ブラックコメディのゲネプロを観る(14 Nov.95)

この舞台はピーター・シェーファー原作の「ブラック・コメディ」という作品。ピーター・シェーファーは「アマデウス」などで著名なイギリスの劇作家である。
今回の舞台は欽ちゃんこと萩本欽一演出という点も注目される。萩本欽一の演出の厳しさはよく知られているが、果たして舞台が初めての羽田惠理香はその厳しさに耐えられるのであろうか?
主演は野口五郎。その恋人役に羽田惠理香。他の出演者としては、麻丘めぐみ、真野順子、佐野高史、蔵一彦、藤村俊二の面々。
この舞台は、そのほとんどの場面が停電で電気が消えてしまったアパートの一室でのドタバタというシチュエーションとして展開される。もちろん、舞台上が真っ暗では観客には何だか分からない。どうなっているのかというと、舞台上では実際の状況と明暗が逆転しているというレトリックがとられるのである。つまり、電気が消えて真っ暗な状況は舞台では逆に明るくなっており、電気がつくと舞台上は真っ暗になる。明るい舞台上で俳優たちは真っ暗やみの中の芝居をするのである。このレトリックこそがシェーファーの天才的な発想の賜物なのである。
さて、出演者がこの面々であり、コメディであるから、お約束通り無事に済むわけがない。当日いきなりかまされるアドリブ、他の出演者には内緒で周到に用意されたギャグなどが潜んでいる。この予期せぬギャグには出演者自身が吹き出してしまい、客に背を向けて笑いを噛み殺している場面にもでくわす。
我らが羽田惠理香であるが、取り敢えず初舞台としては無難にこなしていると言えるだろう。ベテランの共演者たちに一所懸命付いていこうとしている所は微笑ましい。
私自身はゲネプロを見たのであるが、一応、チケットも持っており、1日は真面目に観客として観劇にいく予定である。
ちなみに上演日程であるが、
11/15〜26日まで毎日。
楽日である26日はチケットは完売であるが、他の日はまだ少し残っているようだ。
詳しくは博品館に問い合わせを。03-3571-1003である。


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