Mother Earth 絵本シリーズ 1

でんしんばしらがやってきた



「ごめん、たいちょうが、うごいてはいけないって、
やっぱり、ぼくは、ここでたっているしかないみたいだ。」
でんしんばしらはほんとうにすまなそうに、はなをみつめました。

「でんしんばしらさん」
うつむいたままのはながいいました。
「その、でんきというものは、たいせつなものなのですか?
いままで、ずっとなかったものなのに、なくてはならないものなのですか?」

でんしんばしらは、だまったままでした。

おひさまが、しずもうとするころ、
かれは、やっとこたえました。
「むらのひとたちにとっては、たいせつなものだと
おしえられている。
ただ、ぼくは、こうしてたっているだけだから、
ほんとうのところ、どれだけたいせつなのかは、
わからないんだ。
すまない、ぼくはみていないから、
それしかこたえられないよ。」


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