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ひとくちコラム3

ソフトウェアの選択

一般的にPCを利用する目的は、ソフトウェアを利用することです。(中にはハードウェアをいじって楽しむ人もいますが・・・)世の中にはいろいろな目的の、いろいろなソフトが売っていたり、無料で手に入ったり、中には作ってしまう人もいらっしゃるかと思います。そんな中で、どんなソフトを選べば自分の目的をもっとも効果的にかなえられるのか、なかなか市販の雑誌などのレビュー記事をみたりしても、いいことばかりが書いてあって、本当にいいものはどれかなかなかわからないものです。僭越ではございますが、私が趣味や仕事にPCを利用してきた15年余りの経験の中で、得られたものを整理してみました。みなさまのソフトウェア選びの参考にしていただければ幸いです。ゲームやアダルト系は若干観点が違うと思われますので、除外している点、ご了承ください。


使えるソフト一般論

・まずはジャンルを見極めよう

Office系など売れ筋のジャンルなら、高機能なソフトが安価に手に入ります。手に余るとか考えても無駄なので、高機能なものを買ってしまっていいと思います。(例外は、旧型PCやNoteなどで軽いものが必要な場合です。)解説本もたくさん売っていますから、努力次第でいくらでも使いこなせるようになるはずです。問題は、本格的なユーザーが少ないジャンル(出版・映像・音楽など)の場合で、一般向けの安価なものは機能が限られるし、かといって本格的なものは10万円前後から数十万円、中には百万円を超える場合もあります。

・どれだけの人に使われているか

新しいソフトでも、中にはいいソフトはあります。それでも、ユーザー数の多いソフトは、やはり洗練度が違います。ただし、ここでいうユーザーというのは、「所有している」人の数ではありません、本当に使っている人を指します。しかも、毎日のように使っている、ヘビーユーザーがどれだけいるかが、大きく影響します。特にプロフェッショナルが毎日使うようなソフトには、多少の出費は惜しみませんから、PhotoshopやIllustratorのように、同類の他のソフトより格段に高価な場合も多くあります。それでもたくさん売れるだけのメリットをこれらのソフトはもっています。周りに使っている人も多いし、解説本もたくさんあります。バグがあっても、速やかに発見され、ソフト会社の対応が良ければ即改修されますし、改修されなくても回避方法などの情報をすぐ手に入れることができます。

・高価なソフトはいいソフトか?

たいていの場合、ソフトの値段は、販売数の見込みと、開発コストの大小で決まります。数が売れそうにもないソフトは高くなります。それでも、そんなソフトが発売されるのは、高価でも買うような需要が見込まれるからです。それなら、高価なことは「使える」ことなんでしょうか?注意していただきたいのは、「数が売れないから高価」な場合です。この場合、本当に使うべき人が限られているから高価なのであって、その用途にマッチしない限り、宝の持ち腐れになります。

・安価なソフトは本格的には使えない?

安価なソフトは、高価なソフトから一般の人があまり使わないような機能を省いたものであったり、最初からターゲットを一般ユーザーとして開発していたり、あるいは単機能を低コストで開発していたりと千差万別です。ポイントはその商品開発方針を良く理解すること。人それぞれ好みが違いますから、各人が経験を積むことも必要ですが、たとえ安価でもそれなりに情報収集して、どのようなユーザー向けのどのような特徴を持ったソフトなのか、ちゃんと理解してから買うようにすると、たとえ失敗しても経験が次に生きてきます。体験版が提供されているなら使ってみるのもいいでしょうし、使っている人の声を集めることも大切です。安価なソフトの中にも、業務に役立つようなソフトがたくさんありますし、他のソフトと組み合わせることで大きな力を発揮する場合もあります。たまには「俺は○×のプロだから、こんな素人向けのものは使えない」なんて先入観を捨ててみることが新しい発見につながります。

・雑誌でのソフトの探し方

必要とするソフトのジャンルによって、探すべきところは変わります。自分が求めているような記事が、どれだけ記載されているかで、ある程度判断できます。Office系ならパソコンの一般誌で充分情報が得られるでしょうし、それ以外なら、特化した雑誌を探すのがベターです。一般誌の場合、どうしても一般向けの安価な製品の情報が多くなり、本格的なソフトはあまり大きく取り扱われない傾向があります。注意しないといけないのは、特化した雑誌でも業務向けのものとアマチュア向けがあることで、このへんは読んでみてフィーリングがあうかどうかで判断してください。もちろん専門化すればするほど、マスメディアでの情報収集は困難になります。このページを読んでいるような人なら、収集手段は多数お持ちだとは思いますが、偏らない情報って案外少ないものですね。

・目的を明確に

とりあえずやりたいことが明確に決まっているなら、そのジャンルによって変わってきます。普及率の高いジャンルではフル仕様でも安価ですからそれで問題ありません。普及率が低いジャンルの場合は、目的にあった単機能版や、機能限定版で目的を達せられるかどうかよく検討すべきです。もし不可能となれば、あきらめるか、高額出費を覚悟してください。

勉強目的の場合、マイナーな製品では勉強になりませんから、どんな場合でもプロ仕様を買うべきです。Office系などでは問題ありませんが、DTP系や映像系の場合どうしても高額になる点は覚悟してください。学生向けの割引などがあるソフトもありますし、専門学校などで使わせてもらえるなら、その方が安いですね。

・ジャンルによる傾向

Office系:ワードプロセッサ・表計算など
とりあえず買っておく人が非常に多いので、ソフトも比較的安価です。フル機能のものが2から3万円で手に入りますから、ガタガタ言う前に買ってしまって問題ありません。(このページを見ている人はすでにもっていますよね)買い換える場合も、有名どころでしょうから好きにしてください。
DTP系:編集・フォトレタッチ・イラスト制作など
毎日使っている人が多くなります。開発コストもかかるうえ、市場は若干狭いので、使えるソフトは高価になりがちです。一般向けを狙った安価な製品もありますが、遊び目的以外には使えません。(仕事に使えるなら、もっと高価にして収益を上げるはずです。)目的を絞れるなら、安価なものにしておく手もありますが、勉強目的ならプロ仕様を勧めます。(数万円以上かかります)
映像系:3D・動画編集など
一部のプロが使う本格的な製品と、アマチュア用の安価な製品に大きく分かれます。中には機能を絞って、本格的な仕様を安価に提供していたり、単機能で優れた機能を持っているものもあります。仕事で使うなら、それなりに大盤振る舞いもできますが、趣味の延長で本格的な作品を作りたい場合が難問。単機能の安価なソフトを組み合わせて可能になるような線で妥協するか、思い切って何十万円出すか思案のしどころです。
ツール系:エディタ・ファイル管理・通信など
開発コストが余り高くなく、市場はかなり広いので、シェアウェアなどにして流通コストを下げた製品が有利になります。中にはフリーソフトもあります。多数のソフトが乱立する傾向にありますが、試用してから購入決定できる場合が多いので、有名どころのダウンロードサイトなどで比較検討して、「使えるもの」に支払えば問題ないですね。
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