Frozen Newton Project! 応用編
Apple MessagePad 2x000 Rechargeable Battery“BOX”の改造方法 
このページで紹介されている画像及び内容は以下の者が管理している。
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 このページではApple MessagePad 2000及び2100(以下MP2kと称する)に付属するBattery Boxを改造して,市販のニッケル水素(Ni-MH)単3型充電式電池を使用し,MP2k本体での充電を可能にする方法を紹介する。
ただし,ここで紹介されてる内容は,僕自身が行った作業を記録しているだけであり,改造後の使用に於ての事故や障害に関して当方では予測できなし,それらに関して保証もできない。あらかじめ断っておく。

※そのため,改造中及び改造後の如何なる場合においても,事故や障害などに
対して当方は責任は負いかねる。悪しからず御了承戴きたい。

プロローグ



 まず僕が始めに行ったことは,純正のRechargeable Battery Packを解析することである。

 これには既に純正のRechargeable Battery Packを改造して,そこに市販のニッケル水素(Ni-MH)単3型充電式電池の使用を可能にした上野氏のページ“最好の Macintosh & Newton を創る”が参考になった。また,上野氏からは直接御助言を戴き,上野氏にはとても感謝している。この場を借りてお礼を言いたい。


 
 右の写真は,純正のRechargeable Battery Packを撮ったものである。純正のRechargeable Battery Packには,+局・ー局の他に,横腹の部分に2つの金具が付いている。その金具をそれぞれA端子,B端子と呼ばせていただく。
 A端子とB端子とには,常温状態で10kΩの抵抗値を持っている。また,A端子はー局と抵抗値,電位差とも無いためここは結線されていると推測されたが,解体後それが確認された。

  A端子とB端子との間には,何が接続されているのかが問題視された。上野氏のページの中で“黒い胡麻粒”と表現されているパーツである。
 今回それが何であるかを確認できた。
 これは,温度検知用サーミスタ(AT Thermistor)と呼ばれるもので,周辺の温度を検知し,温度によって抵抗値が変わるものである。ここで使用するものは,常温で10kΩのものである。実際,純正のRechargeable Battery Packに取付けてある“黒い胡麻粒”に熱を加えた状態で抵抗値を計ったら,常温の時よりも抵抗値が下がっていた。また,抵抗値の変化の仕方も市販のサーミスタとほぼ変わらないものだった。
 右の写真は,店頭で売られてるパッケージをそのまま撮った。その下の写真は同梱の説明書である。
 
 

金具の作製



 A端子,B端子の作製及びA端子とー局を結線する金具(以下C金具と称する)の作製を説明する。
 材質は,真鍮に亜鉛が混ざっている洋白(Brass+Zinc)という材料を使った。厚さは0.3mmで充分である。
 端子が当たる本体側の材質がステンレスっぽいので,ここにアルミ材質を宛てるとアルミが腐食する恐れがある。当初はステンレスSUS430を探していたのだが,出廻っているステンレスはSUS304がほとんどであり,今回は見当たらなかった。SUS304のステンレスは薄くても切断するのが大変であるが,洋白やSUS430はその点加工するのが比較的楽にである。
 洋白やSUS430を切断は,カッターで筋を入れたあと,その筋に沿って折り曲げ金属疲労をさせることにより,比較的簡単にそれもキレイに切断できる。
 

 上図に示すように,A端子とB端子のところにそれぞれA端子には1箇所,B端子には3箇所の切欠きがあるが,これはリード線が上手く納まる場所になっている。

 A端子の切欠きは,A端子にハンダ付けされたリード線が納まり,そのリード線はB端子のB−1,B−2の切欠き部分に納まることになる。B端子のB−3の切欠きは,B端子にハンダ付けされたリード線が納まる場所である。

また,A端子,B端子とも,左右にわざわざ耳を作って折り返してあるのは,Battery Boxを出し入れする時にできるだけ引っ掛かりを少なくするものである。

 C金具の電池の形状に合わせて丸く帯びせた部分は,A端子の足に結線されるようになる。

電池BOXの加工


純正の電池BOXに穴開けの作業をする。写真は,FNPで製作されたクリアパーツを使用したものである。
 まず,A端子とB端子の各々の4つの足が納まる場所に穴を開ける。おおまかな場所は純正のRechargeable Battery Packを参考にすればよい。
 写真は穴開けする場所を,詳細に示した(つもりの)ものである。写真には,黒線で強調しているが,この付近に3本のリブが付いている。これを基準に寸法をとるとよい。
 写真の右上に断面を描いたが,このパーツの内側は中央が盛り上がっているために穴を開けるときは斜め方向に開けるとよい。
 また断面に示されているが,両方の1mm巾の溝はBatteryBoxがMP本体に納まるためのガイドレールになっている。このエリアにパーツがはみ出すと,出し入れが利かなくなるので,このエリアを侵さないことに注意が必要である。

 次に,先程の作業の中で説明した3本のリブの根元部分になるが,この3本のリブに挟まれた2つ溝の終る壁に,それぞれ穴を開ける。
 ここには,サーミスタの両方の足が潜るようになっていて,ここに潜されたサーミスタ両足に各端子から延びてきたリード線がハンダ付けされるようになる。

端子の組込み



始めに作製した,A端子,B端子をBattery Boxに組込む。

 写真は,B端子にリード線をハンダ付けして仰向けに写したものである。B−3の切欠き部分にはこのようにリード線が納まる。
 A端子にも同じように,リード線をハンダ付けすればよい。但し,リード線の納まる場所はB端子の位置とは違うので注意をされたし。
 リード線は細い方がよい。太いとMP本体に収納するときに引っ掛かってしまいBattery Boxを取出せなくなる。
 僕は,0.26mmのリード線を使っている。

 B端子を伏せた状態である。写真の緑色のリード線の先にA端子が取付けられる。
 A端子,B端子のそれぞれ4つの足を,Battery Boxに開けた穴に嵌める。その足をBattery Boxの内側からラジオペンチなどで挟み込んで,A端子,B端子を固定する。

 各端子を組込んだ後,MP本体にスムーズに取出しが利くか確認する必要がある。
 端子の組み込み方が悪いと,MP本体の内側で引っ掛かる恐れがある。
 これには,MP本体の裏ケースを外さなければいけない。裏ケースを外すと機器の保証は無くなってしまうので,それ相当の覚悟は必要である。裏ケースの外し方は分解講座を参照して頂きたい。

ATサーミスタの組込み


 ATサーミスタの足を適当なところで直角に曲げる。これは,電池により密着させようとするものである。

 ATサーミスタの両足を,2つの新に開けた穴に差し込んで写真のように納まる。
 このATサーミスタの両足に,それぞれ,A端子から延びるリード線と,B端子から延びるリード線をハンダ付けする。

完 成


 写真のようにC金具をー局に置くことにより完成!
 ニッケル水素電池などの充電式電池を使うときは,このC金具が写真の位置に据えることによりA端子の足と接触し,ー局とA端子が結線状態になる。
 また,アルカリ電池などの非充電の電池を使うときは,C金具を外すか,他の場所に移すことにより,A端子とー局とは絶縁状態になり,MPの本体では充電してはいけない電池であることを認知するようになる。
 というわけである。

 以上で改造法の説明は終わりである。

改造Rechargeable Battery Boxの製作依頼について



僕の方では,この改造Rechargeable Battery Boxの製作を受付けている。
金額はこちらからの返送代金込(国内のみ)で,4,500円でお願いしたい。
尚,純正 Battery Box はこの料金には入っていない。純正 Battery Box に関しては各自揃えて頂いて,純正 Battery Boxに製作代金を同梱して僕宛に送る方法にしたい。
 製作後の保証については,改造パーツのみ1週間程度としたい。この改造によるMP本体の支障には対応できないので,この点は御了承願いたい。
興味のある方は,僕のメールアドレス:hirohiro@gol.com へ問い合わせをして欲しい。
よろしく。
 



御意見など御座居ましたら,こちら宛までメール下さい。
つたない説明で分かりにくいところが多かったことと思いますが,長々と読んでいただいて有り難う御座居ました。
また,相変わらず写りの悪い写真で申し訳御座居ません。

更新記録
Jun 12,2000.............初版完成。