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アート・絵画・現代アート・美術系のイベント・団体展出品作品18

浅野琢也(Takuya Asano)

《2019版画展》
作品タイトル

「ねんねんねこねこ」

2019年2月 第1回 東京芸術劇場 アトリエ・イースト
                           (東京・池袋)





「ねんねんねこねこ」【詩】
    浅 野 琢 也 作
ねんねこ帯であやされて
この子誰の子わからない
親は無くても子は育つ
ネコに小判と金次第
「禰子も釈子も」金はいる
しゃもじの事かと思ったら
神主・禰宜(ねぎ)禰子(ねこ)
お賽銭ニャンと誰もが神頼み。

赤糸青糸、絡み合い。
拠りを戻せず糸切れて、
腹の子誰の子わからない
心あたりが多すぎて
記憶あやふや絡った。
こけし・水子は七つまで
見ざる・聞かざる・言わざると
身請け足抜け去っていく。
産んだ子供はねんねんねこねこ

ネコはこたつで眠くなり
大きな「あくび」で眠り猫。
子供と別れてねんねんねこねこ
ねんねこねこねこすこやかに
赤線青線・春終わり皆が去って
縁切れて泡消え子弾け水の泡
ネコも目を変え「あくび」して
静かに夜に去っていく。
流した子どもよ ねんねんねこねこ

詩の時代背景と解説

芸者を「ねこ」と隠語で呼んで
いた。子供は七歳まで人間と見なさず
間引きで殺しても黙認されていた。
罪の意識も七つの祝いと、お札でチャラ
親の子殺しも娘を売る人身売買も
戦後の売春防止法が出来るまで続いていた。
自由恋愛と抜け穴を使い
管理売春は飯盛り女みたいな
個人営業で残っていた。
児童虐待は問題視され公になったが
公然と続いていた。
妾・手かけは昭和まであり「妾の子」
非摘出子が存在している。
世間の目もあり子供に辛い仕組みだった。
昔、子殺し・娘を売る・親がいた。
自分の命と引き換えに子を守る母猫の
話【猫は生きている】は、正反対な親の
愛を感じた。人間とネコを比べて生き物
としてどっちが正しいか疑問を感じた。
トルコ風呂がソープランドと名前を変え
ているが男と女の関係は続いている。
避妊技術も進化したが妊娠・性病などは
完全に無くなっていない。
性欲は日常生活で嫌悪感や憎悪感を
持つ人の配慮でコンビニでアダルト本の
取り扱いを止めるなど意識が変わってきた。
敗戦後、寿産院事件があった事を知り衝撃
を受けてイメージを表現してみた。
人類が猫と檻の中で闘ったなら
「ヒトは日本刀を持って初めて対等と言える
だろう」と大山倍達の答えを思い出した。
「泣く子と地頭には勝てぬ」というが
泣く子に児相を189の時代になった。

人間模様はワニ模様 人生の渡し舟」にリンクします。



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