だった。白やメタリックブルーの制服をまとった美しい彼女たちの動きは、まるでロボットのように機械的だ。 

◎『よみがえれカレーズ』Afghan Spring(日本・アフガニスタン・1989・116分・監督:土本典昭、熊谷博子、アブドゥル・ラティーフ)
 今なお紛争が続くアフガニスタン。そこには平和を願いながらも戦争に巻き込まれ、多くの一般の人々が苦難の生活をしています。戦闘シーンが氾濫するニュースなどでは知ることのできない一般の人々の日常を見て下さい。そして、アフガニスタンに住む家族、子供たちについてもっと真剣に考えて下さい。

*「プロミス」の上映は都合により中止になりました。

☆料金:前売券(1作品券) ¥1400  
       (5作品回数券) ¥6000 (10作品回数券)¥10000
    当日券(一般)¥1800 (大学)¥1500
       (中高・シニア)¥1000 パーティー券 4000円
*前売券は、チケットぴあ、ファミリーマート(Pコード:982-596)、ローソンチケット(Lコード:80099)、九大生協、福岡市内有名プレイガイド(岩田屋ジーサイド、福ビル、大丸、VIVRE、マイング博多駅、キャナルシティほか)にて発売中!


第16回福岡アジア映画祭2002上映スケジュール 
(ゲスト、作品などが変更になる場合もあります。)                                

7月5日(金)19:00〜オープニング特別上映「公共の敵」*ティーチイン予定
7月6日(土)13:00〜「初恋メリーゴーラウンド」*ティーチイン予定
       15:00〜「天使の眼」*ティーチイン予定       
       17:00〜「チキンライス・ウォー」
       19:00〜「バッド・ガイ」                   
7月7日(日)10:30〜「アナムのスカーフ」
       12:30〜「天使の眼」*ティーチイン予定
       14:30〜「初恋メリーゴーラウンド」*ティーチイン予定
       16:30〜「公共の敵」
       19:00〜 グランプリ発表
            「バッド・ガイ」
       *以上、天神岩田屋ジーサイド7F・NTT夢天神ホール

7月13日(土)15:00〜「ダナンから来た娘」*シンポジウム予定
        17:00〜「満山紅柿 上山 柿と人とのゆきかい」     
        19:00〜「ピョンヤン・ロボガール」(短編)
             「Devotion ー小川紳介と生きた人々」
7月14日(日)11:00〜「満山紅柿 上山 柿と人とのゆきかい」
        13:30〜「よみがえれカレーズ」       
        16:00〜「ピョンヤン・ロボガール」(短編)
             「Devotion ー小川紳介と生きた人々」
        18:00〜「ダナンから来た娘」*シンポジウム予定
       *以上、博多リバレイン8F・福岡アジア美術館ホール

☆ゲスト参加予定(変更の可能性もあります。)ゲスト参加の場合は、上映終了後にティーチ・イン(質疑応答)を行う予定です。

 トーマス・チョウ監督(香港) 7月5日〜7日
 リー・シン監督(中国)    7月5日〜7日
 カン・ウソク監督(韓国)   7月5日
 横山博人監督(日本)     7月6日〜7日
 ラウ・ユックリン(香港)   7月5日〜7日


☆主催:福岡アジア映画祭実行委員会
   
エ092ー733ー0949
☆ホームページ http://www2.gol.com/users/faff/faff.html
☆映画祭 e-mail: faff@gol.com 
New! 新作映画サイト http://www2.gol.com/users/faff/preview.html 
Bad Guy