この文章は崎田さんから送られて来たメールをそのまま転記したものです。
改行、強調などは私が勝手にしました。
16日朝
本来ならこの日はロニー・ヴァン・ザント・パークでイヴェントのはず。
北部対南部の野球大会もおこなわれるはずだった。
ちなみに私は何故かというかありがたいことに南部チームに入れられていた。
ところがこの暴風雨。予定はキャンセルされ、ライヴのみがフリーバード・カフェで行われた。
本当に残念。
あの広々とした公園でのんびりと過ごしたかったのに。にっくきアイリーンめ。
朝チャーリーが部屋にたずねてくる。
一昨年に「トゥエンティ」の日本盤をあげたお礼だといってドニーとドンのサイン入りの38のLPと
サイン入りのアトランタ・リズム・セクションのTシャツをくれた。
「今日はどうするんだ。俺と一緒にパークへいかないか?」
「えっ、けど予定はキャンセルされたんでしょ。カフェのほうへ行かないんですか?」
「わかっている。けど俺はパークへ行くんだ。去年はパークへは行けなかったんだ。
だから今年はどうしてもいくんだ。
ハリケーンなんか関係ない。そしてホイッティーズ・フィッシュ・キャンプでなまずを食うんだ。」
う〜ん、恐るべきアメリカン・パワー。この暴風雨の中なんにも考えとらん。
「わかった。一緒にいこうぜ。」
「そうだろ。外へ出ないと息がつまるぜ。」
ということでハリケーンの中チャーリーの車でパークへと向かう。
途中でアレンの墓へより(彼はアレンがフェイヴァリットなのだ)、ロニーの墓参りも済ませ、まずフィッシュ・キャンプで食事。
彼はこの店も初めてだといっていた。朝から旨そうになまずのフライをビールで流し込む。
「旨いか?」
「いいや。しかしロニーが旨いって言うんだぁ ! +$i$J!#!W
おいおい。
さあこの後はまずブリックヤード・ロードへ。当然大合唱しながら。
「ここがロニーがジュディと住んでいた家だぜ。」
「本当か?」
「多分」
おいおい。
「写真撮ろうぜ」「勿論」
「ここがメロディの家らしい」
「本当か?」
「多分」
おいおい。
雨も丁度小降りになった。さてパークへ行くか。
「道知ってるのか。」
「いいや。けど地図がある。」
「大丈夫か?」
「心配するな。俺はトラック・ドライバーだ。」
なんにつけおおまかでアメリカンな奴だ。
なんとかついたぜ。案の定ほとんど誰もいない。わずかだが同じ事を考えた連中がきていた。
フィールドでは地元の少年がフットボールに興じていた。
「シンプル・マン」がカー・ラジオから流れる。感慨にふける一瞬だった。
さあカフェへ行くか。
雨も激しくなってきた。ますます激しくなってきた。前が見えないほどになってきた。それでも飛ばす飛ばす。
「俺はトラック・ドライヴィン・マンだぜ。」
「それはわかった。だが安全運転でな。」
「大丈夫だおれたちにはロニーがついている」
ますますイカれたナイス・ガイだ。ふう〜っ。
『続く』