balloon 入院生活−その1

病名

案内された部屋には、妻と上の子がいました。すでに点滴を受けていたためか、見た目には元気に映りました。

ホームドクターから、改めて説明がありました。検査の結果が出たとのことです。娘たちは、2人ともロタウィルスいう菌に感染して、激しい吐き気と下痢が続いたとのことでした。妻はその病名を知っていたようでしたが、私ははじめて聞いた名前でした。何でも、日本では、ほとんど「風邪ですね」で済まされる場合が多いもののようです。

入院生活

入院生活の始まりです。上の子はまだいいのですが、下の子は、最悪の状態を脱したものの、まだ苦しんで暴れることがあります。ベッドから落ちるのを防ぐために、まるで檻のようなものでベッドを囲まれました。

昼夜交代で、専属の看護婦がついてくれることになりました。だから私たちは家に帰っていいよ、と言われても、子供たちは英語が話せません。下の子は、日本語すら話せません。帰るわけにはいきませんでした。下の子のおむつの世話もありますし、上の子は、歩いてトイレへ行けるものの、点滴をしたままなので、補助する必要があります。ましてや、下痢が止まっていないので、30分おきにトイレへ行っていました。看護婦なんかに任せておけません。

質問責め

次の日から、うんざりすることが始まりました。研修医が数人でやってきて、私たちにいろいろな質問をしたのです。熱を計ったり、おむつを換えたり、教官の指示に従っていろいろやるのです。これだけならいいのですが、1日に何組来たことでしょう。そのたびに同じ質問と同じことの繰り返しです。完全に、実験台にされました。

驚くべき食事

入院1日目は、まだ何も受け付けないだろうという判断なのでしょう。子供たちのためにと病院側が用意した食事は、ジュースとゼリーだけでした。実際は、2人とも、水以外のものは全く受け付けませんでした。

それが、入院2日目、少しずつでもいいから固形物をあげなさいということで、食事が運ばれてきました。私たちは、それを見て驚きました。ローストビーフピザが運ばれてきたのです。恐るべしアメリカ人。たとえ大人でも、下痢と吐き気がひどくて入院した次の日には、そんなものは食べられないぞ。ましてや、入院している1歳と4歳の子供に、そんなものを食べさせようと考えるとは、我々の理解を遙かに超越していました。

( つづく・・・ )