この文章は崎田さんから送られて来たメールをそのまま転記したものです。

改行、強調などは私が勝手にしました。

16日夜

外は相変わらず大ハリケーン。しかし店内は次のバンドで大爆発。

そうランドール・ホール・バンド

ベースはAPBを辞めたティム・リンゼイ。ドラマーがヴォーカルをとるトリオ でバカテクのブルース・ロックをキメてくれる。

頭にベレー帽をかぶったランドールは去年と同じ格好。

オリジナル曲やスタンダードに加えスキナード・ナンバーも当然のごとくプレイ。

場内のテンションは最高潮。

とどめは「スイート・ホーム・アラバマ」。トリオながら信じられない程の音の厚味。

エドとスティーヴを合体させたようなギター・ソロは圧巻の一言につきる。

もう一度スキナードに戻ってきて欲しい天才ギタリストだ。

この時点でフリーバード・カフェ内のヘクトパスカルはハリケーン・アイリーンを遥かに上回っていた。

この後もスキナード・チャット・ルームの主ウェイラー率いるキミストリー、

昨夜もプレイしたボビー・クロフト・バンドのプイが続くが、体力の限界がきた我々はホテルへ引き上げる。

ひと休みした後、マーティンに呼ばれ彼等の部屋へ行ってびっくり。

ハリケーンの猛威は彼等の部屋のベッド・サイドの壁を破壊していた。

「お前、寝ているあいだやったら大ケガしてたなあ。」

「信じられん。恐ろしいことだ。」

さすがのマーティンもビビってたようだ。

カースティンは笑わなしゃあない、とでも言いたげに笑い転げている。

彼等夫婦は昨年はロスト・バゲージ。今年は壁の崩壊と災難続きのアメリカ旅行だ。

「お前らの旅は冒険みたいだなあ。」

今夜は夜中にホテルのバーでセッションしようという話だった。

私はやる気まんまんだったが、風邪が悪化しベッドを離れることができずに泣く泣くパス。

外はハリケーン。とまらぬ咳。全身がだるい。

おそらくかなり熱があるだろう。まあ、あまり無理せんと寝ておこう。

と自分自身に言い聞かせて眠りについた。



『続く』