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□ 京都市内における野生メダカの生態調査 □



コラム「メダカと仲良しの植物」

 調査を通じてメダカの生息する条件として植物の存在が非常に大きいことが分かった。水辺の植物は流れをやわらげ、小魚たちの隠れ場所になったり、産卵場所になったりするのだ。

  そして、そんな水辺の植物の中でも京都市内のメダカの生息地で頻繁に見られるのが、キシュウスズメノヒエ、ミゾソバ、イヌタデ、ツルヨシである。特にキシュウスズメノヒエはメダカとの相性が抜群で、京都市内でメダカを探すなら、まずキシュウスズメノヒエの群落を確認するところから始めればいいといって差し支えないくらいである。

 ミゾソバやイヌタデが活躍できるのは比較的小さな浅い川に限られるのに対して、キシュウスズメノヒエは匍匐茎(ほふくけい)が水中を横に伸びて浮き芝状の群落を形成するので、賀茂川のような広く深い川にも対応できる。また、同じ特徴を持つツルヨシよりも繊細なのがメダカには合っているようだ。

 ちなみに、一般向けのやさしい野草図鑑にはあまり掲載されていないため、名前を特定するのにずいぶん苦労した。ツルヨシと混生していることも多く、最初のうちはツルヨシの小さい時の姿かと思ったりもした。見分けるための最大の特徴はV字型の花穂である。簡単に見つかるので、みなさんもぜひ一度見つけてみてください。



匍匐茎(ほふくけい)が水中をはう

水面下はこうなってる

V字型の花穂