チュイのいた夏

ひょんなことから、ツバメを保護する事になった私達の経験が 同じような境遇になった人達のために役立てばと、これを書く 事にしました。同様に私も、保護した人のHPが、とても参考 になったからです。 家のチュイ(ツバメの名前)は、6月末から9月17日まで、 我が家の一員となり、逝ってしまいました。 2003年6月30日深夜、私は中央高速のとあるサービスエ リアで、トイレに入りました。 月曜の深夜だったので、閑散とした広いトイレの手洗い場で、 よりによって私が手を洗おうとした洗面台に、小さな奇妙な塊 が、落ちていました。 それは、まだ産毛も抜けきっていない、ツバメの雛でした。 見上げると、天井間近に点検孔に通じるはしごがあり、そこに 巣が出来ていました。親ツバメが、巣の外でとまっていました。 その巣から、約5メーター下の洗面台に落ちた雛は、何故か水 びたしで、仮死状態でした。 私は、その雛を抱き上げてティッシュで濡れた体を拭き、なん とか戻せないかと、売店のおじさんの所に持ってゆきました。 「いやあ、持ってこられても困っちゃうなあ、大きな脚立が無 いと戻せないし、一度人間が触るとまた落とされるって聞くし なあ・・・」 「掃除の人なら大きな脚立があるでしょ?掃除の人はいません か?]と私 「もう、今日は帰ってしまったよ、いやあ困ったねえ」 といいながら、自分は関わりたくないという匂いをぷんぷんさ せているおじさんに、少々腹を立てた私は、「ならいい!! 私が何とかする」そう言い残し、そこを出ました。 どうせ、そこに預けても、何もされず、数時間で死んでしまう でしょう。 私は過去に、捨てられた小猫を抱き上げた事によって、その仔 の一生をだいなしにした事が有り、後悔と、自責で、そうした 小動物を連れてかえる事に、かなりの抵抗感があったのですが 広い手洗いの、自分の目の前に落ちていたそのツバメは、きっ と何かの縁があって、そこに居たのだろう・・・などと、自分 に言い聞かせ、連れて帰る事にしました。 車の中では私のパートナーがずっと手の中でだいていました。 しかし、雛は、鳴く事もせず、ぐったりと眠ったままでした。 つぎのページ


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