病院到着から出産までの
日本の場合とイギリスの場合の私的な比較

お産は一人一人違うものです。
一つの例としてご覧いただけたらと思います。

日 本(都内某大学付属病院、1999年当時) イギリス(私の住む町のNHSの病院、2003年当時)
病院到着から陣痛のがし まず、助産婦による内診(子宮口の確認)。入院に必要なものはほぼ病院で用意してくれます。着替えて陣痛室へ。陣痛室のベッドに横になり、助産婦がマッサージをしてくれいきみを逃す。夫は連日の徹夜(仕事)のためイスで睡眠...。助産婦が何度も様子を見にきてくれる。子宮口がほぼ全開になり分娩室へ歩いて移動。 今までの検診の記録が書いてあるノートを渡し、助産婦は何やら資料作成。私は、持ってきたナイティに着替える。(日本の産褥ショーツは便利です。イギリスにはありません。持ち物はすべて自分で用意します)陣痛を逃すために大きな風船?(抱きついたりするとリラックスできる..という。私の場合あまり効果なし)と床に座れるようにマットを用意してくれました。(無料)お腹の中にいる子供の心音を聞くための装置をつけ、確認。20分おきに行った。Birtsh Planで陣痛時にお風呂を使う希望を出していたので、聞いてみる。するとまず内診してからということで内診してみると、すでに子宮が8センチ開いているということで(10センチで全開)助産婦かなり驚く。イギリス人なら今の状態だったら叫びまくっているそう...。私は叫ぶ余裕もない。一時間も経たないうちに生まれるだろうと言われる。バタバタするのも嫌だったので、お風呂を断念し、ひきつづき陣痛室兼分娩室で陣痛を必死に逃す。持ってきたスポーツドリンクを飲んだり部屋を歩いてみたり...。廊下には紅茶やコーヒー、水が自由に飲めるようになっている。陣痛で苦しいときにも紅茶??さすがイギリスと驚く。
分娩台にあがってから出産まで お腹に何やら、子供の心音、次にやってくる陣痛の波がわかる装置(名前忘れました)をつけ弱い陣痛の波をのがし、大きな波がやってくるのを助産婦の指導のもと待つ。その間に麻酔をして会陰切開。ハサミみたいのでチョキンと。逃さないといけない陣痛の苦しさチョッキンとやったのもよくわからない。何度か陣痛の苦しさに耐え、人工で破水をし、いきみGOの指示がおり、5回ほどいきんで、なんだかわからずケント誕生!!感動というより、えっもう?いつでたの?って感じで、よくわかりませんでした。 夫にもうやばいと言う。助産婦も私の表情などを悟ってか、いきみたいときにいきんでいいわよ。と言われた。「えっ」そういうのって助産婦のリードでするんじゃないの?って夫に訴える。夫は助産婦に聞く。するとあなたがいきみたいときでいいのよ。と再度いわれる。こんな調子で夫をはさんでの助産婦との会話がつづく。助産婦の言うことはなんとなくわかる程度、自分の口から英語はでない。というか話したくない。考える余裕もない。ベッドの上で産むか床に座った状態で産むのか聞かれる。どちらがいいかわからなかったのでとりあえずベッドに登る。(それまでは床に敷いたマットに座っていきみ逃しをしていた。)もう一度内診をする。もう頭が見えるという。助産婦はまたまたかなり驚く。進みがとっても速いそう。私の頭の方で笑気ガス準備をしているが断る。笑気ガスを使うのはこちらでは一般的。使わない方が驚かれる。私はそんなわけわかんないものは使いたくなかったので、断る。おしるしが今ごろありチョロチョロっと羊水が流れだし破水をし、特につかまるところもなくいきみづらいので夫にしがみつきいた。そんな事をしていたら、部屋にゾロゾロ人が入ってきて、何やら忙しく準備していた。保育器みたいなものとか...。2回ほどいきんでルイが産道を通ってくるのがはっきりとわかり、誕生!!ものすっごく感動した!!ルイは産道から出てくるときに左手をほっぺにのせた状態ででてきたそう。助産婦にハグしまくる。チューもしちゃった..かなり興奮している自分。
誕生後 助産婦がへその緒を切り、処置をしケントを抱っこしました。でもその後すぐケントは助産婦に連れて行かれ、身長、体重をはかったり、お風呂にいれてもらって、新生児室へ。次の日まで子供に会わなかったような気がする...。私は2時間ほど分娩台でそのまま休憩。休憩している間、朝ということもあって?か、看護士見習い?それか学生と思われる人たちが10人くらいゾロゾロ入ってきて、掃除を始めた....。私が乗っている分娩台の下とかホウキで掃いたりとか....。今思えば、あれは絶対ヘンだったなと思う。笑い話になっているけど。掃除が終わりその方達がいなくなった所で医者が登場し、切開の処置を受ける。終了後、歩いて病室へ戻る。 夫がへその緒を切り、助産婦が処置、体重を計り(身長は計りません。なんでだろ)、小児科医がルイを診察、軽くルイを拭いてくれタオルに包まれて渡される。(沐浴はしません。)ルイを裸にし私のお腹の上に置いてくれ、肌と肌のふれあい。これが大事なんだそう。生まれたばかりのほやほやの匂い、はっきりいって臭い。でも日本ではすぐ沐浴なのでこんな匂いはかげませんでした。またまた感動。とっても愛らしい。そして夫、私、ルイの3人だけで1時間ほど部屋で過ごす。助産婦による内診でどうやら裂けたらしい。3箇所ほど。でもボス助産婦の判断で表面だから大丈夫(なんじゃそれ)ということで、縫いませんでした。トイレの仕方を教わる。ペットボトルなどに水を入れ、かけながら小をする。水の意味があるのかないのか...。すっごい裂けたところが痛い。なんでもその辺りは自然に裂けたほうが治りが早いみたい。私と夫はルイを産んだその部屋で持ってきたおにぎりを食べお茶を飲む。すっごくおいしい。まるで高い山を登った後、、頂上で食べるお弁当のよう。そう、富士山の頂上で食べている気分。登ったことありませんが...。途中助産婦からトーストと紅茶でもどう?と言われたけど、断る。やっぱり日本食がいい。そして、助産婦にお風呂かシャワー浴びてもいいわよ。といわれ、戸惑う...。裂けてるのに〜。お風呂はなんだかやばそうなので、浸かるため。シャワーにする。シャワー室まで車椅子が用意されたのですが、断る。だって歩けるもん。すぐそこだし。助産婦驚く。ものすごーく裂けたところが痛いので急いでシャワーを終わりにする。ルイを抱っこし、車椅子に乗せられ、病室へ。個室は1日£100、もちろん大部屋へ。助産婦には次回産むときは自宅でできるわよと言われた。それほどの超安産でした。
入院生活 そのまま入院となり、部屋で休む。翌日から母乳指導や沐浴指導を受ける。5日間の入院生活。入院生活というより、研修みたいな感じだった。 病室に移動し、担当助産婦から病棟助産婦に交代。病棟助産婦から泊まるかどうか聞かれ、帰りたいと申し出る。ルイも私も体調がよかったので、日帰りの許可が下りる。でも書類待ちで結局夜になる。書類待ちの間、夕食食べていきなさいと助産婦からいわれ、何をだされるのかと思ったら...サンドイッチ、スープ、くだもの、(自分ですきなのを選べる)。どれも食べたいものがない。夕食にサンドイッチって...。子供一人産んだばかりの体には辛い。でもお腹が空いたのでとりあえず食べる。書類を長いことまたされ、寒い北風が吹く夜、生後まもないルイをいきなり外に出し、でも急いで車に乗り家へ...。うちに着いたらほっと一安心。9時間かけて、ジェームスの両親がやってきてくれて、ケントとお出迎え。夕食はTAKE AWAYの中華。私はとにかく日本食が食べたかったので、前の日の残り物の煮物を一人こっそりと食べ眠りにつく...。長い長ーい一日でした。

...というわけで、入院せず帰ってきました。
帰宅後 子供と別室だったため、授乳時間しか子供と会うことはなく子供を産んだという実感がなかなか感じられませんでした。入院中は看護婦さんが色々やってくれていたので、私はのんびりできたのですが、家に帰ってから不安でしょうがなかったです。実際退院後、不安で病棟の看護婦さんに電話したほどです....。今思えば全然大したことないようなことだったけど。 出産日の次の日から検診のときにお世話になった助産婦が家に来てくれて、相談にのってくれたり、傷をみたり、ルイの様子を見てくれました。初産の場合は毎日で1週間ちょっと。私の場合は超安産でしかも体調がすこぶる良好なため毎日ではなかったです。二人目っていうのもあってかな。その後ヘルスビジター、保健婦(異例の男性ヘルスビジター!)が来てくれました。
出産にかかる費用(妊娠中の検診も含めて) 48万円(後に夫の保険から36万円戻ってきた) £4(約800円) スキャンの写真2枚分
良い所 言葉が通じる。最新機器がそろっている。出産は常に助産婦の指示。 母と子のふれあいがある。こうしないといけないという決まりがなく、私中心。前回と違い会陰切開をしなかったため麻酔を使わなかったせいか、ルイが産道を通ってくるのを実感。感動が大きかった。
悪い所 産後、母と子のふれあいが少ない。というか殆どない。会陰切開は必要か疑問。必要かどうか解らない検査が幾つかあった。 (妊娠期間)検診が少ない。スキャンを2回しか行わない。産科医には一度も会わない。(これは悪いのに入るのかはわかりません。逆に産科医に会わないことは体調がよく心配なし!ってことでもある)(病院で)手際が悪い。言葉が通じない(自分の英語力がないからなのですが...)。分娩台がただのリクライニングするベッドな為ふんばりづらい、足がすべる。入院したくない雰囲気。(ベッドがちゃっちい。布団がなく厚手のシーツ?2枚)食べ物に不満。
感想 安心をお金で買う感じに思える。(イギリス的な考えかな?) 出産にかかる費用が殆ど無料の為、必要最低限の検査しか行わない。体重管理だって全然厳しくない。検診では体重計らないし。ほったらかしすぎて初産をイギリスで迎えるにはちょっと心配かなと思う。でも私の助産婦さんは熱心でいい人でした。結果的に言えばイギリスでだって無事に赤ちゃんが生めます。(これはかなり私的な意見です。)色々な方にお話を聞くと、散々な目に会っている方もたくさんいらっしゃるようで...。
もし、三回目のチャンスがあるなら絶対にお家で産みたい!!

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